先週は、早起きのメリットを紹介しました。
・早起きで頭がフル回転できる
・自分時間の確保と「早起きで充実できた」経験から、自信があふれだす
・モチベーションが高まるから、ラクに目標達成できる
・「高パフォーマンス体質」になる
・毎日が楽しくなり、ワクワクしながら過ごせる
というもの。
パッと目覚めるための方法としては、軽く説明したのが、
・過度のプレッシャーをかけない
・「自分と戦わない」工夫をする
・早起きを習慣化するメソッドを作る
でした。
本日は、
・早起きが習慣化する「7つのメソッド」
・今日からできる早起きのための「6つのトリガー」
を深掘りしていきます。
早起きが習慣化する「7つのメソッド」
「動機」「睡眠」「リズム」がキーワードになる
労せずに早起きをするための第一ステップ。
それは、先週に読んだ内容である「(つらいけど)早起きしなくちゃ」という意識を極力減らすことでした。
これで、かなりすんなり早起きができるようになります。
このあとは早起きを定着化させることが重要です。
気を緩めると生活リズムはあっという間に崩れてしまいます。
早起きを習慣化するには、早起き生活がうまく回るよう、生活の仕方に一定のルールがあると良いでしょう。
そこでのキーワードが「動機」「睡眠」「リズム」です。
本章では、この3つのキーワードに光を当てて、乱れがちな生活リズムを上手に整え、早起き習慣を継続するコツを詳しく書いています。
メソッド1 「快の追求」をする(動機)
早起きしてやりたいことをリスト化する
早起きのコツは、早起きは楽しいものだと思うことです。
早起きの習慣が身についている人ほど、「早起き」を目的にしていません。
早起きは手段でしかなく、「ジョギングしたから早起きしよう」こんな感じで、早起きする目的を持ち、楽しみながら起きているのです。
なお、目的の持ち方はコツがあります。
目的を決めるときは、「不快からの逃避」ではなく、「快の追求」をもとに考えることがポイントです。
この方がモチベーションが飛躍的に高まるためです。
・ジョギングしたい
・買ったばかりの本を読みたい
・新しい英語のテキストを解きたい
ワクワクすることであれば何でもいいのです。
ちなみに著者は毎朝、原稿を書くときにワクワクするそうです。
どのような言葉で伝えると読者が「これは面白い、やってみよう」という気持ちになるのか、1つひとつ考えるのが楽しいのです。
そこに遊びがあることが、著者にとってのポイントです。
朝はアイデアがあふれだす貴重な時間でもあります。
だからこそ、「早起きしないともったいない」と思うそうです。
メソッド2 睡眠の質を上げる
4つのポイントを押さえよう
気持ちのいい朝のカギを握っているのは質の良い睡眠ですよね。
ぐっすり眠れた朝は最高に気持ちがいいものです。
質の良い睡眠を取るには、言わずと知れたことですが、夜の過ごし方が重要です。
著者は睡眠とは、1日の終わりではなく、次の日の始まりだと捉えています。
翌日、最高の朝を迎えるためにも、夜の過ごし方に意識を向けてみましょう。
ポイントは次の4つです。
①メラトニンと睡眠の関係を知る
②寝る直前に入浴しない
③食事時間に注意する
④カフェイン、アルコールの摂取を控える
メラトニンは体内時計の調節をする、夜に多く分泌されるホルモンです。
強い照明を夜に浴びていると、体内時計の働きか崩れ、メラトニンの分泌が抑えられてしまうのです。
なるべく寝る少し前から部屋は暗くして光を落としましょう。
スマホやテレビの光も減らします。
特にスマホはそばに置いておくと、どうしても手にとってしまいたくなるもの。
著者は寝室にスマホを持ち込みません。
脳がお休みモードに入るときに、新しい情報は刺激になるからです。
②寝る直前に入浴しない
メラトニンは寝る前に深部体温を下げ、質の良い睡眠をもたらします。
眠くなると手先や足の裏が温かくなるのは、深部体温を下げようと熱を放出しているのです。
ですから、就寝前の入浴は注意が必要です。
眠気が冷めてしまいます。
③食事時間に注意する
食事をすると催眠効果があるレプチン、通称「満腹ホルモン」が出るため、眠気がなくなります。
そのまま寝ると、お腹の中で消化活動が活発になるので、体も休めなくなります。
その結果、いくら寝ても疲れが取れない、回復しない、という状況になるのです。
著者はどんなに忙しくても、食事は20時まで、と決めています。
その後小腹が空いたときは野菜をとるようにしているそうです。
慣れてくると、軽い食事でもお腹が空かなくなるそうです。
多忙だとは思いますが、食事を摂る時間帯を少しでもいいので前倒しにする工夫をすると良さそうです。
④カフェイン、アルコールの摂取を控える
夕方以降は覚醒を促すカフェインの摂取や、就寝直前のアルコールの摂取を控えましょう。
とくにアルコールは心拍数が上がって、呼吸が荒くなり、夜中にトイレに行きたくなったりしますもんね。
メソッド3 「睡眠ノート」を書く(睡眠)
「明日やること」を書く効果とは?
