「強がってばかりいてもすぐにいっぱいになってしまいますし、自分の弱さを知ってこそ、人は他人に優しくなれるのではないでしょうか」
これは、サッカーの日本代表チームで長くキャプテンを務めた長谷部誠選手の言葉です。
ワタシは小さいころから注意が欠損しやすく失敗体験が多かったため、自分ができないことについて、強くコンプレックスを抱いてしまいがち。
そのため、自分の弱さを受け入れるのが下手です。
しかし、著書『心を整える。』で、弱いなら弱いままで受け入れ、心を整えていく方法論を見出しています。
誰にでも足りないところがあります。
爆発的に人気の『すぐやれる人とやれない人の習慣』を書いた著者にも、足りないところがあるのだそう。
スポーツもこれと同じで、それぞれに強みも弱みもあり、そこにハーモニーが生まれ、勝てるようになる。
あなたも何が何でもメンタルを強くしようとするより、弱い自分をみつめなおすことを著者は勧めています。
無理して自分を強くするのではなく、弱いままで結果を出す。
その方法はいくらでもあります。
今回のポイントは、
1.お気に入りの書店を持つ
2.5分だけノートを書く
3.理想像を3人持つ
4.ひとりの時間を積極的に持つ
5.動機を3つみつける
です。
1.お気に入りの書店を持つ
読書をする。
これはあなたが閉じ込められた思い込みから飛び出す力となり、心も強くしてくれる行為です。
著者は高校1年の時に校内で事件を起こし、自宅謹慎となりました。
勉強もスポーツもできない自分に嫌気がさした矢先の出来事。
謹慎処分となり、その間に親と出かけた書店で、それまでの著者のもやもやした思いは一気に崩れました。
書店で見つけた本には、さまざまな成功者たちが描かれていました。
そして、誰一人生まれながらの成功者ではなく、多くの苦悩を乗り越えて道を究めたことを知りました。
ある成功者は、父親がコメ相場で失敗したことで、平穏な生活を失いました。
故郷を捨てざるを得ず、小学校に3年生までしか通えず、丁稚奉公に出されました。
これは現在パナソニックにつながる松下電器の創設者、松下幸之助氏のエピソードです。
著者は、自分がその状況だったら絶望しただろう、と愕然としました。
松下幸之助氏は、そんな状況でも絶望せず、「経営の神様」と呼ばれるまでになったのですから。
私たちはどうしても周囲の世界をすべてと感じてしまいがちです。
しかし、全く違う価値観に触れると、世界が崩れるような感覚さえ味わえます。
今いる状況と言う小さな箱を飛び出すために本を読めば、たくさんの人生に触れることができます。
著者は自分が高校生のときに書店に言っていなければ、現在の自分はなかったと振り返っています。
著者からのお勧めは「最低3つのお気に入りの書店を持つ」ということです。
2.5分だけノートを書く
いろんな本によく書かれている「ノートに書く」。
実はワタシも10月くらいにチームがうまく動かないとき、朝の出勤する電車の中でノートを書いて、ひとつの解法をみつけることができ、11月からチームがまわり始めた経験があります。
スマホじゃだめなんです。
ワタシがそのときノートで使ったのはマインドマップでした。
家では『ゼロ秒思考』の「メモ書き」を使いました。
気持ちがぐるぐるしすぎて、心療内科のカウンセリングを頼んだ方がいいのでは?となっていたのです。
しかし、りょうきんは1時間8000円。
安くないし、しかも予約待ちは3か月です。
「メモ書き」は、カウンセリング効果が十分ありました。
著者は、忙しい現代社会に遭って、「自分と向き合う時間」が本当に必要であると言っています。
別の言い方をすれば「自分を振り返る時間」。
ここでは、手帳などを見直していく時間もこの「自分を振り返る時間」になります。
かなり勉強したはず、お金はまだあるはず。
これらの甘い認識は、現実の自分と向き合うことから自分を遠ざけてしまいます。
ひどい時には、現実と向き合うことが怖くなることだってあります。
混んだ帰りの電車の中で行うならば、メールの「今月のカード明細」を確認するだけでも、非常に意味があります。
ちょっと空いた電車内でできる、もしくは帰り道のカフェで一息つけるならば、ノートが有効です。
サッカーの中村俊輔選手といえば、芸術的とも評されるフリーキックで有名。
大舞台でゴールを決める中村選手のメンタリティの強さは、「サッカーノート」にあることで知られています。
高校生になるころ、大きな挫折を味わった中村選手は、ノートに目標や課題、反省はもちろん、不安や孤独、自信などの感情まで、日々感じたことを素直に記録したそうです。
まさに、「現実と向き合うためのノート」ですよね。
中村選手は自分としっかり向き合うことで、心の強さを獲得したのでしょう。
ノートを毎日書く行為は夢をかなえるための「鍵」と言えるでしょう。
3.理想像を3人持つ
「僕の場合、無理して先に人格をつくっちゃうんですよね。
ヒーローとしての人格をつくって、普段からそう振る舞うようにする。
それをつづけていたら、自分の本物と重なるんですよ。
つくった人格が、本当の人格になるんです。
そうしたらホンマにカッコイイ本田圭佑ができ上がるんですよ。
だから1日1日が本当に大切になってくるんです」
これはサッカーの本田圭佑選手のコメントですが、彼のこの言葉からは、自分の理想像を持つことがいかに大切かということが学べます。
目標を持つことはもちろん大切ですが、達成すれば完了です。
「何のためにそれをするのか?」という考え、すなわち目的を持つこと、それが大切なのです。
著者は、目的を「状態」、目標を「行動」と分けて考えます。
「来月末までに〇〇する」という目標を設定したとして、しかしそれは「何のためにそうするのか?」という問いに答えられるでしょうか?
