「反省」は振り返りではないと著者は断言します。
自分の失敗やダメな点に目を向けていると、できなかったことばかり目につく「アリ地獄」に落ち込んでしまうものです。
では、あなたが成長し、目的に近づくためには?
あなたを慰めてくれるパートナーや、尻を叩き続けてくれる鬼コーチが必要なのでしょうか?
いや、そんなもの探す方が現実的ではないですよ!!
そして、それはどちらも違うと著者は言います。
答えは「自己肯定感」。
誰かに認めてもらうんじゃなく、自分で自分を認めること。
それは「自分で自分を前向きにとらえているか」ということです。
自己肯定感が高いと、自然と心のフタが開き、自分の本音と正面から向き合うことができます。
自らを認めている状態であるために、弱い部分にも向き合えるのです。
自己肯定感がある人は、ワクワクできる人です。
著者は多くの人材育成に携わる中で、「自己肯定感」が高い状態にならなければ行動は変えられない、と結論付けました。
自己肯定感を高める状態にするには、ちょっとした習慣の変化でつくることができます。
その習慣こそが、「できたこと」を見つけることなのです。
今の心の状態が分かる5つのサイン
自己肯定感の高さは、ある程度自分で把握できます。
風邪のひき始めと同じように、自己肯定感が下がったときに出やすいサインがあるのです。
□人からの感謝の言葉やほめ言葉を素直に受け止められない
人からの「ありがとう」や、「頑張っているね」「すごいね」などの賞賛を素直に受け止められない時は、かなり自己肯定感が下がっています。
「嬉しい」という感情より「不安」になり、「何か裏があるのではないか?」と勘繰るようなケースは要注意です。
自己肯定感にはアップダウンがあるのが当然だそうですが、大事なのは、自己肯定感が落ちていることに気づくことだそうです。
自己肯定感の低下を見抜く5つのサイン
・他者を否定してしまう
・忠告されたときに「怒り」がわいてくる
・失敗をしたときに「言い訳」してしまう
・新しいことにチャレンジする意欲がわかない
・人からの感謝の言葉や褒め言葉を素直に受け止められない
「うまくできた!」は絶対にメモ
「できなかったこと」は無視していい
自己肯定感を高めるには、思い切って「失敗」や「できなかったこと」を無視してしまうのです。
失敗から多くの学びがあることは否定しません。
ただ、そこに成長につながる宝の山があったとしても、たどり着けなければ意味はないのです。
だから、まずは失敗やできなかったことは完全無視。
私たちが見つめることはただ1つ。「できたこと」です。
1日5分!「できたことメモ」の習慣
「できたことを書きためる」ことは、自己肯定感を高める有効な方法です。
あえて毎日「できたこと」を書くことで、つい陥りがちなネガティブな視点を矯正し、自己肯定感を高められるのです。
1日の終わりに5分だけ「できたこと」を思い出し、手帳やノートに書き込む。
これだけで多くの実践者が自己肯定感を高め、成長を実感しています。
著者は例として手帳のウイークリーページにできたことを書き込む例を挙げています。
そのほか、スマホのメモ機能などでも構わないそうです。
ただ、ワタシも日記に「できたこと」を書いたりするのですが、自己肯定感が落ち込んじゃった日は、なかなか見つけられなかったりします。
そこで、「できたこと」探しのポイントとして・・・
できたことを探すコツ
できたことを探すコツ① 「気持ちがいい」と思ったらすぐにメモ
1つ目の視点は「感情」です。
・たまっていた仕事がやっと終わってスッキリした。
・クレームの対応をうまくできてホッとした。
・有給休暇を取って旅行に行きリフレッシュできた。
このように自分の気持ちに着目し、少しでも「感情が上がった」と感じられる出来事は「できたこと」になりあす。
感情の変化に目を向ける余裕がない人も多いでしょうが、そこに「できたこと」はたくさん転がっているのです。
確かに、仕事がたてこんでいる時期こそ、「スッキリした」「ホッとした」がたくさん転がっている気がします。
できたことを探すコツ② 「時間」「実績」「習慣」を書き出す
出来たことを見つける2つ目の視点は「数」です。
・納期通り製品を発送できた(時間)
・商談をいつもより2件多くこなした(実績)
・新聞を1か月間、毎朝欠かさずに読んだ(習慣)
【時間】では、「いつもより早くできた」のようにスピードが上がったことはもちろん、計画通りにできたこと、なんとか間に合ったこと、時間を有効活用できたことなども含まれます。
【実績】とは、何かのスコアが上がったことです。
たとえばビジネスにおいて、「契約を3件受注できた」「売り上げ目標を達成できた」といった最終結果はもちろんですが、それに至るまでの商談数やアポイント数、電話を掛けた数など、何か1つでも数字が上がったことがあれば「できたこと」としましょう。
そして【習慣】とは、続けることができたことです。
毎日、毎週、毎月・・・継続できたことを探します。
「お客様に会うたびに、次の提案の約束を取り付けた」「毎週の部内会議で、3週連続でレポート発表できた」など、繰り返しやれたことを探します。
何か月も続けられたことだけでなくても、今まで手を付けられていなかったことを3日間でも続けられたら、それも「できたこと」です。
出来たことを探すコツ③ 「他者の反応」から探す
他者の視点によって「できたこと」が見つかることもよくあります。
・プレゼンが終わった後、拍手をもらった
・お客様に品物を届けたら、「ありがとう」と言われた
・先輩の仕事を手伝ったらランチをおごってくれた
自分がしたことに対して、相手が何か好意的な行動や言動をしてくれたら、それでも「できたこと」になるのです。
締め切りに追い込まれる時期ですね。
だからこそ、「できたこと」はたくさんあるかもしれませんね!
今日も1日お疲れさまでした。
では、また。