「自分のことに集中しなくちゃ」と思いながらも、つい他人のことが気になってしまうことがあります。
人と較べると、大体においてがっかりします。
やる気がなくなったり、妬む気持ちがでてきたり、自分を嫌いになったり・・・。
較べないようになる、つまりは「自分のモノゴトに集中できる」ようになれたら、もっと自分のエネルギーを成長する方向に使えるのに・・・。
でも「較べない!較べない!」と精神論で自分に言い聞かせても、やっぱり比べてしまう。
それには、「較べてしまう」心理を分析して、そうならないためのスキルを身につけることが大事だったのです。
本日のキーワードは「合理的に考える」。
こんばんは、ラブです。
人間は、何かと比較したくなるものです。
比較する目的は、「承認欲を満たして安心したい」という気持があるのだと著者は言います。
比較することで、「自分も捨てたものではない」「自分の方がマシ」と思いたいからです。
というのも、もし自分で自分を肯定出来て、他人に認められたいという気持がまったくないならば、「比較する」発想には心が向きません。
まだ自分を肯定しきれていない、自分に納得しきれていないために、自分の価値を確認するために「比較」をしているのでしょう。
自分に「これで良い」という判断をするために、比較しているのです。
比較は不合理
しかし比較というのは、とても不合理な考え方です。
1つ目の理由は、比較という心の働きは、そもそも実在しないから。
ごくごくバーチャルな妄想でしかないのです。
だから、手ごたえを感じられないのです。
2つ目の理由は、比較しても自分の状況が変わるわけではないから。
だから、いつまでも安心できないのです。
3つ目の理由は、比較によって安心を得られたいのなにならば、絶対的・完全に優位な立場にならなければならないから。
それは現実的には不可能なので、常に不満が残ります。
しかし、私たちの脳は妄想に慣れてしまっているので、つい比較してしまいます。
現実は変わらないけれど、すぐできるし、たまに優越感も持てます。
つまり比較している状態は、「妄想」という「暇つぶし」とたいして変わらないのです。
目的を必ずかなえる「正しい努力」
妄想ではなく、現実を何とかしなければ、本当の満足感は得られません。
満足感を得るという欲を満たすためにも、「正しい努力」が必要です。
それには3つの条件があります。
①認められたい気持ちをモチベーションにして、今の仕事・生活を「改善」していく
②どんなときも「自分のモノゴトに集中」
③「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする
出家する意思でもない限り、みとめられたいという承認欲を大切にしていいと著者は言います。
それが活動のエネルギーになるなら、大いに頑張るというのも手です。
ただ、それはモチベーションとして利用するだけです。
間違ってもそれが「目的」にはなりません。
というのも、他人が認めてくれるかは、他人が決めることだから。
認めてもらう、評価される、成功を収める・・これらは、他人の領域であり、将来の話。
自分の言葉と、この瞬間の思いと、今できること―それ以外は、結局は「妄想」です。
ブッダの思考では、どんな時でも妄想を目的にはしないのです。
仕事や生活を「改善する」ためのポイント
仕事でも、自分の生活でも、何か新しいことを始めたら、「頑張るんだ」と言い聞かせれば何とかなる、というなら、今まで苦労していません。
合理的に考えましょう。そこには「改善する」ことがとにかく大事なのです。
「改善」とは「快を感じられる工夫をする」ことです。
仕事の進め方、小道具、BGM、環境、カラーリング、アプリ、人との付き合い方など、なんでも「快に感じられるように」改善することです。
心は、快か不快かの二者択一の反応をします。
不快を感じた心は逃げ出そうとします。それがストレスです。
一方、快を感じれば、心はその対象に執着します。それがやる気です。
その性質を生かすために、快を感じられる環境を改善していけばいいのです。
楽しむことが大事なのです。
「正しい努力」は、「人に認められるため」「成果を上げるため」という外部のことを目標にすることではありません。
集中や充実感といった心の快を大事にして、一つの作業を続けることです。
禅寺の「作務」は、まさにその実践です。
「意味があるか」を問うのではなく、無心に励んで、充実感や「心を磨く」爽快感、納得を目的とするのです。
「自分のモノゴト」に集中する
「自分のモノゴト」とは、自分にとって必要な、役立つ「作業」のことです。
「他人の目」や「周りがやっていること」は関係ありません。
「正しい努力」とは、「外の世界」を忘れて、「自分のモノゴトに集中」し、そのプロセスに「自ら納得できる」ことです。
これが成果を運んでくれます。
「自分のモノゴトに集中する」手順を、禅の智慧をかりてまとめると、次の通りです。
①目を閉じるーこれは、人生の基本にすべき、重要な心がけ
②ムダな反応をリセットするー「心の状態」を見ます。
疲れやストレスの雑念が粒子のように漂っているように見えるかもしれません。
それもすべて「あってよいもの」。
30秒でも5分でも、自分で時間を決めてやってみます。
③目を開いて、目の前の作業に一心に取り組む
スタートダッシュが大事です。反応をリセットしたら、勢いをつけて作業に専念します。
このやりかたは、ブッダが教える”八正道”の日常生活版です。
「この8つのやり方は目的成就のために欠かせない」とブッダが掲げた実践メニューです。
「無心」「心を尽くす」
いったん作業を開始したら、もう他人の目を気にしたり、外の世界を妄想してはいけません。
取り組むときは「無心」でやる。いっときにひとつのモノゴトを、心を尽くしてやるのが原則です。
そのことで、無駄な反応が浄化され、心はどんどんクリアになります。
「集中」による喜びと充実感が得られます。
あとに残る実感が「納得」です。
そうした努力ができるようになったら、もう誰かの評価も必要としません。
結果はおのずとついてきますし、結果的に、誰かに感謝されたり、賞賛されたりというおまけもついてくるかもしれません。
しかし、物事に取り組むプロセスそのものに納得しているので、そのことはどうでもよくなります。
自分のなすべきことが分かっている。
心をリセットして集中する。
やり遂げた後に納得が残る。
それだけで、完結できます。
「他人の目」がどうでもよくなるのです。
ブッダが教える通り、自分の心を見つめるだけで、答えは出るのです。
今日はマラソン大会に出てきました。
はじめは順位ばかりを気にして走っていたので、暑くて辛いばっかりでした。
でも、途中から順位よりも「自分の五感」に集中することを実践してみたところ、突然風が気持ちよく感じられてきました。
足も軽くなりました。
本当は、趣味として走っていたのに、いつの間にか「較べる」ことで苦痛になっていたみたいですね~。
ゆっくり休めましたか?
明日からの1週間が、さらに素敵な毎日になりますように。
では、また。