漫画仕立てのダイエット本です。
冒頭から、ちょっとしたイケメンがズボンを脱ぎ始めます。
「夫の着替えを見るのが好きです。私が持っていないスリムボディー・・・」
スリムな夫の着替えを陰からこっそりと覗くのは、キリンの着ぐるみを着たかわいい(?)奥さん。
「いいなぁ、腰骨、鎖骨、平らなお腹にほっそり二の腕」
と呟いているのは、妻であり著者です。
こんばんは、ラブです。
夏になり、雑誌でもダイエット特集がたくさん見られますね~。
でも正直、無理なくて、急がなくて、地に足がついたダイエット本が読みたい!
本著は漫画で超ほんわかした二人のやりとりの笑いつつ、地道に自分の体と向き合っていきます。
キリンの着ぐるみを着て、ちょっとほっぺたがムッチリしてきた妻。
ちょっと素敵な夫に優しい感じで(そこ重要)
「最近ナゴミ(著者)が女に見えない」!
そこで著者である妻は、「夫の愛を取り戻すため、本気で痩せる決意」をします。
『おいしそうな女になってやる!』は、生活や食べることを楽しみながら、食生活や体と本気で向き合って正しい食欲を取り戻すことに重点を置いています。
しかし、夫との二人の生活も、とてもほほえましくて、読んでいてにやけちゃいます。
最期には、ちょっと涙も出ちゃう何度も読んでしまう1冊です。
ちゃんと食べるダイエット
ちょっと太りやすい著者とスリムな夫は二人暮らし。
ちょっと洗濯物たたみに少し億劫になっている奥さん。
夫は声をかけて、一緒に始めます。
そこに、ダイエットに関するちょっとしたヒントでもありました。
著者は、何でも一気に片付けようと焦ってしまう性格。
だからこそ何事にも対しても、「始めるのにとても億劫」になるし、「投げ出してしまう」ことも多々あったのです。
一方で夫は、洗濯物を畳み終えてたときに、その最後の片付けを残しながら、珈琲を淹れてくれて、一休みを提案します。
休憩が上手なのです。
「だって、疲れたんでしょ?半分やったんだし、後で続きをやればいいだけじゃん」。
そんな夫を見て
「私はいつも焦りすぎなのかな?」
とつぶやく奥さんに
「どんなことだって、少しずつやれば、いつか終わるよ。それでいいじゃん」。
ダイエットに対してもそうだったのです。
一気に痩せようとすることが、そもそも無茶だったのかもしれない。
短期間で体重を落とそうとするから、無理してすぐ辛くなってしまい、長続きしないと気づいた著者。
「じゃあ、今度は『ちょうどいい量』だけ食べて、『食べ過ぎない』ことを目指してみよう」
小さいことから少しずつ挑戦することにしました。
絶妙な残し方を知る
その日の晩御飯では、数枚あったポークソテーを夫は最後の一枚を一口かじって残します。
「美味しかったよ。」
「でも、お腹が一杯になっちゃったんだもの」。
「私だったら、ちょっとぐらい無理しても食べちゃうよ」
という妻に、
「分かってないな!それは『美味しい』食べ方ではな~い」
とスリム夫は教えてくれます。
「いくら美味しくても量が多すぎたり、そればっかり食べ続けてたら、そのうち美味しくなくなる。
だからいろんなものを食べていって、お腹一杯の直前に一番美味しいものを食べて終わりにするわけ」。
スリムな人は、「ちょうどいい量」がわかっている人。
太りやすい人は、満腹ラインがわからないから、ちょうどいいところで「ごちそうさま」ができないのです。
この妙なる残し方が出来ることがダイエットの道!
ダイエットは、ただ体重を減らすことではなく、『食生活のリハビリ』だと著者は気づきます。
「少しずつちゃんと」やせること。
そして、続けることが一番大事だということ。
「これからは美味しく食べてやせることを目指してみよう!」
やりかけの洗濯物はその後一週間放置されますが、そんなことを基本として、正しい食生活や正しい食欲を見つけていくことをこの本ではメインにしていくのです。
からだの声が聞こえてる?
行列のできる人気店で、あんかけチャーハンを頼んだ二人。
汗をかきながら中華鍋をふっている店主の味付けは、少々塩気が多くて残念な感想を持ちます。
「体は自分に足りないものをうったえている」もの。
だから自然と店主は、お客さんよりも塩分が欲しくなるのです。
そのあと散歩をしながら口直しに、夫は水を買い、妻はアイスを買います。
さて、なぜ妻だけアイスを買ったのでしょうか?
実は食べすぎて太ってしまった著者である妻には、体の声が聞こえにくくなっていたからです。
身体の声が聞こえにくくなっていると、「体が欲しいもの」と「食べたいもの」が違っていることが多いのです。
アイスが終わると、さっき食べたばかりなのにお寿司が食べたくなっう著者。
お腹いっぱいのはずなのに、どうしてお寿司が食べたくなったのか?
それは、昨日テレビで寿司屋特集を目にしたからでした。
目にしたことによる刺激と、体が求めているもので食欲がバラバラになっているのです。
そこで、著者は「食べ足りて」なさそうな食材を意識して料理することにしてみました。
今は初めて使う食材でも、裏面に調理の仕方が載っていたりするので、便利。
しばらく続けると、カロリー計算だけのダイエットの時よりも体重が落ちていきました。
ついでに薄味にしたので、むくみも解消。
いつもつきまとっていたダイエット中のイライラもありません。
まだ体重計は夫には見せられないけど、嬉しい変化がスタートしました。
料理は難しくない!
