この春に異動があるのです。
初心にかえって、仕事のやりかたをおさらいしたいと思います。
職場で「行動が早い人」「出遅れる人」をたくさん見てきました。
どう違うのか、というと頭の構造と仕事へのモチベーションとしか漠然と言いようがなかったのですが、本書を読んで、わかりました。
本日のポイントは、この3つ。
「先回りでの配慮」「やるべきことの整理」「シュミレーション」。
この3点ができるか、できないか、それが大きい。
あなたの職場で、仕事ができる人って、どんな人ですか?
成果を出す人
実行力がある人
周りの人との協調が上手な人
集中力がある人
いろいろあると思いますが、この人たちの特性をひとつにまとめるなら、
「行動が早い人」ではないでしょうか?
あなたの周りにいる仕事のできる人が、たとえば上司に
「この間の件、どうなってる?」
と聞かれたら、どんな返事をするでしょう?
きっとすぐにに
・どれだけ進捗しているのか
・そのなかで課題は何か
・その課題に対してどのようにアプローチしているのか
を即答するのではないでしょうか?
そして、まわりで聞いていた人たちはこっそり思うのです。
「うわ~、この人やっぱり仕事ができるなぁ!」
この、先を見通している感覚を持ち合わせず、あたふたするのが「出遅れている人」。
最後の落としどころまで見通しているか、否か。
特別な知識やスキルは必要ない
行動が早い人は、よく見ると自分勝手に仕事を進めているわけではありません。
仕事に求められるゴールを早く見極めます。
そして、ここから逆算して「自分がやるべきこと」を導き出します。
目標を達成するために、できることを見出し、行動レベルに落とし込んでいく。
この「行動レベルに落とし込む」ができれば、あとはやるだけです。
これは、「いわれたことをやることが仕事だ」と思っている人から見ると、ハードルが上がります。
自分でやることを作らなければならないからです。
しかし、ふだんのちょっとした心がけで、誰でもできるようになることです。
自分でやることを見出せるようになるには、
「先回りでの配慮」
「やるべきことの整理」
「シュミレーション」
といったことを、日々の仕事で繰り返し習慣づけることです。
これは、自分で鍛えていけることです。
「行動を早くしよう」というのは、年を取れば自然と身につく能力ではありません。
かなり早い段階からできる人もいれば、何年たってもできない人もいます。
すぐやることで成果も運も総取りする
別の視点からすると、行動が早い人は、人や環境から何かを与えられるのを待たない人とも言えます。
待っているより、すぐやったほうが早いからです。
行動が早いことのメリットは、単に周りからの評価が高いだけでなく、めぐってくるチャンスの数が増えるという点があります。
たとえ優秀な人でも「教えたらやる」とか「催促したらやる」とか「放っておけば誰かがやってくれるかもしれない」と考えていたら、時間が足りません。
うまくいかないことがあっても、それが次のチャンスにつながることが圧倒的に多いのが、ビジネスの世界。
待っていたらほぼ「ゼロ」の確率が、すぐに何倍にも上がります。
結局、行動が早い人だけ、どんどんチャンスに恵まれるのです。
入社してからすぐの時点で、「早さ」は、持ち前の性格や育った環境も多少影響するかもしれません。
しかし、鍛えていけるものでもあります。
それは、長年お局をやってきたワタシから見てもわかります。
はじめは、ぼろぼろの仕事しかできなかった新人ちゃんたち。
しかし、そのなかで、男女を問わず環境に負けず自分を鍛えた子たちは、ほかを寄せつけないスピードで仕事力を身につけていきましたから。
割とそれは、どこの大学卒であるかとは、まったく関係ないのです。
行動が早い人は、成功の「実数」を重視する 出遅れる人は、成功の「確率」を重視する
あなたの身の回りにいる出遅れる人を思い出してみてください。
「それ、本当にうまくいきますよね?」「それって、失敗しませんよね?」と言っていませんか?
仕事は行動の量で結果が出てきます。
ひとつひとつの行動に、確率を求めていたら、いつまでも取り組めませんよね。
確率が重視されるのは、スポーツだけです。
仕事は確率で計ることはありません。
どんどん打席に立ちましょう。
半端でいいから、たくさんアウトプットしましょう。
他人の10倍企画を出そう!
他人の10倍人に会おう!
