努力しても、報われる人と報われない人がいますよね。
その違いは、何でしょうか?
著者は言います。
報われるのは自己評価が高い人。
それが思い通りの人生を歩める人なんだ、と。
人生の9割は実はメンタルで決まるのだと著者は断言します。
そして、そのメンタルはオリンピックの選手たちが専門コーチをつけているように、わたしたちの人生の結果をあまりにも大きく左右させます。
わたしたちは、専門コーチをつけることはできなくても、そのスキルを本から身につけることができます。
著者は「変化を嫌がる人間の機能を科学的に攻略する」ことで、私たちが強いメンタルを手に入れることができる、と本書でくりかえし述べています。
本書には、いろいろな角度からあなたのメンタルを「神」にする方法を紹介しています。
そのなかで、ワタシがやってみて面白かったものを紹介します。
やっていて、実に気分が総会になり、ハッピーになり、しかもぐんと前向きになれるのが、『神メンタル』です。
あなたが、頑張っても頑張っても、その努力の割に成果が出てこないとするならば、あなたが”変わろうとするときに何がジャマしているのか?ということに目を向けることが必要だったのです。
もしも、穴の開いたバケツがあって、それを水でいっぱいにするための最短の方法を考えるとしたら、どうしますか?
そう、バケツの穴をふさぐことですよね。
この場合「水をそそぐ」行動が、あなたもワタシも努力している「自分を変えようとする行動」です。
バケツの穴に気づかないまま、”一生懸命”水を注いでいるわけです。
しかし、変化をジャマするもの、つまり穴そのものをよく見て対策を考える方が、格段に早く、物事が自動的に実現していきます。
「心理的ホメオスタシス」の発動を感じ取る
では、あなたの変化を最もジャマするものは、何でしょう?
それは、あなたの「脳」です。
あなたは、生きていく上であなたの脳が最優先に考えていることを理解しているでしょうか?
生きていく上で、あなたの脳が最も大切にしていること、それは「死なないこと」です。
生命の維持を最優先に考えているあなたの脳は、あなたが新しいことを始めようとしたり、何かにチャレンジしようとすると、あなたが変化しないように、あの手この手でジャマをします。
この脳の働きを専門的には「心理的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」と言います。
ここで大切なのは、まずは「自分が変化しようとしているときには、心理学的ホメオスタシスが働くのだ」という事実を知っておくということです。
始めて新しいことをスタートするときにドキドキしたり、不安を感じたりするものです。
しかし、この”心理的ホメオスタシス”なんだ、ということを思い出してみれば、その緊張感に対して右往左往することを防げるかもしれません。
あなたは、どんな人ですか?
突然ですが、あなたの自己評価をはかるために、次の質問に答えてみてください。
【質問】あなたはどんな人ですか?
この質問の答えを10個挙げてください。
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いろんな答えがあってオッケーです。
著者は、「出世頭である」「取引先から可愛がられる」「美人である」などでも何でも良い、と書いています。
ちなみにワタシは、「よく失敗する」から始まりましたよ。
この答えは、ちょっと後までとっておいてください。
【実験】
①これから5秒で、あなたの周りに「赤いもの」がいくつあるか数えてください。
②5秒経過したら、赤いものがいくつあったかメモしてください。
それでは、スタート!
さあ、5秒経ちました。
質問 赤いものは何個ありましたか?
答え、( )個。
まだこの質問は続きます。ここで、あらためて新しい質問です。
質問 では、黄色いものは何個ありましたか?
答え、( )個。
いかがでしたか?
おそらく、「赤いもの」を探していた時、「黄色いもの」はまったく目に入っていなかったことがわかったと思います。
人間の脳は、〇〇が見える、寒い、風が吹いた、のどが渇いた、川の音が聞こえる・・・など、1秒間におよそ2000個の情報を感知しています。
では、それらの情報のうち、いったいいくつの情報を認識するかというと、とてもじゃないけど2000個すべてを認識するのは無理です。
要するにあなたの脳は、2000個の情報から「これは認識すべきだ」という情報を選んでいるわけです。
人間は個体差はありますが、8~16の情報を認識するそうです。
あなたが「ロレックスの時計が欲しい」と思ったら、急に周りでロレックスを持っている人が増えた。急にロレックスの時計が目に付くようになった。
当然、ロレックスを持っている人が増えたのではなく、これは「カラーバス効果」と呼ばれるものです。
あなたが変わるための情報は「見えていない」?
