ものごとに振り回されないためには、冷静な判断を磨いていくことが欠かせません。
「冷静に合理的に、つじつまを合わせながら考える」ことは、ある程度意識的に訓練をすると身につきます。
ただ、基本的に人間の脳はさぼりたがるので、とっさのことがあると衝動的、感情的に動きがちなものなのです。
そんな人の弱さにつけこむのが詐欺です。
こんばんは、ラブです。
東京人の10分の1もひっかからない
脳科学者で医師である著者は、振り込め詐欺(オレオレ詐欺)の防止法を相談されることがあるそうです。
そんな時に著者はよく「大阪のおばちゃんたちを見習ったらよい」と返事するそうです。
実際、警察庁の発表でも大阪人の振り込め詐欺に引っかかる割合は、東京人の10分の1以下だそう。
大阪の人たちは、他人を信用しないということではありません。
どちらかといえば義理人情の厚い世界ですし、仲間意識も非常に強い土地柄です。
しかし同時に、金銭感覚に対してはシビアな土地柄と言えるでしょう。
少額であっても、一歩立ち止まって考えなおすことができる習慣を持っている大阪人。
このことが、詐欺にひっかかりにくいことにつながっているようなのです。
少額であっても、ちょっと考えてからものを買うという習慣が、詐欺に引っかからないということとどうつながっていくのでしょうか。
冷静になるとは、一歩立ち止まること
冷静に物事を判断するためには、この「一歩立ち止まる」ということがとても大事です。
緊張や不安と同じ原理で、たとえば電話で「警察の者ですが、ご主人が事故に遭いました」などといった予想外のことを言われると、脳は軽いパニックを起こします。
そうすると人は、思考停止状態になります。
「本当に警察なのか?」
「なぜ警察から電話がかかってくるのか?」
「主人はどこの病院にいるのか?」
「勤め先に連絡はいっているのか?」
などの疑問が出てこなくなってしまいます。
相手もおそらく、こちらに考える暇を与えないようにさまざまな情報を投げ込んできます。
ですからそんなときには、勇気を出して
「ちょっと待ってください。話を整理させてください」
などと、言って止める。
そして状況を1つ1つ整理するように確認をすると実に有効なのです。
ちょっとした間を作れば大丈夫
このちょっとした時間が、脳がしっかり働くまでの時間を作ってくれるのです。
この「間を作ることで脳を働かせる」スキルは、将棋でも使われています。
将棋の棋士は一般的に扇子をもって将棋を指します。
谷川名人の場合は、「ここぞ」というときには右手に扇子をもって考えます。
これは理由があり、利き手である右手に扇子を持つことで、瞬間的に軽はずみな判断で次の手を指す可能性が低くなるからだそうです。
すごくよさそうな手を思い付いても、まずは扇子を握りしめて、「一瞬、間を置く」。
その間が大切で、名人区代の実力になると、「いかにもおいしそうな局面」が、実はワナであることを見抜けるのです。
これは、私たちの生活でもいざという場面で使えると思います。
時間をおいて整理しているうちに、
「あれ、おかしくないか?」
「矛盾していないか?」
など、怪しい点が見えてくるはずです。
怒りや緊張と同じで、前頭葉が働くまでは焦らず、勢いで決めたりしないでちょっとだけ待ってみること。
この習慣は、さまざまな問題を解決していくスキルになるかもしれませんね。
焦っていると、「すぐ判断して行動しなければ!」と急いでしまいがちですが、「ちょっと待ってください」と言って、間を置くこと。
そんな一呼吸を置けると、パニックも防げて正しい判断もできますね。
大阪のおばちゃんに負けないように、「立ち止まって考えるスキル」を身につけたいと思います。
暑い1日でしたね。
水分を十分にとってくださいね。
ゆっくり休んでよい夢を。
では、また。