「もの忘れ」や「ど忘れ」などの記憶力の低下。
「聞き間違い」「うっかりミス」などの注意・集中力の低下。
年齢とともに、脳は老化していくのは、仕方ないことではありますが、ちょっとがっかりしてしまいます。
しかし、認知症を予防し、脳を活性化させ、いつまでも頭脳明晰でバリバリ好きな活動ができる方法があるのです。
それは、「運動」と「生活習慣」です。
本日は「運動」について。
こんばんは、ラブです。
運動の効果
運動によって脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が分泌されることが1996年わかりました。
ロンドンのタクシー運転手の海馬の体積は普通の人よりも大きい、という研究結果にもあったように、成人以降もずっと増殖が続くのですが、その神経の分化・増殖を促すのがBDNFです。
つまり運動すると、神経細胞の増殖が促され、脳が育つのです!
海馬は情報の「仮保管所」です。
海馬の神経が増殖すれば、入力された情報を「長期記憶」に置き換える作業が順調に進みます。
つまり、運動によって「長期記憶」がよくなるのです。
高齢になっても脳は育つ
脳科学者のアーサー・クレイマーは、運動をあまりしない60~79歳を「有酸素運動」群と「ストレッチ」群の2グループにして、週3回、1回1時間ずつトレーニングをしました。
6か月後のMRI検査で、ランニングマシンを使った「有酸素運動」群で、前頭葉と側頭葉の皮質の容積が増えたことが認められました。
運動によって、高齢であってもたった6か月でも大脳皮質も増加するのです。
学習機能が直後からアップ
運動した後に、頭がすっきりするという感覚を感じたことがある人もいると思います。
脳細胞の増殖は、1回や2回の運動では促進されませんが、学習機能は高まります。
2007年に行われた研究では、最大心拍数の60から70%を保つ程度のランニングマシンに35分間走ったところ、柔軟な考え方をしたり独創的な思考や解決s区を生み出したりすることに深く関係している認識の柔軟性(遂行機能)が高まるというデータが出ました。
たった1回でも、勉強の効率がよくなるのです。
どうやら運動は頭がよくなるらしい
「文武両道」とはよくいったもので、継続的な運動は勉強にも大きく影響していることが、最近の脳科学の研究で証明されています。
「運動する人」「運動しない人」を比べたところ、「運動する人」の成績が上で下。
また、朝の0時限目の体育の授業に参加した生徒たちの成績は17%もアップしました。
作業記憶が上がる
脳の作業スペースである「作業記憶」は、30代をピークに低下していきます。
すると「ど忘れ」が多くなり、注意・集中力、思考力、決断力、判断力、学習能力、情報処理能力などに影響を及ぼします。
運動は、この「作業記憶」にも改善の効果を見せています。
ランニングは作業記憶を改善しますが、さらに裸足で走ると効果があるといいます。
「ムーブナット」という自然の中を歩いたり、走ったり、木登りしたり、岩に登ったりする運動がありますが、その数時間の「ムーブナット」で、作業記憶が50%上がったと言います。
自然の中で本能のままに身体を動かすと、脳が活性化されるのです。
睡眠を深くして、完全回復させる
記憶のためには「睡眠時間」が大切であることも紹介しました。
運動した日の深い睡眠は、翌日の記憶力と集中力を完全回復させます。
人生のモチベーションが高まる
また、勉強や学びに必要な「モチベーション」が運動によって上がることもわかっています。
脳の中で「モチベーション」や「やる気」を出してくれる物質がドーパミンですが、運動するだけで分泌されるのです。
運動するとすぐにドーパミンは増えます。
さらに運動をしばらく定期的に続けると、脳の報酬中枢にあるニューロンが新たなドーパミン受容体を作り出し、さらに運動していこうという動機が芽生えます。
ドーパミン自体に記憶増強作用があります。
そして、ドーパミンは幸福物質とも呼ばれており、楽しく幸せな気分にもなります。
だから「マラソンにハマる」という人がたくさんいるのです。
ストレス発散の秘密
ストレスがかかると副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。
海馬はコルチゾールに弱く、大量のコルチゾールが分泌されると、海馬の細胞が死ぬこともあります。
運動するとストレス解消になるのは、それによって血中のコルチゾールの濃度が低下するからです。
運動によってコルチゾールを低下、正常化することによって、ストレスによる記憶力の低下を改善することができるのです。
認知症予防効果がある
認知症予防には、さまざまな研究がされていますが、食事や脳トレ、人とのつながりなどの効果報告があるものの、まだ十分に結果が出ていません。
その中で一番確実で効果的なのが運動です。
フィンランドでは1500人を対象とする研究で、週2回以上運動する人は、そうでない人に比べて認知症になる確率が50%低い、という結果が出ています。
週2回、1回20分以上の有酸素運動でアルツハイマー病のリスクを大幅に減らせるという報告もあります。
その他の研究でも、定期的な有酸素運動はアルツハイマー病の予防をすることを支持しています。
アルツハイマー病の危険因子としては、主に7つが挙げられています。
①糖尿病②高血圧③肥満④運動不足⑤うつ病⑥喫煙⑦低学歴
定期的な運動は、生活習慣を改善しますから、認知症予防の大きな切り札になりますね。
⑦ってどうよ、とも思いますが。
メンタルと脳に効果あり
この2つを増やすことで、晴れやかな気持ちになることができます。
運動の後、気持が晴れやかになることで分かるように、運動によってドーパミンとともにこのセロトニンやノルアドレナリンという脳内物質が出ることが分かっています。
精神医学の世界では、うつ病に対する運動の効果が注目を集めています。
アメリカの精神医学会では、うつ病治療のガイドラインに「運動療法」が加えられました。
「薬物療法」と同程度の効果があり、再発防止のためには「薬物治療」より効果が高いのです。
明日は、どんな運動がより脳に効果的なのか、勉強したいと思います。
ちょっと落ち込む気分になったので、明日はいつもよりも遠くまで歩いてみようかな。
明日も素敵な1日になりますように!
では、また。