著者は元幼稚園教員。
アメリカやスウェーデン、フィンランドに合計7年在住してきました。
北欧に住んでいた時、個々が幸せであることがすべてのことを幸せに変えていくことを実感。
「もっといろいろな人に、北欧の価値観を伝えて幸せになってほしい」とマインドフルネスの勉強をマサチューセッツで勉強。
”食べる”ことの心理学的観点からアプローチをして、体系コントロールについてもブログを持っています。
幸せ それは自分を大切にすれば見つかるもの
「ねぇ、そのままでいいよ。 いいところも悪いところも
全部ぜんぶ大好きだから、そのままでいいよ。」
これは、仕事でスウェーデンとフィンランドに住んでいたころに、北欧の人たちが語り掛けてくれた言葉です。
この言葉で、著者は、考え方や価値観、自分自身が丸ごと変わりました。
私たちは無意識に誰かを気にして、演じていることさえ気づかなかったり。
本当の自分を消して生きているのは、両親の育て方のせい、なんて思ていたり。
”がんばって”生きることが日常になり、大人になってもずっとそうだったりしますよね。
そんな著者に、北欧の人たちはこんな言葉をくれたそうです、
「ねぇ、ニーナはひとりしかいないのに、どうして誰かと比べるの?」
「自分に負けたくない?そんなの自分がかわいそうだよ」
「Only Oneってすごいことなんだよ。違うって素敵だよ」
「ニーナが幸せじゃなきゃ、全部、ぜんぶ崩れちゃうよ」
はじめ聞いたときは、ぜんぶハテナだったそうです。
何言ってるんだ、この人たち・・・と。
努力がすべてだと言われて私たちは育ちました。
でも、完璧な人なんてひとりもいません。
でも、それでいい。
いいところもダメなところも全部あっていい。
それが北欧の考え方です。
みんな、誰かの評価を気にするところも、人の目を気にして臆病になることも、虚勢を張ることもないそうです。
そう、北欧の人たちは自己肯定感が高いのです。
自分を大切に思う気持ちに満ち溢れています。
だからこそ、他人を受け入れられるし、誰にも「愛している」と本気で言えます。
だから、老若男女が平等です。
今でも出張でよく北欧を訪れて長期滞在する著者も、自閉症スペクトラムの著者の娘さんも、彼らの考え方に何度も救われ、ポジティブな幸せを感じるきっかけを作ってもらったそうです。
無理してコミュニケーションをとらない
「そういうこともあるよね。でも、それでいいんじゃない?」
北欧は男女同権なので基本は共働き。
男性も女性も中性的で、性格もサバサバしているそうです。
実際パパの方が子煩悩なケースが多く、学校の保護者会はパパだらけ。
ママの方を探す方が大変です。
「あれ、ママが来るの、珍しいよね?」という感じ。
そして、親同士のコミュニケーションが合えば、仲良くなり普通に友達になるけれど、それと子ども同士が仲良くなるかはまったくの別問題。
「私たちは気が合うけど、子どもたちが気が合わないこともあるよね、アハハ」
ということも。
その逆もおおいにあります。
親子ともに仲良しならいいけれど、そうでなくても構わない。
「こうじゃなきゃいけない」じゃなく、「こうしたほうがいいと思うけど、したくなければしなくていい」という姿勢は、何事にも共通する幸せ習慣ですね。
本当に自分のお気に入りのモノと過ごす
「ねぇニーナ、安かったから買ったとか、なんとなく流行っていたから買ったモノって、自分が本当に好きで買ったモノじゃないよね?