寝ようとしても寝付けないときは、誰にでもあります。
体は疲れているのに、脳は睡眠モードに入らないのです。
そんなときは、たいてい考え事をしているのです。
私たちの頭の中には、様々な事柄がグルグルとまわっています。
そのため、ふとした瞬間に意識の中に舞い戻ってきて、睡眠の妨げになるのです。
これを防ぐために効果的なのが、寝る前に頭の中にあるものをすべて取り出す作業です。
書き方のコツはいろいろありますが、就寝前に書くことは共通しているので、著者は「睡眠ノートを書く」作業と位置づけ、受講生の方々にお勧めしているそうです。
具体的には、就寝前の5分間「明日やることを書く」と良いのです。
この行為が効果的であることは、2017年のベイラ―大学のスカリン博士のチームの研究で分かっています。
ポイントは、今日1日を振り返るのではない、ということだそうです。
大事なのは、明日やることを書き出すこと。
ベイダー大学とエモリ―大学が57人の若い成人を対象とした研究を行った結果、就寝前に「やることリスト」を書いた人は、「今日何をやったか」を書いた人よりも圧倒的に眠りにつくのが早かったのです。
ベッドの中で考え事をし始めた時は、ベッドを出ましょう。
そして、「明日やること」をどんどん書いてみてください。
びっくりするくらい頭がすっきりしてよく眠れるはずです。
ネガティブ感情を書くとすっきりする
なお、同じように感情も睡眠の邪魔をします。
2017年、イースト・ロンドン大学のマリノウスキ博士の発表によると、特にポジティブな感情よりもネガティブな感情の方が睡眠に影響を与え、不安をあおることがわかっています。
寝る前に、日中に感じたネガティブな感情を、吐き出しておくことが効果的なのです。
ネガティブな感情は赤裸々に書き綴っておくと相当効果があります。
たとえば
「明日のプレゼンはとても不安だ。
プレゼンの成否で受注してもらえるかどうかが決まってしまう。
失敗したらどうしようと、悪いことばかり考えてしまう」
「今日はミスして部長を怒らせてしまった。
明日は怒りが収まっていたらいいんだけど、どうなんだろう」
「最初はうまくプロジェクトが進んでいたけど、どこかで歯車が狂った気がする。
でも、何がおかしいのか、モヤモヤする」
こんなふうに洗いざらい書き出すと、不思議と気分が落ちつき、それ以上、頭の中をグルグルと駆け巡ったりしなくなります。
メソッド4 睡眠時間を手帳に書く(リズム)
放っておくと、睡眠時間はどんどん減ってしまうから
早起き生活を上手に回すうえで重要なのが、睡眠時間の確保。
睡眠時間は意識して確保しないと、どんどん減ってしまいます。
著者は、睡眠時間も手帳に記入しています。
毎日何時に寝て、何時に起きるのか、そんなシンプルな予定でいいのです。
できるだけ、この時間は固定化をするとよいです。
体が自然と寝る時間を覚えれば、スッと眠れるようになり、良い睡眠リズムを得られるようになります。
なし崩し的に時間を浪費しないためにも、手帳に書き込むメリットは大きいのです。
著者は今でもウイークリー型のバーチカルタイプで仕事の管理とともに睡眠の時間管理もしています。
メソッド5 起きる時間を固定する
不規則な生活は、睡眠と起床のリズムを崩し、睡眠の質にダメージを与えます。
なお、意志力は睡眠をとると回復すると言われています。
一般に6時間未満の睡眠は意志力の回復を妨げる可能性があるとされているので、6時間は必ず確保しましょう。
夢を見ながら、目が覚めるのはOK
目覚ましが鳴ったとき、まだ夢の中にいる・・・という経験をしたことはありませんか?
