猫のメメとモエ

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明け方には、自分を最優先しよう~『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』キム・ユジン

明け方の2時間は、人生のボーナスタイムだ。

そう断言する著者は、毎日朝4時30分に起きています。

そのおかげで、会社に勤めながらも新しいことに挑戦し、趣味を楽しみ、本の執筆まで手掛けながら、追い求めてきた人生を歩んでいます。

 

以前の著者は、朝はねぼけまなこで、体を引きずるように出勤。

夜はつかれきってぼうっとテレビを見たり、スマホで意味もなくSNSをチェックしたり、ネットサーフィンをするのが唯一の楽しみでした。

 

明け方は裏切らない

著者は米国で学業のすべてと、1年間に及ぶ裁判所での契約スタッフの期限が終わり、韓国に帰国しました。

そののち、国内の大企業に就職し、弁護士としての社会人生活をスタート。

希望の会社に合格し、安定した人生を送れると、幸せに浸っていました。

朝は6時半のバスに合わせて6時に起床。

移動時間はうたた寝かオンラインニュース。

会社では、仕事の合間に、同僚たちと少し息抜き。

周囲を気にしつつ定時で上がり、友人とチキンとコーラで気分転換。

時折無理やりジムに行き、ごく軽い運動。

帰宅後はさっと夕飯をすませ、早めの就寝。

 

けっこう良いルーティンではないかと思われますね?

淡々と仕事をこなすなかで著者は、睡眠時間をあえて多くとるようこころがけていました。

睡眠不足で仕事に支障が出ることが怖くて、そうやって無理にでも休んでおかないと、死んでしまいそうだったのです。

 

著者は、米国のロースクールの入学準備、成績の自己管理、試験勉強、就職活動と休む暇なく人生を走り続け、やっと弁護士になりました。

だから、「これからはもう頑張りすぎない。休めるときに休めるだけ休もう」と考えたのです。

週末もベッドと一体化して、スマホで友達のSNSや芸能記事を読んで過ごしました。

 

しかし、いくら休んでもエネルギーは充電されません。

むしろ時間が過ぎるにつれ、だんだん疲れが増し、イライラが募り、気がめいってきました。

ある日は不眠症に悩まされ、またある日は夕飯も抜いて寝てばかり。

ある朝、会社に着くなり、デスクの上に置かれていたノートブックを見るなり、涙があふれてきました。

あらゆる栄養剤を試しても、疲労はたまる一方。

そのうえ、海外での生活が長いからか、米国では問題なかった言動が、韓国ではよく誤解を招くことがありました。

だから、著者は同僚はもちろん、韓国で会うあらゆる人との会話に、しくじらないよういつも緊張していました。

 

耐えきれなくなった著者は、ある晩、チームのグループチャットに積もった怒りをぶちまけました。

翌日、出勤するや否やチーム長によばれ、お叱りを受けました。

やるせない気持ちでいっぱいになった著者は反省どころか、「2週間以内に会社をやめよう」と決めて、会社を後にしました。

明け方の静けさがくれるエネルギー

暇さえあれば寝ているのに、朝起きるのがなんでこんなにつらいんだろう?

エネルギーはどこに消えている?

もしかして消費した分だけ充電されるとか?

どうしてこんなに無気力なんだ?

いくら考えても明快な答えば出ませんでした。

そんなある日、朝4時頃目が覚めました。

普段なら2度寝を試みますが、やけに眼が冴えていました。

はやめに出勤することも考えましたが、風邪をひきそうな予感がし、ポットに保温してあったお湯を注ぎ、久しぶりに見る明け方の静かさを食卓で味わいます。

「せっかく早く起きたから、机でも片づけちゃおうか」と思い、立ち上がりかけましたが、やる気になれません。

そうして座っていると、妙な安堵感に包まれました。

本当に久しぶりに持てた、ひとり時間でした。

積み重ねられていたネガティブ思考や不安な気持ちが、次々に浮かび上がりました。

 

よくよく考えてみると、著者は、新しい環境にすぐに順応できない自分自身を快く思っていなかったのでした。

ほかの人たちを見て、「わたしもあんな風に行動すべき?」と思いながら、比べ続けていたのです。

 

