猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』越川慎司

800社以上、のべ17万人の働き方改革を支援してきた著者。

今でも爆発的に売れている名著『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』では、社内で上位5%の仕事のできる社員たちをAI分析して、彼ら彼女らが持っている習慣を徹底分析しています。

 

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ビフォア・コロナで調査した「トップ5%社員」の結果と、ウィズ・コロナで行った調査結果で、共通点と相違点がそれぞれ確認できました。

 

そしてさらに、「上位5%リーダー」でも違いがあることがわかりました。

上位5%社員の中に管理職も含まれていたのですが、管理職のみ抽出すると、思いもよらない特徴的な傾向があったのです。

それは自分本位の「伝えるコミュニケーション」から、相手主役の「伝わるコミュニケーション」の実践でした。

さらに、厳しい状況の中で5%リーダーが目指すようになったのは、「共感と共創」です。

同情するのではなく共感し、一方的に提案するのではなく、ともに考え抜く。

リーダーのこの考え方はチームに浸透し、チームの目標達成へとつながるのです。

 

今回のポイントは次の通り。

1.効率よりも、チーム内の意義・目的の理解

2.5%リーダーのちょっとした行動習慣

3.意図的に時間と気持ちの余裕を作るようにしている

4.話が短い

5.会議の参加者が「自分事」として参加する工夫

6.48%はメンバーにかなわない、と思っている

 

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1.効率よりも、チーム内の意義・目的の理解

上位5%リーダーはチームが目標達成することのみを考えています。

自信の評価を上げることも考えていますが、個人ではなくチームの目標達成が最優先事項なのです。

個人の目標をめざす5%社員とは違い、より大きな組織目標を達成しなくてはいけない5%リーダーは、メンバーの協力が必須です。

もともと業務処理能力が高いメンバーがリーダーに抜擢されることが多いので、自分の能力や頑張りでチームの目標を達成しようとする人は大勢います。

しかし、会社としてもそんな甘い目標を与えるわけがありません。

 

そのため、5%リーダーは、メンバーに必ずタレント(能力)があることを信じ、それを引き出すためにどのようにティーチングとコーチングをすべきかを考えます。

メンバーに自由と責任を与え、自発的に動いてもらうことで、リーダー自身の管理負担を減らそうともしています。

 

5%リーダーはすべてを完全にマネジメントできないと腹をくくっており

「メンバーの方が自分より顧客や現場に近い分、より多くの情報に触れ、業務スキルも高い」

と答えるリーダーが5%社員の中には大勢いました。

 

この上司たちの「手放す」という行為が実はチームの結束力を生み、それがチーム個々の自主性を育みます。

 

ワタシも期せずしてメンバーに仕事を「任せる」ことがありました。

あんまり仕事をしようとしないメンバーに、「これ、任せるから」と半ば「投げた」だけです。

しかしそのメンバーは、とても丁寧に仕事を仕上げてきました。

反省です。

本書を読んでこの章が一番自分を反省させています。

つい「自分でやっちゃう」モードが発動してしまうのです。

今のチームには、モチベーションに「?」がつくメンバーが1人います。

しかも主要なポジションです。

目的の共有をしようとしても、

「そんなに頑張らなくていいんじゃないですか?」

という頭から血の気が引くような返事がきます。

「いや、これくらいの達成率にすると、目標に近づけるよ」

と提案すると

「これくらいでいいじゃないですか」

と低レベルの提案をしています。

だから、秋からは

「メンバーで話し合いをすると、その足を引っ張るナンバー2にくそ提案でつぶされるから、話し合いをしないでリーダーの自分が走り出し、後からメンバーに仕事をふる」

という究極方法を編み出し、やってきました。

しかし、これは当然自分の首を絞めます。

でも、目標レベルまでは達成します。

さらに11月からは、

「ナンバー2がいない日にナンバー2以外で話し合い、目的を共有する」

という手法でいきました。

話し合ってみると、ナンバー2以外はすんなり目的を共有してくれたので、仕事を分担し、はかどらせることができました。

さらにナンバー2には、小さい企画の運営を投げるようにしました。

すると自分の担当する仕事となると、何故かいつもの「これくらいで」という手抜きをしないでやり遂げました。なんだよ、やればできるんじゃん!?

