あなたは、ノートをどんなふうに使っていますか?
たとえばコクヨ社員ならば、こんなふう。
A4ノートを広げ、広大なA3の大きさをホワイトボード代わりに。
ある案件に対するアイデアをミニふせんに書いて1ページに貼り付ければ、「一人ブレインストーミング」のスペースに。
顧客と話し合いをする前に、縦3等分に分けて、「事前に調べた内容」「話を進める順番」「当日の話し合いの内容」にすれば、デキる営業の重要なスペックの一部に。
ノートは、あなたの脳の思考を広げるためのツールです。
そして広大でありながら、重要な情報を1秒で取り出せる記憶媒体になります。
コクヨは日本で一番ノートを売り、文房具をはじめとしたさまざまな商品を企画・販売している会社です。
世間からは「ノートのスペシャリスト集団」という見方をされています。
そのコクヨ社員が、いったいどんなノートの使い方をしているのか?というのが、本書で書かれています。
デジタルモバイルの時代にありながら、実はノートの販売数は年々増加しています。
業務内容のペーパーレス化が叫ばれて久しいのですが、需要が減らないのはなぜでしょう?
それはいつの時代も、ノートが仕事の成果を高める有効なツールだからですね。
より効率的に、しかも効果的に仕事を進めることを求められている現代日本の私たち。
たくさんのタスクを1人で抱えることは日常ですね。
それらの膨大な情報を管理し、顧客の個人情報を守り、期日をしっかり守って仕事を仕上げ、新しい企画への創造性も高めていく。
とっさに取り出せて、顧客や仲間と話し合いながら書き込めるノート。
プライベートにも活躍している人も多いのではないでしょうか。
1冊のノートで「頭の整理」「仕事の整理」が自由自在
本書の中では、コクヨ社員たちそれぞれのノートの使い方を提示してあり、100通りの使い方が紹介されています。
そこからここでは、自分が明日から使いたいと思ったいくつかのやり方をご紹介します。
コクヨの社員は実はノートの内容をモバイルとも連動させています。
多すぎる情報をうまく捨てることもしています。
ときには上下さかさまで書いたり、罫線を無視したりしながら使っていました。
コクヨ社員だかもこその「自由なノートの使い方」もあります。
いずれも1分もあればマネできる「簡単メソッド」が中心です。
本書では、「方眼」「横系」「無地」の3種類の定番ノートを活かした「結果を出すノート術」です。
ワタシは覚えることがとても苦手です。
記録をすることが生命線です。
しかし、それらの記録をどう管理するかも重要で、「あのメモ、どこに行ったっけ?」「あの資料、どこ?!」が日常的。
時期によって求められるアウトプットも、情報の量も、ノートやメモの身につけ方もいろいろありますよね。
そうしたときに使えるヒントがいっぱいあった本書でした。
あなたにとって、ひとつでも「使えるノート術」が見つかったら嬉しいです。
アウトプットを意識しながら書く
目的を持つことで、ノートにメモする内容がかわってきます。
たとえば、「あの人に教えよう」「次の会議で話してみよう」と意識することで、単なる記録ではなく、伝えることを前提とした強弱のあるノートになります。
「うちの部の会議では、ここを絶対に伝えなくちゃ」
「これは必要ないな」
こういった視点で、より実践的になります。
このメリハリは、コクヨの社員がノートを使う時に重要視している人が多くいます。
「情報の順位付け」を重要視し、色や記号を使ったり、優先順位を表示するルールを決めて書いたり。
こうした「自分が一番使いやすいやり方」は、それぞれの社員が試行錯誤しながらみつけてきたものだそうです。
私たちも、あれこれ実践してみて「自分に一番使いやすい形のカスタマイズ」を見つけていきましょう。
また、あなたが「どう行動したいのか?」「重点は何か?」によって、大きさやマス目、表紙の硬さをチョイスしましょう。
では、実践編いきます。
スマホで撮影
サイズに関わらす、スマートフォンで記録する
この社員さんは、学生時代に建築を先行して以来、方眼ノートを愛用。
社会人になってからもアイデアと健闘したことを視覚的に残したいので、横系ノートは使わないのだとか。
長らくA4ノートを使ってきましたが、スマホを記録媒体に活用するようになり、サイズへの執着がなくなりました。
たとえば、ブレインストーミングのような発散型のミーティングならば、A3サイズのコピー用紙やホワイトボードに自由に書いて、最後に撮影。
現在はスーツの内ポケットやデニムの尻ポケットにも入る測量野帳を多用しています。
ホテルやレストランなど、気になった空間はレイアウトがわかるようにスケッチするのだとか。
疑問や重要事項は吹き出しで表示
基本は青色で書き、強調したいことを赤色の吹き出しで記入
この方は、A5サイズの方眼ノートを使用。
メインで使っているペンの色は青色。
青色で基本事項や枠組みを記入し、そこから赤色のペンで重要事項を書き足すのです。
青色だと、方眼の色が薄いグレーなので、ノートをカラーコピーしたときに、方眼のモノクロの線と記入した内容が混ざらず、見えにくくならないのだとか。
また、「青色のペンを使うと集中力が持続する」とよく言われるので、能率アップもねらっているとか。
また、
「疑問に思ったこと」
「思いついたこと」
「重要なこと」
「必ずやるべきこと」
などは、赤色の吹き出し文字にしたり、文字に波線を引きます。
「案件ごと」に1ページにまとめる
目の前のお客様に、ほかのページが見えないように気遣う