年末に連続で豪華な外食が重なった夫婦は、ぐったりしています。
外食が続いていると、たとえ滅多に食べられないような高級なお寿司でも、同じ味に感じるようになってきました。
やっと休みになり、自宅で久しぶりに食べた味噌汁に感動します。
外食は見た目重視なので、体のことなどあまり考えていない、と外食産業で働いていた著者は気づきます。
料理、といっても構える必要はなく、かえって手間をかけない方がローカロリーだったりするので、自宅で体によい食事をとることは、本当に大切なのです。
朝食から、痩せる!
正直、早く痩せようと思うと朝ごはんを抜きたくなるもの。
でも、体に必要な栄養が足りなくなり、長続きしないし、太りやすい体質を作ります。
でも、忙しい朝にしっかりバランスを考えたメニューを作るのは大変だし、食欲もいまいちですよね。
完璧にバランスを考え過ぎなくても、他の二食でカバーすることができます。
あまり食欲も出にくい朝だから、味噌汁や添え物に野菜をプラスするくらいでオッケーとすること。
活動に合わせてお昼までお腹が持たてばよいのです。
お昼を上手に
ランチって、よく見ると曲者ですよね。
ご飯の量がとても多かったりするのも普通だし、しかも油でいっぱいのメニューにもなりがちです。
しかも、時間が無い!とばかりに結構急いでかきこんでしまったりします。
お弁当ならば、油を減らしてヘルシーメニューが簡単にできますね。
また、外ランチ派はおかずからゆっくり食べていくのも、良い手段です。
ゆっくり食べていると、空腹がだんだん収まってきます。
そこで改めて、「あとどれくらい食べたいか」考えてみるのです。
一旦箸を置いて考えてみると完璧でしょう。
時間を使って考えながら食べると、余分なご飯を自然と残しやすくなるのです。
記録してチェックすれば 停滞期は、実は無いかもしれない、という話。
体重を記録していると、困ること。
やがて必ず減らない時期がやって来ることです。
そしてそこでモチベーションが落ちて、たいてい挫折します。
しかし、体脂肪も量れる体重計で、どちらも量って表にしてみると、驚くことがあります。
体重は変わらないけど、実は体の中では「体脂肪を落としている」という時期が存在するのです!
今回はワタシもこの「体脂肪グラフ」に支えられました(涙)!!
細かいグラフなのでめんどくささに負けないように、著者はパソコンで管理して、体重と体脂肪を一つにしたグラフをつけています。
グラフを数ヶ月つけていると、ちゃんと全体では減っているのがわかるので、モチベーションが完全復活します。
「ダイエットは初めは千里の道に見えるけれど、記録があると、自分がどの辺にいるか分かって、冷静になれる」と著者も言っています。
夜中に何故かお腹が猛烈に空く日。
夕飯でバランスよく食べたにもかかわらず、おなかが空いて眠れないことがあります。
よ~く考えると、その日は忙しくて、お昼ご飯などで炭水化物などに偏った食べ方をした日ではないでしょうか?
やせたい!今食べちゃったら、明日の朝の体重測定でがっかりしちゃう!
でも、ダイエットを続けるならば、そんな「ガマン」ばっかりしない方が良いのです。
そんなときはちょっと枝豆などをつまんでおく。
冷凍など便利なものもありますからね。
ちょっとつまむくらいのことを許すことで、どか喰いを防止するのです。
翌朝の体重減に焦るよりも、食欲をうまくコントロールすること。
そうしてダイエットを継続することの方が本当は大事なのですから。
無理に運動しなくていい
ダイエットと並行して運動をすれば、代謝も上がって痩せやすくなる!
そう聞いて始める人も多いと思います。
でも、運動が大好きな人ならば良いのですが、そうではないならば無理しないことも大事だと著者は言っています。
無理して運動まで頑張ると、運動の継続が失敗したときに、自分の意思の弱さを責めて、ダイエットまでやめてしまいがちだからです。
これが一番残念なことなのです!
それよりもストレスの素を減らしていくことが大切なのです。
そして、出来ることから(きびきび家事をやるとか)始めること。
何よりも「継続していくこと」を大切にしましょう。
ダイエットから、一年
太っているころは、かわいい服を買いに行ってもサイズが合わなくて諦めては、こっそりと涙していた妻です。
しかし、一年後友達から結婚式の招待状を貰います。
そして、この夫がちょっと優しくしてくれるんです。
ネタバレもすぎるので、ここで止めておきます。
夫婦でほんわかしながらの、楽しそうなダイエット物語。
クスッと笑えるところもいっぱいですが、最後に泣かせてくれるダイエット本です。
いや、カリギュラ効果でよろしくないですね。ごめんなさい、ネタバレします。
・・・・
夫が「ダイエットを続けたご褒美に」と服を買ってくれることになるんです。
背中のファスナーが止まるか、心配でたまらない著者ですが・・・。
はまった!!
かわいいワンピースを買ってもらい、何とそれに合わせたアクセサリーも買ってくれることに!!
王子か?この旦那、王子様なの!?かっこよすぎ。
結婚式に出席し、友達に「馬子にも衣裳」なんて言われて笑い合いながら、自信を取り戻した著者。
笑顔がかわいいんです。ステキなんです。
ダイエット本なのに「よかった~!」とか言って泣いちゃいましたよ!
売り切れてしまった本で、重版もないらしくて、書店の店頭ではあまりお目にかかれません。
ワタシも図書館でたまたま出会って、中古で探しました。
そんな手に入らないものを紹介しちゃってすみません。
でも、ちょっとイイんで。
無理しない。
正しい食欲に戻す。
そんな自然な方法で、一生もののダイエットと素敵な食生活を手に入れたいな、と思いました。
ゆっくり休んで、ステキな夢を見てくださいね。
では、また。