著者による「折れない心」の作り方は、「3角形の法則」があります。
①脳を疲れさせない
②笑顔と言葉で「プラス思考」を生み出す
③「ワクワク感」を甦らせる
著者はがむしゃらな練習が結果につながらず、心が折れそうになったことがあります。
周囲の支えでメンタル革命に成功しましたが、この過程で学んだことが、「やる気を失う」最大の敵が「ストレス」にあるということでした。
努力が足りないのではなく、あまりに過酷に取り組んでしまうがゆえに「空回り」していたのです。
脳は常に何かを考えている状態です。
ですから、大事なのは「ストレスマネジメント」。
脳を休めることに重点を置くことで、葛西選手はかえって結果を残せるようになりました。
「ストレスマネジメント」で葛西選手が実践して成功したのは、
①日ごろから練習(仕事)しすぎない
②本番直前はとくにやりすぎない
③競技(仕事)を一切考えない時間を作る
④日常に「楽しみ」を取り入れる
⑤苦手な人とは付き合わない。
ということでした。
さらに、折れない心を作るために、プラス思考を強引にでも生み出す方法を著者は持っています。
①笑顔を絶やさない
②一言でも多く「プラス言葉」を使って、頭から「マイナス思考」を消す
ということです。
「ダメだ」「どうせ」「疲れた」の言葉に気を付け、「大丈夫、できる」「何とかなる」「がんばった」の言葉を使うこと。
ワタシもこれらをこの2週間ほど実践しているのですが、なるほど普段の生活や仕事で前向きな気分にさせてもらえます。
特に「大丈夫、できる」「何とかなる」「がんばった」は、自分自身の疲れをとる効果がりました。
週末まで頑張ったあなた自身にも、「今週も自分はがんばった」とほめてあげてみてはどうでしょう。
キモチがラクになるかもしれません。
ワクワク感をよみがえらせる
失った「ワクワク感」を取り戻すと、心はさらに強くなります。
誰もが仕事を始めた時は、「ワクワク感」を持っています。
しかし、日々の仕事や生活に追われていると、いつの間にか忘れてしまいがち。
そうした失われがちな感情を呼び起こすため、著者は実践の中でこんなやりかたを見つけました。
①「原風景」を思い出す
まず著者が実践しているのが、「原風景を思い出す」こと。
年齢を経ることに「義務」「惰性」が付きまとってきます。
慣れてくるにつれて、「飽きた」「退屈だ」とマイナス部分に目がいってしまい、「ワクワク感」はますます遠ざかります。
著者は、そうしたとき、はじめてジャンプを跳んだときの気持ちを思い出す用意しているそうです。
5mほどの子ども用ジャンプ台でした。
着地方法も知らないままに跳んだ初めてのジャンプでしたが、「気持ちいいし、楽しい!」と著者はすっかりこの競技に魅了されてしまったそうです。
一瞬ではあっても、「もっと高く、もっと遠くに跳びたい」と思ったのです。
誰にでも必ず、その仕事を始めたきっかけとなる理由(原体験)があります。
「おもしろそう。あんな大きな仕事がしたい」
「自分もああなりたい」
「鮮明に」原風景を思い出すだけで、「好き」「楽しい」というシンプルかつ、プラスの原体験が湧いてくるのではないでしょうか。
②「新しいこと」を始める
もうひとつ「ワクワク感」を呼び起こすのに効果的なのが、「新しいことを始める」こと。
仕事で失敗しても、「若いから」で済まされる時期は短いものです。
「結果を出さなければならない」
「後輩に先輩として手本を見せなければならない」
と、重くなった責任に目が行ってしまいます。
しかし、失敗を避けるために受け身がちになっていると、チャレンジ精神を忘れてしまうだけではなく、仕事も楽しくなくなっていきます。
前に書いた通り、著者はそれまでのトレーニング法をフィンランドコーチの指導で「新たな方法」で改善しました。
それ以降、「柔軟な思考」でさまざまなトレーニング法を取り入れるようになり、練習がぐんと楽しくなりました。
あなたもワタシと一緒に「いまのやりかた」に固執することから、「新しい方法」を学ぶことに切り替えてみませんか。
著者は「ワクワク感」を取り戻すには、「新しいこと」を始めることが手っ取り早い方法だといいます。
仕事でも趣味でOKだそうです。
何かひとつワクワクするものができること。
その気持ちはあらゆる場面に派生していきます。
著者の場合は、ソチオリンピック後に増えた「新しいチャレンジ」が、講演会を増やすことでした。
人前で話すことが苦手な著者なので、最初は戸惑いましたが、温かく迎えてもらい、「感動しました」という感想をもらい、引き受けてよかったと感じることができたのです。
40歳を過ぎても「新しいチャレンジ」をすることで「ワクワク感」は取り戻すことができ、自分の苦手意識を克服し、新しい出会いもやってきます。
そのほかにも、著者の葛西紀明選手は、30歳を過ぎてから英会話学校に通い始めています。
それにより海外の選手やファンとのコミュニケーションがラクになり、長いヨーロッパ遠征は「孤独な闘い」から「楽しみ」へと変化。
「ありがとう」「こんにちは」だけでも現地の言葉を使うことで、その国の人との距離はぐんと縮まる楽しさになります。
始めるには勇気が必要でしたが、「新しいこと」に挑戦して良かったと強く感じた出来事だったそうです。
ワタシと一緒に小さいチャレンジを見つけてみませんか。
ワタシは仕事で新しいやりかたに挑戦します。(ほんの小さなチャレンジですが)
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。