つまり、脳は心理学的ホメオスタシスを働かせ、「死なないため」に、変かすることをとても嫌うため、「あなた自身が思っている”今の自分”にふさわしい情報」だけを認識しているのです。
さあ、あなたがさっき質問に答えた『あなたはどんな人ですか?』の答えをここで思い出しましょう。
もしあなたがワタシ同様に、ネガティブな自分を自己評価していたら、何か悪いことが起こったときに、「ああ、やっぱり自分はダメなやつなんだ・・・」となるわけです。
これでは、変化できません。
穴の開いたバケツに水を入れ続けるようなものです。
自己評価を変えなければ、永遠に自分が思うような自分に変化していくことができないのは、そうした仕組みからなのです。
自己評価。これを変えなければ、自分が実現したいことも手に入れたいものが手に入りません。
なぜなら、そのチャンスや機械、方法を永遠に察知、認識することができないからです。
だから、自己評価を変える必要があります。
自己評価を変えるには、何から着手すればいいのかそれは、あなたが「自分はどこにたどり着きたいのか?」「何を実現したいのか?」「何を手に入れたいのか?」という目的地を明確にすることです。
あなたにとって最適な自己評価とは、あなたのことを「望む場所」に連れて行ってくれるものでなければなりません。
最強の行動力を手に入れる
目指すべき場所の明確化がすべての始まり
あなたの目指したい人生は何でしょうか?
あと1万円月収を増やしたいのか?
それとも10万円増やしたいのか?
何をやり遂げたいのか?
カーナビやGoogleマップを使うのと同じように、まずは「目的地の設定」が必要です。
人間の脳には高性能なGPS機能ともいうべきカーナビの役目をする能力があります。
このナビゲーションシステムを起動させること、つまり「明確な目的地」を設定することが、一番の近道です。
「未来体験シート」で目的地を明確化
それでは、明確な目的地設定のために、著者が過去7200人以上の人とやってきた方法を試してみましょう。
これがタイトルにもあった、「未来の自分に転生して、今を俯瞰して生きる」方法です。
これから書く「未来体験シート」で、目的地をはっきりさせることで、あなたが求める未来の自分になりきることができます。
そこには大事なポイントがあります。
【注意事項】
その①必ず「完了形」で書く
たとえば「月収50万円に増やしたい」ではなく、「月収50万円になった」と書きましょう。
その②必ず「測定可能な形」で書く
たとえば、3年後に実現したいこととして、「家族みんなが今よりも幸せになる」という願望が合ったとします。
ですが、3年後に「家族が3年前より幸せになっているかどうか」はどのように判断するのか?
「みんなが病気をせず健康だ」ということが幸せか?
「子どもが生まれている」ことが幸せなのか?
「毎年家族で海外旅行に行った」が幸せなのか?
測定できる形にしなければ、何を目指せばいいかわからないのでダメなのです。
カーナビで言えば、目的地が「東京」では曖昧過ぎる、というのと一緒です。
高尾山も渋谷も東京ですからね。
その③制限をかけずに書く
これが最も重要です。
イメージとしては、「魔法使いが目の前に現れて、『5年後、3年後、1年後、半年後にどうなっていたいかという願いをすべて叶えてやる』と言われたときに何と答えるか?」という感じです。
「それは自分にはちょっと・・・」とかちょっとでも思うと実現しません。
では、いよいよ書きますよ。
たくさん書くので紙が良いのですが、無理ならスマホのメモ欄でも良いので、ぜひともやってみてください。
1.制限時間は10分です
2.5年後、3年後、1年後、半年後の順番で、それぞれ実現したいことを書いてください
実現したいことは、仕事、お金、プライベート、家族など、どんな内容でも構いません。
「未来体験シート」(10分間)
「5年後に私はこんなことを実現しました」
「3年後に私はこんなことを実現しました」
「1年後に私はこんなことを実現しました」
「半年後に私はこんなことを実現しました」
10分間ですべて書ききれない方がほとんどでしょう。
著者は何千人という人にこのワークをやってもらいましたが、10分間ですべての項目を完璧に書けた人はいませんでした。
ただし、10分間で書けないということは、前述のとおり、「目的地が明確ではない」「目的地を忘れている」ということです。
大きな目標でも小さく分解すれば「できること」が見つかる
この「未来体験シート」は、一番先に”5年後”から、3年後、1年後、半年後、とさかのぼっていく書き方をしますね。
「逆算しないと実現しないから」というのもあります。
しかし、それだけが狙いではありません。
まず、大きな目標を書き、それを”細分化”し、「これなら(すぐに)できる」というものを目指すことで行動しやすくなります。
「なぜやるか」に対する答えは行動に直結する
「未来体験シート」ができたら、次に重要な質問があります。
あなたの答えによっては、そのシートの内容すべてが変わるかもしれません。
あなたの書いた内容が、「前倒し」で実現するかもしれません。
【質問】あなたは、なぜ、それを実現したいのですか?
この”なぜ”実現したいのかは、”何を実現したいのか”よりも重要です。
なぜなら、あなたの行動に直結するからです。
歯を食いしばって頑張っても、楽しんでやっている人には敵いません。
「やる理由」が見つからないのならば、その「実現したいこと」は目的地としてふさわしくない、ということです。
やる理由がなければ、成功する確率も低く、まだタイミングではない、ということでもあります。
勝手に行動したくなるコツは「視覚」に訴える
さて、「未来体験シート」を作成して、目的地を明確にしました。
「やる理由」も明確にしました。
ここから必要なものは、根性ではありません。
思い通りにできる公式をセットすれば、あとは気合と根性なんて関係ないのです。
自分が実現したいことに対して、「何をやればいいのか?」が分かることで、まるで新作のゲームを手に入れた子どものように、勝手に行動したくなります。
では、それをあなたの脳に、”重要な情報”としてインプットするには?
