ストレスを感じやすいかどうかは、自己評価の高い、低いにも大きくかかわります。
「プライドが高い」のは決して悪いことではありませんが、高すぎると、傷つかないよう、恥をかかないように、とちょっとしたことでも逃げてしまいます。
残念なことに小さい時に決定的な挫折体験を持ったり、自分はダメだというシナリオを叩き込まれた人もいます。
自己否定を持っている人は、自信がなくアピールも苦手なので、ほめられる体験も当然少なくなります。
そうした人は、自分で自分に自信をつけていく作業が必要になります。
愛された記憶を思い出す
最初は自信をつけることが大事です。
これは、実はなかなか難しいのです。
ほめてくれる人が周りにいればいいですが、普通なかなかいません。
そのとき、ひとつにはほめてもらったり愛情を注いでくれた証を、収集するという方法があります。
たとえば、赤ちゃんの頃に母親に抱かれて、母親が嬉しそうに微笑んでいる写真などを大きく引き伸ばして、自分の部屋に飾る。
「自分はこんなに愛されていたんだ」と感じられるものをつねに目の前、目に触れる場所に置いておく。
お母さんは何かの事情で離れたとしても、本当はこんなに愛してくれていたんだと。
また、おじいちゃんが「寒いだろうから」と買ってきてくれた手袋を、古くなっているけれど、しまっておいた箱から出してベッドのところにお守り代わりにぶら下げておく。
すると、誰かが自分に愛情を注いでくれた、誰かが自分を気にかけてくれたという縁(よすが)になります。
こうした愛された明石の品は誰にも必ずあるのです。
「自分は愛されたことがない」と思っている人でも、探してみればあります。
愛されていないと思い込んでいる人は、どうしても愛された記憶を拒否して見ないようにしています。
そしていじめられた、冷たくされた記憶ばかり収集してしまうのです。
これを逆手にとってしまうのです。
どんなひどい父親でも、たまには土産を買ってきてくれたこともあったかもしれません。
そんなことを意識的に思い出す。
アルバムを見るのもいいでしょう。
友達と仲良くしていた自分の姿を思い出すため、スキャンして飾っておく。
愛情の記憶を意識的にコレクションするのです。
すると、パワーが湧いてきます。
幸せな記憶は渡る世間の防寒具
硬い石は磨けば光りますが、柔らかい石は磨くと崩れてしまいます。
自分に自信が少し生まれた時には鍛える、でも弱ったときは心の中のセーフティーゾーンで安らぐことも鍛えることと同様に必要なことです。
そういうふうに、がんばったり、引っ込んで休んだりを繰り返しながら、徐々にあなたを前進させていけばいいのです。
幸せな記憶というのは、大事な一種の防寒具のようなものです。
冷たい世間の風を受けながら歩いているときに、「自分にはこんなに優しくしてくれる人がいる」「どうなっても自分を見捨てず愛してくれる人がいるから、大丈夫」と思える人は、強いのです。
家族や癒してくれるペットの写真を部屋に飾ったり、携帯画面で写真を待ち受けにしたり、定期に入れたり、会社のデスクに置いたりすることもあると思います。
ちょっと疲れた時に、かわいい写真に「うん。がんばろう」と思う。
励みになるし、みんなやっています。
自己否定をしやすい人は、意識してそれをやっていきましょう。
今日もお疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。