眠れない夜に、だれかがあなたに他愛もない話をしてくれたら、どんなに気持ちが落ちつくでしょう。
自分が好きになれない。
何かへの悩み、悲しみ、不安で眠れない。
「明日が来るのが怖い」という気持ちに飲み込まれそうなとき。
本著はそんなときに、他愛もないことを投げかけてくれる1冊です。
セラピストである著者ではありますが、ノウハウを追求してはいません。
無理に励まして元気になってもらおうとも、あなたの問題を解決しようと思ってもいません。
ただ、著者はあなたに寄り添って、そばにいたいと伝えている本です。
心の荷物を下ろそう、半分だけでいい
たとえば、ここにチョコレートケーキがあるとします。
あなたはどんな風に反応するでしょうか?
大好物ならワクワクして笑顔になるかもしれません。
でも、ダイエット中だったり、チョコレートが苦手だったら、あっさり素通りしてしまうことでしょう。
あなたの在り方次第でチョコレートケーキは千変万化します。
しかし著者は「すべての現実は心が創り出している」とは言いません。
引き寄せではそういう言い方もしますが、著者に言わせると、それは「半分の現実でしかない」。
残りの半分は、あなたによって決定されます。
現実は、外からやってくる「与えられた事実」と、あなたという「内なる事実」の出会いです。
どんなに厳しい出来事も、「半分の現実」
つまり私たちは、「半分の現実」をコントロールする力が与えられているのです。
だから現実に対して、全部をどうにかしようとするから、苦しいのです。
すべては自分の責任だと思うから、辛くなるのです。
半分でいいんです。
90点なんか、とらなくていい。
50点をめざせば十分だし、どんなにがんばったって、私たちの人生というテストでは50点以上を自力でとることはできないのです。
人間関係も同じです。
喧嘩両成敗と言う言葉もあります。
ケンカは一人ではできません。
相手と自分が出会ってできます。
恋愛も、友情も、両成敗。
関係がまずくなたとしたら、あなたにまったく責任がないとは言えないはずです。
しかしまた、すべてがあなたの責任だということも、ない。
だから100%あなたが苦しむ必要はないのです。
半分だけ反省すればいいのです。
「自分にも、半分は落ち度があったかもしれないな」と反省してみればいいのです。
合言葉は「半分だけでいい」
こんなふうに、全部変えようとせず、「半分だけでいい」と考えるだけで、気持ちはラクになります。
たとえば、部屋の掃除をしようと思いながら、いつもサボってしまう。
そんなときも「半分だけでいい」とつぶやいてみてください。
どこまでもそうやって、半分の半分。
またその半分・・・と考えてみる。
そしてたとえば「机の上だけ整理しておこう」と勢いもついてきます。
嫌いな人がいるときも、「半分だけ、許してあげよう」とつぶやいてみる。
腹が立つことでも、2回に1回は「しょうがないな、この人ったら」と笑ってみる。
それが無理なら半分の半分、それでもだめならもう半分・・・。
苦しくなるのは、あなたが全部をどうにかしようとしている瞬間です。
なぜつらいかと言うと、100%あなた自身の責任でこなさなければならないと思い込んでいるからなのです。
でも、ひとりの人間の力ですべてを変えることはできません。
わたしたちは「自分の半分」を努力で作り上げます。
そして、残りの半分は、その先が見えなかったとしても、ただ運命にゆだねればいい。
それが「生きる」ということだと著者は言います。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。