著者は白紙を取り出して、現在の問題点、原因、解決法、結論を書きまとめるメモを作り、考えを1つずつ整理しました。

この何か月間も、いくら頑張って働いても、達成感が得られなかった。

友達と会っても楽しめなかった。

あいまいな人付き合いや、不要な書類が積まれたデスク、そんなデスクのように乱れた心ををすべて整理したかった。

 

何もせず、静かに頭の中を整理した明け方は、著者を癒してくれる時間になりました。

自分がどんな考えで、何を望んでいるかもわからなかったときに訪れた、ふと立ち止まって人生を見つめ直すチャンスだったのです。

その日著者は「よし、今日も頑張ろう!」と心も軽く家を後にしました。

そして、同僚に謝罪し、また頑張ることを誓ったのでした。

 

翌日も普段の2時間前に起きた著者は、白紙に心の内を書き出しました。

自分を怒らせるものは何か、守るべき自分だけの基準は何か、自分が断念できることとできないことはなにか。

何を望んでいるのか。

1歩引いて自分を観察し、点検することから1日を始めました。

 

全部整理できたと思えるまで、翌日もまた翌日も、明け方起床は続きました。

ポジティブなエネルギーをすぐに得られるというご褒美につられ、進んで早起きするようになりました。

 

ふだんの生活や仕事に大きな変化はありませんが、1日をすこし早く始めただけで、多くのことが変わりました。

 

朝、余裕をもって出勤準備し、自分のコンディションをチェック。

季節が廻れば衣替えをするように、新たな気持ちで自分と向き合い、不必要な悩みを整理。

そうすることで、気持ちがさっぱり。

退職もおもいとどまりました。

明け方は休息時間

毎日、明け方起床をする著者に、「もっと力を抜いたら?」という人々も多くいました。

忙しいのは間違いなく、一生懸命生きるようになりました。

でも、もうつらくないのです。

 

思えば著者の人生は、簡単に何かを手に入れたことなどないのでした。

いつも人より努力して耐えた結果、求めるものを得てきたのです。

もちろん、もっと楽々と生きている人もいます。

簡単にチャンスをつかむ人もいます。

でも、いつの間にか著者のような人生にもメリットがみつかりました。

人々が避けて通る険しい道は、著者にとっては何回も通った道。

転んでは立ち上がる暗闇の中、楽しみを見つける習慣だって身に着けていったのです。

大きな障害物があっても、粘り強く推し進める方法。

息絶える寸前まで走り続ける方法も知りました。

明け方起床は、まさにそのプロセスを可能にする支えでした。

 

人々は、著者がもっと何かしたいから4時30分に起きるのだと思っていますが、著者にとっての朝は、一時充電する休息時間です。

どれだけ疲れていても、静かな明け方に温かいお茶を飲みながら、好きな音楽を耳にして入れていると、自然とエネルギーが満たされます。

落ち込んでいるときも同じで、朝早くに自分だけの時間を過ごすことで、安心感が取り戻せます。

早起きして人生を楽しみ始めてから、著者は日常でささやかな余裕が持てるようになりました。

 

もちろん、ほかの時間にもこころに余裕をつくることはできます。

通勤バスのまどろみ、同僚たちとのコーヒー、会社帰りの夕飯、温かいお風呂でも、ささやかな楽しみがあります。

要は何をするかではないですよね。

頭と心が何を感じているかで休息の質は左右されます。

早起きすることで、本当の余裕を知ることができます。

すると、複雑に絡まった心をしばし忘れる時間を、日常でも簡単にみつけられるようになります。

頭の中をからっぽにして、心を静めることほど真の休息はありません。

明け方には自分を最優先しよう

朝4時30分が、絶対の時間というわけではありません。

著者にとっては10時に眠り疲労が残らないように眠ると、4時30分に起きるのが、自然だからです。

ゆっくり目を覚まし、アロマキャンドルをともし、静かな音楽を聴きながらコーヒーを飲み、机に座ってもまだ5時にもならない。

ベッドメイキングをして、本棚のほこりをはらうことだってできます。

長めのシャワーを浴び、凝った筋肉をほぐしたり。

髪をトリートメントしたり、ゆっくり朝食をたべたり。

このように朝を過ごすと、自分に与えられた1日、そして自分自身を大切にする方法に気づき、自然と自尊心が高まるのです。

目を開けると同時に好きなことをして、1日を始めてみましょう。

きっと週末のような朝を過ごせるはずです。

著者は好きな映画やテレビ番組を見たりもします。

そのうち目標ができれば、それを達成する時間をとったりもします。

会社や仕事から離れ、やりたいことやプランを最優先に置くのです。

 

