あなたが幼かったころ、身体はもっと自由で軽かったはずです。
背筋も手足もすっと伸び、体重計に乗る恐怖などなく、ましてや腰痛や肩こりとも無縁だったでしょう。
しかし、年齢を重ねるごとに体重が増え、体形が崩れます。
実はその理由は、体の「ちぢみ」。
関節が縮んで可動域狭くなったり、筋肉が縮んで固くなってしまったり。
すると体はこれ以上縮まないように、硬直し続けていきます。
体がちぢんでいると、筋肉がかたくなって基礎代謝も落ちます。
この「ちぢみ」を解決するには、体の書くパーツが「本来の位置」に戻ることが大切です。
著者は劇団四季を退団後、ブロードウェイ・ミュージカルを目指してニューヨークへ行きました。
度重なるオーディションや間違ったダイエットで体をぼろぼろになります。
やがてブロードウェイ・ミュージカル『ミス・サイゴン』のオーディションに受かり、演じ切りますが、激しいけいこと目の肥えたニューヨークの観客たちへのストレスで、ますますぼろぼろに。
体のメンテナンスをして回復しようと通ったマンハッタンのヨガスタジオで、「かかと重心で立つ」というレッスンを受けました。
ふと鏡を見ると、「ゴツい!」とばかり思い込んでいた自分の体型が、にわかにほそくなっています。
そこから、著者はマンハッタン中のヨガスタジオを周り、見つけました。
体の各パーツのポジションを「本来の位置に戻す」ことこそが重要なのです。
著者はこれを「ゼロポジション」と呼んでいます。
本来の位置に戻すと、ちぢみはなくなります。
このエクササイズは瞬く間に評判を呼び、著者のレッスンには有名俳優、モデル、アナウンサー、パイロット、弁護士、ピアニスト、スポーツ選手など、ダイエットや不調の悩みを抱える各界の成功者たちが著者を訪ねてくるようになりました。
ゼロトレ
大事なのは、首・肩・背中・腰・足指の5つのパーツが「あるべき位置」に戻るように調整することです。
私たちはもともと、さほど意識しなくても、その調整をするものです。
前かがみになっていればときおり伸びをしたり、寝ている間に寝返ったり。
こうして自然に「あるべき位置」に戻す動作をするのですが、実際はそれだけでは調整しきれなくなっているのです。
体を酷使している人ほど、ナチュラルな回復力に頼るだけでは調整が間に合いません。
そこで、先ほどあげた5パーツを意識して戻す必要があります。
経った時に「耳→肩→ひじ→手首→足首」が地面に対して垂直に、1本の線でつながります。
そこからゆっくり両足のつまさきを上げて、かかとに重心を乗せ、まっすぐ立っても倒れなければ「ゼロポジション」です。
強靭かつしなやかな中心軸が出来上がったことになります。
こうなると、体に羽が生えた「ゼロ・グラビティ(無重力状態)」です。
ゼロポジションを得たことで体にできた中心軸は、重力に対して最も効率よく体を支えることができるため、手足は「重さ」から解放され、最小限のエネルギーで最大の力を発揮できます。
この姿勢が完成すると、あなたは理想の体重と体型を手に入れることができます。
カギは「腰」のポジション
5つのパーツで立つと、一般的な「よい姿勢」と言われるものよりも、重心が少し後ろにかかります。
すると、おなかの奥でひとりでにグッと力が入って腹筋が鍛えられます。
垂れ下がった体全体が締め上げられ、姿勢はひとりでに美しくなります。
5つのパーツのうちでもっとも重要なのは「腰」です。
安定感を作る重要なポジションです。
走っても歩いても足音がいつも「ドスン、ドスン」と音がする人がいます。
体全体が大きく揺れ、人一倍汗をかいて走っていたり。
こういう人は、たいてい腰のポジションがゼロの位置から逸脱して、無駄な動きを生んでいます。
腰がゼロポジションになると、足音が小さくなります。
あなたの姿勢がどうなっているかを確認するには、鏡の前に立ち、5パーツにシールなどを貼ってわかりやすくし、スマホのセルフタイマーなどで撮るのが著者のおすすめです。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。