これは、レム睡眠という浅い睡眠時に多く起きる現象です。
覚醒時にレム睡眠になっていたら、すっきりと目覚められる可能性が高いのです。
また、逆に夢も見ずにぐっすりと寝込んでいるときはノンレム睡眠の状態です。
睡眠時間のなかでも最も深い睡眠状態にあり、脳が休息したり、成長ホルモンが分泌されているときでもあります。
起床時にノンレム睡眠の状態になっていたら、起きる時間や寝る時間を調整する必要があります。
起きるときにノンレム睡眠ならば、就寝時間、起床時間を変えてみましょう。
ある程度大丈夫な時間を見つけたら、あとは固定していくことも大切なポイントです。
メソッド6 休日も同じ時間に起きる
1時間程度、遅く起きるならOK
休日はゆっくり寝ていたいものでしょう。
でも、休日もでいるだけ同じ時間に起きることで、体内時計を整えて、後々の起床時間を守ることができます。
例えば平日6時に起きている人が、10時に起きたりすると、身体の中が時差ボケになり、月曜日の朝がつらくなります。
これでは1週間のスタートが滞ってしまいます。
それでも休日ぐらいはゆっくりしたいもの。
著者の経験では、1時間程度遅く起きるくらいなら問題は無いように感じます。
著者のアドバイスで成果を出している人は、必ずと言っていいほど、平日と同じリズムで週末も睡眠と起床を繰り返しているそうです。
メソッド7 楽しいルーティンを持つ(リズム)
自分の好きなことをしてみよう
早起きをする人の特徴のひとつは、毎朝のルーティンを持っているということです。
スターバックスを世界的なコーヒーチェーンに育て上げたハワード・シュルツさんは、朝4時半に起きてから、まず美味しいコーヒーを淹れることから1日をスタートさせます。
「世界中のどこにいても、毎朝5時には起きるようにしています。
早起きすると、運動をしたり、家族と過ごしたりできて、仕事にとりかかる前に自分がとても良い状態になります」
こう言ったのはウ”ァージン・グループのCEOのリチャード・ブランソンさんです。
いきなりタスクに取り掛かったりせずに、自分の好きなことをするなど、自分の心を満たしてエンジンをかけています。
ワクワクさせてくれるルーティンを意識的に持っているのです。
著者も、朝起きていきなりエンジンをかけたりしません。
寝る前から、「明日はアッサムの紅茶を飲むぞ」「アールグレーを飲むぞ」と決めています。
美味しい紅茶を飲むという簡単な行為であっても、自分にとって好きなことであれば気持ちよく目覚めることができるのです。
これは教育学で言う「オペラント条件付け」です。
スイッチを押すとエサが出てくる仕掛けの箱にネズミを入れ、スイッチを押すとエサがもらえる体験を繰り返すと、ネズミはスイッチを押すことを学びます。
「報酬を与えられると、自発的に行動するようになる」。
この理論を私たちにも当てはめてみてもいいでしょう。
たとえば、早起きしてデパートで買ったチョコを1つ口に入れて味わう。
あるいは好きなアーティストのPVを観る。
犬が好きなら、公園で犬と少し戯れる。
あなたにとって幸せに感じるルーティン、心が満たされるルーティンは何でしょう?
早起きを継続させていくカギは楽しいルーティンが握っていると言えるのです。
軽々と起きられる!今日からできる6つの「早起きトリガー」
パッと起きられる効果的な方法とは?
ラクラク早起きモードになる
トリガーとは「引き金」のこと。
ポイントは、理性でなく感情を動かすことです。
早起きは、心の底から「したい」と思える状態になることです。
トリガー1 「好きな飲み物」を用意する
瞬時にパワーが湧いてくる
これは「早起きしたい!」という気持ちになれる手っ取り早い方法のひとつです。
朝のワクワクづくりの一環には、香りが楽しめてセレクトもできる飲み物は効果的。
鼻腔を通って脳に刺激をあたえるのでスイッチになりやすいのです。
食べ物でもいいです。
大事なのは、あなたが心から好きだと思えるものを選ぶことです。
ぜひ試してみてください。
トリガー2 「早起きカレンダー」を作る
記録するとやる気が増す
早起きすると決めたら、専用のカレンダーを作って、塗りつぶしましょう。
著者の場合、早起きに限らず、「やろう」と決めたことに取り組むとき、小さな卓上カレンダーを用意して、実施した日を塗りつぶしています。
例えば、「毎日腹筋を30回やる」と決めたら、専用の卓上カレンダーを用意して、実行できた日はペンで塗りつぶします。
このように自分の頑張りを「見える化」するのです。
これを見える場所に置いておけば、塗りつぶされていくカレンダーを目にすると嬉しくtなり、「またやりたい!」という気持ちになれるのです。