上部に件名や日時、場所などを書き、その下の記述欄が方眼になっているA4ノート愛用の社員さん。
営業職なので、お客様の前でメモをとる機会が多いのですが、リングノートはページを完全にめくれるので、お客様にほかのページが見えない状態でメモが取れます。
方眼のフォーマットは、レイアウトなどもキレイに書けます。
客先で書いたレイアウトのメモを、そのまま社内での設計打ち合わせ資料に転用することもあるそうです。
また、ノートを写真に撮ってデータとして活用する際にも、薄い方眼は邪魔にならず、見やすい資料になるのだとか。
ノートをタテに3分割
打ち合わせに必要な情報は事前に準備して記入しておく
営業の社員さんのノートです。
お客様との打ち合わせに必要な内容をノートに整理してから挑んでいるのだとか。
ノートは縦に3分割。
たとえば、案件の詳細な内容を詰めていくような打ち合わせの前には、
・左に日程や予算など、
・真ん中には案件の詳細情報、
・右に打ち合わせ中に新しく出てきた事項
後から見てすぐにその日の打ち合わせ内容がわかるよう、コンパクトにまとめることを意識しているそうです。
1回の打ち合わせで使うのは1~2ページ(見開き)まで。
別のお客さんの案件を記入するときには、次の見開きに移動します。
分野ごとにちぎってファイリング
1冊のノートを持ち歩き、すべてを時系列で記入する
図も文字も書きやすいので。A4サイズの方眼ノートを使っているという社員さん。
A4ならば、だいたいの内容が1ページに収まるそうです。
ペンはLAMY(ラミー社)のものをつかっていて、インクの色はブルーブラック。
思考を止めずにスラスラかけて、ブラックよりもクリエイティブになれる気がするそうです。
この方はノートは1冊を持ち歩き、案件に関わらず、日付順に書きます。
通常案件以外は、あとから分野ごとにちぎってファイリングします。
(たとえば、「〇〇プロジェクト」「ありたい姿に向けたインプット」「社外の学び」などに分けています)。
ノートの最終ページには、ふせんをつけておき、TO DOや取り急ぎのメモに使います。
ノートの中に後から見返す必要のない情報が増えすぎて、必要な情報が埋没するのをさけるためです。
TO DOには、必ず「期限」を書く
TO DO専用ノートをつくり、リストを定期的に更新する
B5サイズの方眼で、TO DOリストのみの専用ノートを作っている社員さんもいます。
記入するタイミングは、進捗ありしだい、都度です。
外出先でのやりとりで書き加えられない時は、会社に戻ってから記入。
TO DOを記入するときには、可能な限り、その期限を「〇月〇日」と明記することを心がけています。
週に1度は、TO DOのヌケモレをチェックし、整理・更新する時間を作ります。
リスト中にある重要項目には蛍光ペンでマークしています。
たとえば、「大事だけど、急ぎではないもの」「放っておくと、なかなか手が付けられないもの」などは、忘れてしまいやすいものの筆頭なので、なるべくマークするそうえす。
資料は「電子化したら、捨てる」
書いたものは、どんどん捨てていく
概念を整理する企画業務が多いという社員さん。
基本「ノートは思考を整理するために使うもの」という前提です。
見返すことは少ないので、書いたものはどんどん捨てる、ホワイトボードの感覚に近い使い方。
そのため、ページを切り離せるタイプで、無地に近いものをチョイスしています。
大量に紙を消費するので、レポートパッドをメモ帳のように使うことが多いそうです。
ヒアリングや議事録など、あとで見返す可能性があるものを書くときには、やや紙質硬めのはぎとりタイプのノートを使っています。
しかし、こちらも長期の保存はせず、電子資料に取り込んで、紙の方は捨てます。捨てる予定の紙が机に積みあがっていくので、残す資料と混ざらないように、「捨てる方は2つ折り」というルールを厳守しています。
「超ミニふせん」を使ってアイデアを出し切る
A4サイズのノートに100以上の情報を書き出せる
顧客向けの提案や社内プロジェクトの企画など、重要な資料をゼロからつくりこむときには、まずはその企画で語る可能性のある事実や課題、アイデアを小さなふせんに書き出します。
この社員さんは、25ミリ×7.2ミリの超ミニふせんを使います。
このサイズだとA4サイズのノートに100以上の情報を書き出せるのです。
実際に書き出す時間は10~20分ですが、すべて出し切ってまとめた企画だと、納得できるので、企画提案時に自信が持てるのだとか。
旅日記には「現地の包み紙」を貼る
旅の記録を書くだけでなく、現地のモノも貼る
この社員さんが旅の記録や自己啓発などで使うノートは、保管を前提にしているものなので、モレスキンです。
業務でも使いたいけれど、高いから断念!
旅の記録は、大事に何度も見返したいものなので、奮発してモレスキンをセレクト。
このノートは第3者にも楽しんでほしいので、書き間違いをなくすべく、フリクションを使用。
海外旅行の旅程や訪れた場所の記録んとして、現地のパンフレットや写真スケッチなどをコメントとともに残していますが、現地のありふれたお菓子の包み紙やチケット類をノートに貼り付けておくと、その街の個性が強く表れたページになり、楽しい思い出がよみがえってくるそうです。
ここのところ、手帳とノートの併用をしつつ、ちぎってはファイリングを繰り返しています。
たくさん書き込むことで、情報のモレ・提出期限忘れがなくなってきたので、非常に心安らぐ毎日です。
おつかれさまです。
時短になった時間をつかって、あなた自身を癒してあげてくださいね。
では、また。