人生に刺激が必要だったり、心がざわついたり、だらだらしがちなら、いつもより早起きして、自分を最優先に置いてみませんか。

 

あなたが眠っている間に、朝は始まっている

著者は学生のころ、たくさんのあってみたい人に無理やりアポイントをお願いして、話を聞く機会を作っていました。

あるとき会ってみたかった弁護士に少し時間をいただけないかとメールを送ったところ、「朝の6時半にダウンタウンのレストランに来られますか?」という返事がありました。

著者はびっくりして「夕方の6時半の間違いでしょうか?」と確認。

しかし「いいえ。午前の6時半です」とのお返事でした。

6時25分に著者がレストランに到着すると、そのやりとりした弁護士だけでなく、所轄の裁判官あ検察官、そして別の法律事務所の弁護士たちまで集まっていました。

その瞬間、場所を勘違いしたのかと思ったほどでした。

 

実は、その日は女性法曹が周期的に設けている集まりの日だったのです。

出勤後はそれぞれ多忙を極めるため、時間の調整が難しく、朝を活用して会うことにしていたのです。

メディアだけで知っていた人々との朝食で、緊張してドキドキが止まらなかった著者。

会合メンバーのひとりが「朝に起きるのが大変じゃないなら、いつでもいらっしゃい。この集まりのほかにも集まりが多いの。1つは朝7時にスタートよ」と声をかけてくれました。

そのあとも参加したその会合で、で著者は雲の上と思っていた法曹たちの生活がどんなものかを直接聞き、学ぶことができました。

本では決して知りえない実践的な教えだったのです。

朝には、そんな密度の濃い時間があるのです。

グローバルリーダーたちの朝の過ごし方

ここで数多くのグローバルリーダーたちの朝の過ごし方を本書から紹介します。

 

私は早寝早起きをする。

朝は新聞に目を通したり、子供たちと朝食をとって楽しんでいる。こんな余裕る時間が、私にとってはとても大切だ。

アマゾン創業者 ジェフ・ベゾス

 

私は夜にたっぷり8時間寝るので、朝はアラームをかけずに起きる。

自然に起きられれば、それが1日の最高の始まりだ。

ハフィントン・ポスト創設者 アリアナ・ハフィントン

 

私は毎朝3時45分に起きる。

膨大なメールを念入りにチェックする。

それからジムに行き、1時間ほど運動する。

私は毎朝、自分の幸運を実感している。

アップルCEO ティム・クック

 

毎朝4時15分に置き、1日を始める。

明け方のルーティンが終わるまではスマホをいじらない。

明け方の静けさが、私の1日を決める。

ウォルト・ディズニー・カンパニーCEO ボブ・アイガー

 

朝は6時20分に置き、カプチーノやお茶を飲んだ後、50分程度運動をする。

運動を終え、朝食前に20分ほど瞑想する。

人気司会者・俳優 オプラ・ウィンフリー

 

朝には45分程度の運動を欠かさない。

運動が終わったら、汗でぬれた服を脱ぎ捨てる。

するとその日は頭がすっきりするし、1日中エネルギーがみなぎる。

トリーパーチ創始者・CEO・デザイナー トリー・パーチ

 

・・・

明け方起床で確保できる時間は、人生のボーナスタイムです。

会社の業務や学校の課題のように、この時間にやらなくてはならないことは何もない。

だから、この時間は、どんなことをしても失うものは何一つありません。

つまり明け方は、自分があえてする必要のない、したかったのに無理だと思っていたことをただ実行にうつしてみる時間なのです。

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。