脳があなたの未来体験をインプットするのは、ジグソーパズルを作るようなものだと考えてください。何百とピースがあるパズルです。
そこに必要なのは完成図です。
完成図をイメージできないと、あなたのやりたいことの実現にとてつもなく苦労します。
パズルを完成させるには、何より完成図という「視覚」が重要。
つまり、あなたの完成図は「画像」であるべきなのです。
実現したい理想の画像を1日1回見るだけ
では、早速あなたの「未来体験シート」の完成図を画像にしましょう。
以下の手順に沿って行います。
1.「未来体験シート」の5年後、3年後、1年後、半年後の中で、あなたが最も「なぜやるのか?」という「やる理由」が、明確な年を選んでください。
2.選んだ〇年後に実現していたいこと、手に入れていたいことの画像を集めてください。「こんな自分に代っていたい」など、内面的な部分であれば、もうすでにそれが実現できているという「理想とする人」を定め、画像を集めます。
(最低でも30枚以上集めましょう)
3.画像の探し方は、グーグルの画像検索が便利です。時間制限を設け、だらだらと探し続けないことが大事。30分とか1時間とか。
4.あなたのスマホや毎日使うPCに専用のフォルダを作成し、1日1回だけでいいので、毎日見るようにしてください。
これで、あなたの海馬に繰り返し画像を送ることができます。
くり返された情報、しかも最も効果の高い「画像」は、大事な情報としてあなたの脳に刷り込まれます。
未来の自分を生きると現実が追い付いてくる
「根拠のない自信」でチャンスをものにする
「自分はそんな目的地にたどりつく器ではない。そんな自信が無い」
ワタシはつい、そう考えてしまいました。
でも、自己評価が低いまま、でいると、どうしようもないのです。
著者はこんな事例を挙げています。
・自分がやりたいと思っていた仕事に参加できるチャンスがあったのに、「今の自分にはまだ早い」とチャレンジしなかった。
・商談において「自分なんかが提案していいのか?」とためらい、結果が出せない。
・ステキな服や靴があっても、自分には似合わないからと購入をためらう。
・自分より実績がある人が集まる場所に招待されても、自分なんか場違いだと思い、お断りする。
・ステキな異性と出会う機会があったのに、「自分なんかが誘っても・・・」と思って連絡できないまま、それっきりに。
このように、「自己評価が低いゆえにチャンスをものにできない」という例をあげたらきりがないほど。
自己評価を書き換えよう
今の自分の自己評価を確認するところから
1.A4の紙を1枚用意。
真っ白なノートでも、ちょっとした余白でもOK。
2.【質問】あなたはどんな人ですか?
制限時間10分で、この質問に対する答えを50個あげてください。
「まちがっている」答えはひとつもありません。
「私は男性です/女性です」「私は会社員です」「私は人の話を聞くのが好きです」
などなど。
どんな切り口でも構いません。
現実が自己評価に追いつく仕組みとは?
そこで、さらに1つ質問。
【質問】その自己評価は、目的地に到達したときの自分と同じ自己評価になっていますか?
「本を出版した人」「起業した人」「家族と幸せにすごしている人」の自己評価でしょうか?
そうなるためには、「今この瞬間」を、「今のままの自己評価」ではなく、「未来の自分の自己評価」で生きることがポイントです。
著者自身も「未来の自分を生きる」という言葉で心を強く保つよう意識してきました。
これはまさに「今」を「未来の自分の自己評価で生きる」ということ。
例えば、1年後の”もうすでに本を出版している自分”なら、どう発言するのか、どう行動するのか、どういう判断をするのか、どう考えるのか、どう情報を集めるのか、どんな場所に行くのか、どんな人たちと付き合うのか、どんなことをやらないのか・・・・を考え、判断して生きるということです。そうすることで、日常での「今の自分」でしていた選択が変わり、行動が変わり、「現実が自己評価に追いついてくる」のです。
これは、スピチュアルな意味での”引き寄せ”でもなんでもなくて、脳のメカニズムなのです。
「画像集」、できましたか?
さらに、質問です
【質問】1年後のあなたは、あなた自身をどんな人だと思っているでしょうか?
さらに、1年後の自分に質問をしてみる、というのもあなたの自己評価を1年後に高めていくことができます。
すみません、うまくまとまりませんでしたが、1年後のあなたの目的を達成しているあなたの自己評価を感じることができたでしょうか?
ワタシはこのワークをやってみて、1年後の自分の自己評価に近づくことができました。
すごく気持ちがよかったし、「努力じゃない」力でその位置まで自分を引き上げる方法が、すいすい見つかる感覚がとても新鮮でした。
ぜひとも、じっくりやってみてください。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。