その未来イメージにワクワクできるか、ということも重要です。
あなたの未来像を考えるときには、それは「どういう自分なのか(状態)?」と問うてみましょう。
そうすれば、そのために「何をすべきか(行動)」が自然と明確になります。
理想像のために自分のロールモデルとなる人を見つけることも、良い理想像をクリアにする手段です。
複数のロールモデルを見つけ、それらを掛け合わせていいとこどりをすればいいのです。
目標を見つける際は必ず3人の尊敬する人を挙げることを著者は生徒さんに勧めています。
1人だとハードルが高くなりすぎてしまいがちですが、こういう風に歩みたい
くらいの理想を見つけることができます。
そこからそうなっている姿をイメージします。
イメージできたら、そこに近づくためにどんな行動が必要か書き出すのです。
すると、どういう行動指針が必要で、何が障害になっているかまで、くっきり浮かび上がります。
4.ひとりの時間を積極的に持つ
孤独と上手に付き合うスキルは、強い心を育てるための必須条件。
現代人が感じる漠然とした不安から「自分を取り戻す」ために必要な時間です。
この時間を捻出するのは、現代は至難の業ですね。
これには、とにかく「自分との約束」として、ひとり時間をスケジュールに
書き込むことからスタートです。
そして、自分との約束を守る!
著者の場合は、読書する、ジムへ行く、セミナーに参加する、会いたい人に会う、食べたいものを食べる、観たい映画を観る、といた、自分がこうしたいと思うスケジュールをまず手帳に書き込むようにしているそうです。
自分の意志の弱さも自覚しているので、ちゃんと書いておかないと、
「ジムに行こうと思っていたけど、まぁいいか」
となり、さほど重要でもない仕事も引き受けてしまうからだそうです。
また、予定をしっかり書いておけば、気が乗らない誘いも断れるようになります。
流されない自分を保つと、そこに自信もついてきます。
スケジュール帳には、自分の予定を書くことから始めてください。
5.動機を3つみつける
目標に向かって進んでも、うまくいかないことが起こると、心が折れそうになる。
それどころか、実際に折れることもあります。
そんなときは、何かをやる理由、つまり「動機」が1つしかないという場合がよくあります。
動機は「柱」のようなもの。
目標は柱の上に乗っかっている、そんなイメージです。
柱が1本だけだと、ポキッと折れた時、当然目標は落下します。
そうならないためには、柱を太くするか、複数にするしかありません。
複数であれば、1本が折れてもほかの柱で支えられます。
動機で大事な点は、個人的なものにしないこと。
これは、目標達成したときに享受できるのが自分だけだと続かないことが多いからです。
カナダのブリティッシュコロンビア大学の心理学者エリザベス・ダン博士の実験があります。
学生2グループのうち、片方は自分のためにお金を使う目的で5ドルを渡します。
もう1グループは他人のために20ドル使うようお金を渡しました。
そのうえでのちの幸福度は、どうなったのか。
自分のためにお金を使ったグループの幸福度は変わりませんでしたが、他人のためにお金を使ったグループは幸福度が上がりました。
要するに、利他的な行動によって、私たちの幸福度は高まります。
動機は複数がよい。
そしてその場合、「自分」「周囲」「社会」の3つになるとベストです。
あなたの目標達成にも、より多くの人を巻き込むことが重要なのです。
今年こそ、「自分との約束を先に手帳に書く」を実践します!
それから、ずっと何年も目標にしていた「ダイエットする」。
なかなか実現していないのです。
今年は「健康的になる」に替えて、そのための目標を考え、動機をつくってみます。
それから、そこには「スリムな見た目になって、若手にも堂々と意見を言えるようになりたい」という裏目標がありました。
若手に見た目で負けてしまうと、気恥ずかしくなって言いにくいこともあります。
しかし、実力をあげて言いたいことは言います。
それで聞かないお子様がいても、知らんし。
そこまでは教育しきれないし、人は変わらない。
その人に会った言い方を考えて実践したら、あとはあちらの領域ですね。
そのためにダイエットとか、意味が分からない。
自分の健康のため。
自分の健康寿命のため。
好きなことをして、好きな仕事をして、好きな生活をするために、健康になろうと思います。
今週もお疲れさまでした。では、また。