トリガー3 「起床後の行動」を決める
一定の行動パターンが、早起きリズムを生む
「習慣化する」とは「選択肢をなくすこと」と言えます。
いちいち考えなくても自動的に動けるようになるわけです。
著者ならば5時半に起床し、起きたらカーテンと窓を開け、ちょっとの間ぼーっとします。新鮮な空気を胸いっぱい吸い込むのです。
そのあとシャワーを浴びて、お気に入りの紅茶か、コーヒーを飲みます。
この習慣は絶対に変えません。
6時になったら、執筆か読書を開始します。
だいたい7時半になったら少し休憩がほしくなるので、散歩をするかジムへ行きます。
そして、あまり込んでいないカフェに行きます。
家を出る時間を早めたり、オンライン英会話を受けてみる
あなたも朝の行動パターンを持ってみてください。
とくに著者がお勧めしているのが、「朝、家を出る時間を1時間早めること」です。
きっと通勤途中で目にする景色が新鮮に感じるはずです。
その1時間を会社の近くのカフェに行って、英語や資格の勉強をしてみるなど、やりたいことに使ってもいいのです。
このほか、「早朝のオンライン英会話のレッスン」に取り組むのも一策です。
私たちは何らかのコミュニティに繋がっていると、気持ちが前向きになります。
このため著者はカフェに入ると、意識的にいつもの店員さんと挨拶したり、ちょっとした会話を交わしたりするようにしています。
これだけでも、パッとスイッチが入って元気になれるのです。
起きる時間の決め方も、「1時間早く起きる」よりも「家を出る時間を1時間早める」にするとどうでしょうか?
明確な目的がある方が、「起きよう」という気持ちになれるのではないでしょうか?
トリガー4 寝る前に「明日の目標」を立てる
期待感を高めて起きる
気合で起きるよりも、起きたくなるような仕組みづくり。
その有効な方法が「目標を持つこと」です。
目標を立てるときは、「しなければならない」といった外圧的なものではなく、「やってみたい」「自分にできそうだ」と心底思える内容にしましょう。
「自己効力感」が高まると達成度も上がる
目標の立て方にもコツがあり、立て方次第で、実行度に差が出るそうです。
ポイントは「自己効力感」が高まること。
これは「自分ならできる」という期待感のことで、物事を成し遂げる上で大事な役割を果たします。
ノースカロライナ大学の教育心理学者デール・シュンクによると、自己効力感を高めて維持するには、次の4つの条件があります。
①自分が目標設定したこと
②フィードバックがあること
③進捗が管理されていること
④自分の頑張りによって達成できるという意識があること
一例として
・7時の電車に乗ってカフェで読書する
・3校の英会話スクールの体験レッスンを予約してみる
・問題集のユニット5から10まで解く
・夏に向けて腹筋を30回やる
などが挙げられます。
いずれも、本心からやってみたいことを目標にするべきです。
その1つひとつのステップが自己効力感を生みます。
トリガー5 新しいことを始めてみる
朝は自由度が高いので、何にでもチャレンジできる
どんなことでも、新しいことはワクワクするもの。
そんな心理的効果を早起きに活かしてみましょう。
たとえば、筋トレやジョギング、読書、英語や資格の勉強。
「やらないといけない」ではなく、本心から「やってみたい」と思えることを選ぶのがポイントです。
著者は、学生時代「新しい参考書を買ったら、手を付けるのは必ず朝」と決めていました。
新しい参考書は、自分を成長させてくれそうな気がして、期待感が高まるからです。
著者は前夜のうちに、翌朝、手を付ける範囲をざっと決めておきました。
パラっとながめて、何ページから何ページをいつやるか、といった大まかな予定を立て、正方形の付箋に予定を書き込み、参考書の表紙にぺたっと貼っておきます。
こうしておくと、「早く手を付けたい!」というワクワクが高まり、朝もスッと起きられるのです。
新しいことにチャレンジするワクワクを存分に生かしてみましょう。
トリガー6 寝る前にストレッチをする
気持ちをほぐし、早起きに向けて気持ちを整えるトリガーです。
ストレッチは心が落ち着き、自然と眠くなってきます。
著者はもともと体が硬く、中学生の時から椎間板ヘルニアとの付き合いがあります。
そのため、メンテナンスは重要なポイント。
デスクワークが長い方も、肩や腰に特に疲れがたまりやすかったりするのではないでしょうか?
夜の時間をメンテナンスに充てることで、眠りの質の向上が促されます。
ただ、トレーニングのようにきっちりやると、かえって寝つきが悪くなるので、あくまでも短時間、適度なストレッチに。
今週もおつかれさまでした。
ゆっくり休んで良い週末を〜♫