人間は社会で生きる存在なので、必ず他者の存在があります。
だから、落ち込んだり、悲しんだり、うらやんだり、満たされたりという感情を持つのは当たり前のこと。
しかし、そんな「比較」の感情には、あなた自身の感情や欲求が隠れているのです。
本当の感情を解放して、ラクになりましょう。
こんばんは、ラブです。
人を羨ましく思うのは「錯覚」
錯覚が生まれる原因
「隣の芝生が青く見える」という現象を実感したことはありますか?
自分の庭は直接見るので、剥げている部分や雑草の処理が甘いところが明白です。
でも、隣の芝生には距離があるし、ななめから見るので、そのような弱点は見えにくい。
だから、「他人の成功や経済状況、家族の仲のよさは実際以上に良く見えてしまう」という意味に使っている言葉ですね。
会社の同期や学生時代の友達とたまに会って話をすると、「いいな、楽しそう」と思ったりする現象ですね。
自分が順風満帆な場合は素直に「おめでとう!」と言えますが、上手くいっていないときには、羨ましかったり疎ましく感じたりしてしまうもの。
そうした感情はつまりは「エビングハウスの錯視」↓のようなものです。
2つの中央の●は同じ大きさでも、その周りにある○の大小によって、全く見え方が違うのと一緒です。
つまり、「隣の芝生が青く見える」というのは、周囲の人々の影響に見えます。
しかし実は、「自分の状況」によって生まれているのです。
社会で生きていて、しかもこれだけ情報が飛び交っていれば、何かを比べるということはある程度仕方ないこと。
しかし、羨ましい感情が強く見えているときは、「自分があまりよくない状況に置かれているんだ」というサインです。
対処方法は、「分析すること・小さくてもいいから改善すること」
羨ましく思ってしまうあなた自身に対して、「そんなひがみ根性では駄目だ!」と叱りつけても、さらにあなたが落ち込んでしまうばかりです。
それよりも、この「羨ましい感情」をサインとして、対処してしまうというのも1つの方法です。
それには、
①率先して、自分自身が置かれている状況を分析する。
②改善策を1つ用意する。
同僚が仕事に成功したのが羨ましく思ったら、戻って仕事机をちょっと整理する。
ダイエットに成功した友達が羨ましくなったら、こっそりその場でドローイン(お腹をへこませる)を30秒やってみる。
街のカップルが幸せそうで羨ましくなったら、その足でコンビニへ寄ってファッション雑誌を1冊買う。
ちょっとした対策でも、その場ですぐ1つやることでスイッチが入りませんか。
負の感情に見えた「羨ましい」という気持ちは、「対策を実行する」ことにより、「メラメラと燃え上がる最強ポジティブパワー」という正体をあらわしてくれます。
そのパワーを使って、さらに「次のこの仕事は、もっと丁寧にやってみよう」とか「この勢いでジムに入会してみよう」とか「次の飲み会は参加してみるか」などの一歩へ踏み出せれば、もうあなたは最高です。
「羨ましい」という気持ちは、「あなたの置かれた状況を冷静に分析するときですよ」という大事なサインなのです。
比較して得られる幸せから抜け出す~不幸を感じているときこそ冷静になる特訓タイム
嫉妬するときや妬むとき、私たちの脳はどのようなメカニズムで働いているのでしょうか。
そもそも人を妬む感情というのは、芸能人とか雲の上の人ではなく、身近な同じくらいのレベルの人に対して起きるのもどうしてでしょうか。
人を妬むとき、あなたの心は痛んでいる
登場したのは2人の学生、A君とB君。
地元が同じで同級生。
分かりやすくするため、実際の実験の設定とは少し設定を変えて説明します。
B君は有名な会社数社と内定が決まり、異性にもモテます。
A君は100社受けましたが、就職先が決まらず、モテるタイプではありません。
この状況で「B君のことをどう思いますか?」とA君に聞くと、大脳辺縁系の中の「背側前部帯状回」という部位の活動が特に活発になりました。
つまりは、「ねたみ」という感情は、大脳辺縁系の反応ということで、怒りや不安と同じように「原始的でネガティブ」な感情であるということが分かります。
また、興味深いのは「背側前部帯状回」は「痛み」を認知する主要部位で、「心の痛み」が起きる時にも強く活動することが分かっています。
つまり、「ねたみ」の感情が起きた時、人の心は痛んでいるということです。
高橋准教授はさらに実験を続けました。
就職先も決まり、女性にもモテるB君に不幸(事故や病気)が起こるという設定をつくります。
するとA君の脳の線条体に活動が見られました。
線条体は「報酬系」「快楽中枢」と呼ばれる場所です。
「B君の不幸が気持ちいい」という「他者の不幸は蜜の味」が脳科学的に証明されたわけです。
「羨ましいな」は、理性を訓練する絶好のチャンス
ちょっとばかり残念な感じの結果ではあります・・・。
が、このように脳はできているのだということを客観的に理解して、人間の脳の働きがそういうものであると冷静に分析する材料にすることができると思います。
優劣を比較することで、優越感や屈辱感を味わう。
ライバルや活躍している人の不幸を、いい気味だと思う。
これは人間の脳としてどうしようもなく当たり前な感情ですが、怒りなどと同じくとても原始的な反応でもあることがわかります。
いつも心を清らかに保つことは、難しいことです。
しかし、羨ましさを感じたら、前頭葉を働かせて「本能に支配されているぞ」と自覚すること。
「ごく原始的なレベルの脳が働いて、この感情が生まれているのだ」と捉え方を変えることもできます。
そうすることで、「羨ましがる」というネガティブな感情を、「冷静になる訓練をするチャンス」にも変えていくことができるのです。
木陰が恋しい季節です。
週末は近所で花火大会です。
遠くから聞こえる花火の音を聞きながら、のんびりするのもいいですね。
ゆっくり休んでよい夢を。
では、また。