 

社内でも曲者で有名なナンバー2でしたが、「自分の仕事は自分の考えた手順で」やりたかったり、「自分の評価につながることは頑張りたい」様子がわかりました。

 

自分なりにはこの手法、大成功だと思っています。

ただ、ほかの部署のリーダーたちから、

「あいつの仕事がひどいんだが?!」

という他部署からクレームもありました。

彼の他部署との連携仕事の質の悪さに、

「おい、あいつの指導はどうなっているんだ」

と他部署リーダーから叱りの直接電話ももらったりしました。

そう。彼を使いこなすには、ふつうのやりかたではダメなんですよ。よくわかったね。

うちのチームではうまく働かせることができます。

しかし、彼の本質は変わりません。他所に異動したときは、ひょっとしたらうまくいかない。でも、そこまでは責任取れなくてごめんよ。首にしてくれ。

そのあたりはもう彼の性格の問題なので、変えることは難しいと思っています。諦めました。

後日カーネギー先生の『人を動かす』でもじっくり読もうと思います。

 

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2.5%リーダーのちょっとした行動習慣

著者は178社に対して新任管理職研修や若手社員向けのリーダーシップ研修を展開してきました。

その中でも78社には、複数回のリーダーシップ研修を開催し、成果を出し続けるリーダーの育成に取り組みました。

今回の調査で体系化された行動習慣を、78社1408名のリーダーに適用しています。

たとえば、

・時間と精神の余裕を生むためにバッファー時間の創設

・週1回15分の内省タイムの強制設定

・口角を2センチ上げて話すことを推奨

・うなずきを2センチ以上大きくする

といったことを展開しました。

すべてが成果アップにつながるわけではないそうです。

短く話すまとめ力や、相手の喜怒哀楽を感じ取れるセンシングなどは、一朝一夕にみにつくものではない、と著者は言います。

しかし、自分ではなく相手を主役ととらえて、自分の思いが相手に伝わるコミュニケーション術は意識してまねできます。

また、「心理的安全性を確保せよ」と命令するよりも、「社内会議の冒頭2分で雑談せよ」と具体的に指示した方が、行動を起こしてもらいやすいこともわかりました。

著者の育成プログラムは91%が満足し、現場に戻ってからの行動変容を89%が実感しています。

多くのプログラム参加者が、行動を変え、内省タイムなどにより、行動変容が定着しました。

こうした確実に成果を出し続ける著者のプラットフォームですが、ひとことで表すならば、組織を「言われたことだけをやる」のではなく「自走式」の組織へと変容させるのがポイントです。

 

確かに!

ワタシのチームでも、仕事をメンバーに任せて自走式にしたときのほうが、効率が非常に高いです。

それこそ、効果が2倍は違うと思います。

「自分がすべてやってしまえば、一番高い効果を得ることができる」

というのは思い上がりだった、と今反省しました。

3.意図的に時間と気持ちの余裕を作るようにしている

上位5%リーダーを対象とする調査では、360度カメラを設置して働いている様子を録画し、行動を記録・研究しました。

そこで明らかになったのは、移動スピードの違いです。

5%リーダーのうち59%が、明らかに平均よりもゆっくりと移動していたのです。

この結果は著者の前著『トップ5%社員の習慣』とは逆の結果です。

5%社員はせっかちで、歩くスピードは一般社員より速かったのです。

 

理由を追求すべく、ゆっくり歩く5%リーダーに直接ヒアリングをしました。

「そんなことまで調査したのですか!」

と驚いた後、

「自分ではゆっくり移動しているとは思いませんでした」

という反応。

ただ、5%リーダーはほかのアンケートで

「意図的に時間と気持ちの余裕を作るようにしている」

と答える人が58%いたので、それが歩くスピードに反映されているのだと著者は分析しました。

 

また、5%リーダーは自分が仕切る会議では時間内に終わることを厳守していました。

ほかの管理職よりも会議中に時間を確認する回数は2.8倍多く、時間内どころか予定より早く終わらせようとしていました。

また会議改革に取り組む5%リーダーも多く、一般的な管理職の3倍以上の人が社内会議の量と質を改善しようとしていました。

 

・30分の定例会議を25分に設定

・意思決定の会議は参加者を絞る

・会議の冒頭でアジェンダを各参加者の役割を発表する

 

ヒアリングでわかったことですが、5%リーダーはエレベーターを使わず、階段で移動する人が多いこともわかりました。

そして、階段は速く駆け上がるのです。

一方、オフィスフロアや廊下はゆっくり歩いているのです。

メンバーから気軽に声をかけられることをよしとする5%リーダーは、あえてゆっくり歩いて間を作っているようにも見えました。

「今、ちょっといいですか?」

と声をかけてもらいやすい。

そういったことまで計算して行動しているのです。

 