そう著者は言っています。
大事なのは、完璧じゃなくていい、ということです。
行動が早い人は、1つでも何か前に進めることがあったら、どんどん着手していきます。
だから、スピードが速いのです。
不足を指摘されたら、素早く修正すればいいだけです。
行動が早い人は、ダメなら場所を変える 出遅れる人は、ダメでもじっとしている
行動の早さは、決断の速さにもつながります。
日本では粘り強さを美徳とする文化もあります。
しかし、見込みがないなと感じた時は諦めた方がいいです。
釣りをしていて釣れないのは、「魚がいるのに釣れない」か「そもそも魚がいないから釣れない」か、考える仮説は2つしかありません。
魚がいるのに釣れないならば、えさや技術や仕掛けを変える。
一通り変えてみて、ダメだったら、そこに魚はいないと考えて、さっさと移動しなければなりません。
諦めが悪い人は、成功するまで粘り強く頑張る傾向がありますが、見方によっては出遅れることと等しくなります。
仕事は修行ではないのです。
一つ諦めたからすべてが台無しにはなりません。
一か所で粘るよりも、自分のサービスや商品、スキルを求めてくれる場を探す方が結果につながることは多いのです。
「自分の状況」を冷静に分析する
素早く行動するには、見極めが重要
たとえば、自分の今の技術ではこの契約が取れないかもしれない。
だったら、上司に頼もうか、それとも自分がもう少し押してみようか。
条件を変えればいいのか、ターゲットを変えればいいのか。
瞬時に状況と自分の持ち味を分析して、適切に対応する必要があります。
こんな話があります。
17世紀のアメリカで起こったゴールドラッシュで本当に儲かったのは、全米から我先にと駆け付けた金の採掘者ではありませんでした。
採掘用のシャベルとバケツを売った商人。
送金・輸送・郵便のサービスを開始した商人。
丈夫な作業着を売った商人。
そんな人たちだったそうです。
そののちにスタンフォード大学を創設するリーランド・スタンフォードもその一人でした。
周りと同じことをするのではなく、自分なりの視点を持つ。
みんなと同じことをやっても成功するとは限りません。
まずは行動、その結果うまくいかないと感じたら、すぐに原因を分析。
柔軟にスイッチを切り替えていくこと。
じっとしていても腐るだけです。
行動が早い人は、いくつも同時にやる 出遅れる人は、どれか選ぼうとする
仕事の基本は、やることのリスト化
が、しかし現実のビジネスではひとつの仕事だけに集中する、なんていう贅沢は現実問題無理ですよね。
フェイスブックの創業者マイク・ザッカーバーグは、「完璧をめざすより、まず終わらせろ」と言っています。
成功の実数を上げるには、「確率より量」と述べましたが、これは「質より量」とも言い換えられます。
多くの場合、質を上げるのは後からでもできます。
行動が早い人は、多くのことを同時に着手しているので、抜けや漏れが出ないように、自分のやるべきことをリスト化して整理しています。
たとえば著者なら、何かアイデアが思いついたら、完結していなくてもすぐに相手にメールやチャットで伝えます。
そして、「企画書」というフォルダを作り、書きかけのアイデアをどんどん放り出します。
企画書を作ると、その先にどんな「行動」が必要なのか明確になります。
そこで「タスク」を書き出して、リスト化します。
タスクとは、行動レベルに落とし込んだ「やるべきこと」。
「全部やる」を前提に考えよう
歯医者になるかプロ野球選手になるかで悩んでいる子どもがいたら、「どちらにもなればいい」というようなことです。
「今の会社で出世を目指すか、転職して心機一転しようか」というよくある悩みも、どちらか一方だと思うから、悩みが深くなります。
転職活動もしながら仕事も頑張って、出世の可能性も残しておいた方が有利に決まっています。
どちらか選ぶのは、うまく転職先が決まってからでいいでしょう。
「日ごろお世話になっているA社の依頼と、初めて依頼してくれたB社。どちらも断れない。両方ぜひやりたい」となったら、両方受けてしまえばいいのです。
どんな仕事も改善の余地はあります。
やりたいことを全部やる方法を模索した方がいいと思います。
出遅れてしまう人は、「AかBか選ばなくてはいけない」という思い込みがあるのです。
行動が早い人は、どれかを選ばなければならないとは考えません。
やりたいと思ったら、それぞれを実現するための方法を考えて行動に移していくのです。
行動が早い人は、自分のことに集中する 出遅れる人は、他人のことを批評する
どこの職場にも、人の批判ばかりして得意げになっている人がいますね。
エラそうに、「あの会社のあれがダメだ」「これがダメだ」。
そう言う割に、自分の仕事は言い訳ばかり。
そういう人は、すでにかなり出遅れています。
一方行動の早い人は、自分のやるべきことに集中し、着実に成果を出しています。
この違いは、今だけではなく、長期的に大きな差になって現れます。
他人との比較グセを取り除く
行動を早くしていくには「他人と比べない」が大前提
他と比べないことを意識していると、自然と自分への集中が高まってきます。
集中できると、結果としてこなせる仕事量が増え、仕事のスピードも上がります。
だが、意外とこれが難しい。
自分に集中するということは、自分を好きになるということ
自分に集中しているときは、自分についてもっと知りたくなります。
だから、自分は何ができるのか、何がしたいのか、何をすべきなのかといったことを丁寧に掘り下げて考えることができます。
そうすることで、他人のことが単なるノイズ程度にしか感じられなくなります。
もしも「今、時間が止まっているな」と感じたら、自分に小さな課題を設定して、次々クリアしていくこともひとつの方法です。
「今日はこれを15分以内でやるぞ」といったことです。
ノイズを遮断し、集中し続けるには、自分に自信をつけるのが一番の特効薬です。
働き方改革で、あまり遅くまで残れないことも考えると、本当に「行動が早い」は、必須アイテム。
片づけを得意としないワタシは、タスク管理をどこにするなど、まだまだ気になることがあります。
とりあえず、まだ異動まで時間があるので、今回の内容を頭に入れて、今の職場で働き方を変えていきます。
ついやってしまう「お局談義」は、卒業です。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。