自分が自分のままでいられるように、本当に自分が大好きなモノと一緒にいよう。」
北欧の人たちは、本当に気に入った、自分がほしいモノしか買いません。
インテリアもファッションも、ベッドも、枕も、布団も、着心地の良かったりホッとしたりする、本当に自分がほしいモノだけを身近に置いて暮らしています。
クッション、アンティークの食器、こういったお気に入りのモノたちを家の見えるところに置いておくわけです。
飾り棚のポイントは、お気に入りの中でもお気に入りの、本当に本当に自分が心から好きなものだけを飾ること。
そうすると自分も居心地がいいし、他人も不思議と居やすい空間になります。
本当に好きなモノだけ、自分が居心地の良いモノだけをシンプルに棚に飾るもうひとつのポイントは、ひと目で何があるのかわかるようにすることです。
誰もがオンリーワンだと知る
「サムは心に響くピアノが弾けるスペシャルなクラスメイト。
耳が聞こえないのは彼の個性だよ。
みんなに、聞こえないことがどういうことなのかを教えに来てくれる。
サムはすごい!尊敬する!!」
北欧はすごく平等でフラットな社会。
だからもちろんヒエラルキーもありません。
仕事でも、立場は関係なく、アルバイトであっても、CEOと対等に話をします。
誰にでも自分の意見を言うことは普通のこと。
そして競争社会でもありません。
みんな平等という個とは、それぞれがそれぞれでいいということ。
最初著者がスウェーデンに来た頃、著者はアメリカのカルチャーのままで、競争を当たり前としていました。
実力主義は当たり前、一番になることは当たり前。
それは、誰かを蹴落とすこと。その位置にいる事に意味があったのです。
著者は当時勤めていたデザイン会社で
「私、カンヌで賞(カンヌ広告賞)を取りたいな!」
と言いました。
すると、同僚のマリアが不思議そうに聞いてきました。
「なんで?」
「だって、1番になりたい!」
「どうして1番になりたいの?
ニーナはニーナでひとりしかいないんだよ。
ここではね、オンリーワンでいることが大切なんだよ。
1番になりたいってことは、ニーナはニーナ自身を大切にしていないよ。」
それを聞いていた社長も、こう言ってくれました。
「うん、ニーナ、君のデザインは本当にすごいよ。でもね
マリアの言う通り、ニーナはニーナでいい。
僕たちは、君がここにいてくれること、そのこと自体が幸せなんだよ。
だから、オンリーワンでいてほしい」
社長さえも、オンリーワンを求めてくれる社会。
そう、みんなそのままで十分価値があり、生きていること自体がすごいこと。
だから、オンリーワン。
スケジュールに余白を作る
「ニーナ、携帯電話も使ったら電池がなくなるから充電が必要でしょ?
人間だってそうだよ。ずっと使い続けることはできない。
だから北欧では、
休むときは休む。とことん休む。
これができると仕事の効率は上がるよ。
それにね、みんなのアイデアがすごく新鮮になるんだよ。」
北欧には残業というものがないそうです。
1日8時間きっちり働いて終わりです。
残業するということは、その時間内に終わらせられないということで、あまりよいこととされていません。
子どもがいる家庭は、小学校低学年まで7時間労働とされています。
ただ、勤務時間中は本当に集中して働きます。
無駄な会話は一切ないという感じ。
会議も15分か30分に設定されています。
会議の課題項目以外の話はまったくしないので、実に合理的な働き方をしています。
夏休みも夏至のお祭の後、たっぷり1か月間とるのがふつう。
夏が6週間と短い北欧では、夏至はクリスマスの次に大切な日とされています。
この日には思い切り踊ってお祝いして、8月の半ばまで有給休暇を取得します。
みんなバケーションに出かけていて、都市部にはほとんど人がいなくなります。
日本だと有給休暇中でもメールを見ていたりする人もいます。
が、これは北欧では違反。
働いてしまうと、会社からも政府からもアラートが上がります。
有給休暇をきちんととっていないのは、罰則の対象なのです。
それを実践しているからなのか、著者の周りの北欧の人たちは、ものすごく集中力があります。
短時間で、こんなにできるのかというくらいすごい集中力を発揮するのだそうです。
私たちも、よく休みをとったあとほど、集中して仕事が片付くことがありますよね。
睡眠時間を削り、休憩時間を削り、休日さえも削る。
そして、周りと自分を見比べては、「もっと上を目指さなくては!」では、確かに自分がかわいそうです。
このコロナ禍、おうち時間で自分と向き合いながら、ちょっとだけHYGGEな生活、というのも贅沢な過ごし方かもしれません。
今週もお疲れさまです。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。