4.話が短い

今回のヒアリングと1対1のミーティングの様子を分析すると、5%リーダーのうち58%は、発言頻度は多いが、発言時間は短いことが分かりました。

相手に話をさせるように、しっかり聞く姿勢にあることも特徴的でした。

相手に思いが伝わるようにするには、メッセージをコンパクトにまとめて発する必要があります。

聞く時間より話す時間の方がテンションが上がることを5%リーダーは知っています。

一方で「丁寧に話せば確実に相手に伝えることができる」と勘違いする管理職も多くいます。

相手が聞く気にならなければ伝わりません。

長い文章も、キーワードで伝えた方が即座にその意味が伝わります。

「意義」「目的」「数字」にコンパクトにまとめる

5%リーダーは最初の一言に魂を込めます。

会議が終わった1時間後、

「どのパートが最も記憶に残っている?」

という質問を参加者7516名に投げかけたところ、最も記憶に残っているのは、「最初の15分」でした。

冒頭のインパクトと最後のパートに力を注ぎこめば、インパクトを残しやすいのです。

5.会議の参加者が「自分事」として参加する工夫

社内会議では、アジェンダと冒頭で参加者の役割を明確にすれば、参加者は適度に緊張し、会議中にほかの仕事を内職する、なんてこともなくなります。

あなたが中心で進める会議の中で、アジェンダと役割を提案するのは、こんな感じです。

・今日のアジェンダは3つです

・1つ目のアジェンダでは営業部の鈴木さんから意見を聞きたいと思います

・2つ目のアジェンダではディスカッション。開発部の吉田さんのご意見をお願いします

・3つ目の意思決定では営業部の山田さんもぜひ積極的にかかわってください

最後の質疑応答では各部門から一言ずついただければと思います。

 

このように動機づけをすれば、参加者は会議を「自分事」とできます。

最後の「まとめ」の段階では、説明のまとめではなく、「Q&A」で、参加者に質問させて双方の対話をすることを目的にします。

5%リーダーは、メンバーに自分自身のことを考えさせる時間を作って、その気づきや学びを思う存分話してもらうことを狙っていました。

 

さらに

「どう思いますか?」

と一方的に聞くのではなく

「例えば私は〇〇ですが、あなたはどうですか?」

と、答えやすいようにしていました。

相手が話しやすい空気、回答方法の助け舟の提供、相手が自発的に話す機会を多くする。

こうした工夫で双方の対話に変換させていたのです。

 

64.8%はメンバーにかなわないと思っている

プレイヤーとして優秀な人が、リーダーの素養があるというわけではありません。

個人のプレイヤーとして成果を残すことと、チーム全体の目標達成をすることは実現方法が異なります。

それに必要なスキルも異なります。

 

この章は、ワタシ自身が「全くをもって下手くそな分野領域があるダメ人間」であることを自覚しながらも、リーダーをやるという矛盾の中で生きる上で、心の支えとなっています。

 

現場のリーダーが自走する組織を目指すうえで、リーダーがすべtの能力を担って動く必要はない、と著者は言います。

5%のリーダーは、自らの職務遂行能力を高めることをあきらめています。

(諦める!?早すぎでは!?!)

メンバーの能力を高めるために、チーム全体の調整をすることが自分の責務だと思っています。

たとえば新しく加入したばかりのメンバーがいる場合。

しかし、5%リーダーは全員にタレント(才能)を信じているので、ほかのメンバーとは違う才能を見つけ出し、際立たせます。

5%リーダーはメンバーのストロングポイントに注目し、そこを伸ばしてあげるよう注力していました。

 

まずは、雑談、相談しあう関係性の構築を目指します。

上から眺めるのではなく、メンバーの横に並び、フラットな関係性を構築します。

メンバーにも自分にも得手不得手がある前提で、役割分担しながら同じ方向に向けて切磋琢磨していこうとするのです。

年齢が上がり、リーダーを任されたとき、「いろんなタイプの人がいるんだなぁ」と痛感しました。

今まで、一人で自分の目標を達成していればよかったときには、「一切気にならなかった」ほかの社員の手抜き癖。

 

「やったぜ。こんな奴、このチャンスに一気に追い抜いちゃうもんね~♪」

 

ラッキーにしかおもっていなかった他人の手抜き癖。

頭を痛める日は、必ずあなたにやってきます。

 

「自分でやった方が速い」と、自分の体力を多めに設定してがんばった時代もありました。

しかし、そうするとひとつひとつの判断力が鈍る。低下する。間違いが起こる。

メンバー全員の力をもっと引き出してこそ、本当に良い結果は生まれるし、メンバーそれぞれの力量も上がり、組織全体が力を伸ばしますもんね。

 

だから!目の前のあいつの仕事の残念な仕上がりは・・・・・手抜きではない。

「効率的にやりたい」「無駄な仕事は省きたい」と思ってのことなのかも・・・しれない。

本書を読んで、そう思いました。

(あんまり期待しすぎると、成果のレベルを落とされるので気をつけなくちゃですが)。

 

さあ、新年も腹に力を入れて始めていきましょうかね。

 

今週もおつかれさまでした。

ゆっくりやすんでくださいね。

では、また。