脳のワーキングメモリは、パソコンやスマホと同じです。
定期的に不要なメモリを解放しないと、動作が極端に重くなります。
一般に、仕事ができる人や一流の人を「頭の回転が速い人」と表現したりしますが、これは文字通りのことです。
そういう人は本当に脳の処理スピードが速いのです。
一流の人ほど体調管理を大切にする理由
仕事ができる人や一流の「頭の回転が速い人」が、脳の処理速度が速いのは、しっかりとワーキングメモリに空き領域があるからです。
いっぽう、「仕事をやりたくない」「面倒くさい」「モチベーションが上がらない」といった思考ノイズを溜め、日常生活や仕事における不平、不満、不安を感じている人は、負のスパイラルに陥っています。
これは精神面だけではありません。
体調面にも大きく影響してきます。
どんなに性格がポジティブな人でも「頭が痛い」「お腹が痛い」「寝不足で疲れがたまっている」となればおのずと思考ノイズが増えてきます。
体調管理で重要な三大項目は「食事」「運動」「睡眠」。
ワーキングメモリの処理能力を考えると、この三大項目はくれぐれも留意すべきです。
一流の人ほど体調管理を大切にする、は真実の一面でしかありません。
体調管理が適切になされているからこそ、ワーキングメモリに余裕が生まれ、一流のパフォーマンスが発揮できる、とも考えられるのです。
いずれも個人差があるので、自分にとってどのような状態が最適なのか把握し、常に体調管理に気を配ることが大切です。
テレビやニュースに出てくる成功事例に再現性はない
よくテレビで、型破りな経営で大成功した企業や経営者の成功談を報じる番組があります。
常識では考えられないアイディアで成功した話ですから、観ている方も面白い。
ついでに参考にしたいと思い、憧れてしまいます。
ユニークな手法で成功した人の話は、注目を集めやすいでしょう。
テレビや雑誌などでも、話題性があるので取り上げられます。
メディアの露出が増えるほど、そのユニークな手法こそが成功の条件のように見えてきます。
しかし、これも著者に言わせるとノイズです。
ノウハウを集めるタイプの人たちは、すぐに「斬新なビジネスモデル」というものに飛びついたりしますが、一方で昔から伝えられている定番的なやりかたを軽んじる傾向にあります。
でも、本当にそうなのか冷静に見ていく必要があります。
そもそもメディアがユニークな成功事例を取り上げるのは、単純に珍しいから。
「再現性」という点において、昔ながらのメソッドほど優れているモノはありません。
目新しさは確かにありませんが、「再現性」があるからこそ、時代を超えて使われ続けているのです。
「キラキラワード」による脳の空回りに気をつける
同じ意味で「キラキラワード」も要注意です。
読みづらい名前や、常識に考え難い言葉を用いた珍しい名前は「キラキラネーム」と呼ばれます。
名前に関わらず、ビジネスから日常に至るまで、そうした「キラキラ」感覚の言葉は横行しやすいのですが、これもノイズです。
たとえばこんなキャッチコピーがありますね。
「頑張らなくてもうまくいく」
「楽しいと思える仕事を見つけろ」
「心の底からやりたいと思えることだけやればいい」
「1%のことを変えるだけでも成功する」
どれも、よく言われるセオリーとは逆説的な内容なので目を引きます。
しかし、これらはよく見ると「楽してお金儲けしたい」という気持を煽るキーワードのようなもの。
何か目標があり、それを成し遂げたい、達成させたい、そして安定的に結果を出したいなら、膨大な数の実践と試行が必要です。
仮説を立てて実行し、その行動によってどれくらいのリターンがあるか検証が求められます。
なぜなら、仮説を立てて実行しても、必ずしもうまくいかないことがありますからね。
つまり、少量の思考や短期間の実践で、あなたの仮説やプランが正しいかどうかは決めつけられないのです。
成功を手にした経営者もトップアスリートも、そこに至るまでに膨大な試行錯誤をした過去や歴史を持っていますよね。
その結果としてシンプルな方法に落ち着いたのです。
結局うまくいくためには「綺麗ごと」ではなく、「泥臭いこと」が多少なりとも必要なのです。
「がむしゃら」や「ひたむき」という言葉を叫べば、今の時代、寒々しく聞こえるかもしれません。
でも、それはいつの時代にも欠かせないことなのです。
キラキラワードに目を奪われて、脳をムダに空回りさせることが無いよう、今の時代は気を付ける必要があるのです。
「楽して~」というワードには、ワタシもすぐ飛びついてしまいます。
でも、実際に実力や積み上げるものを得る瞬間にやっていたことは「泥臭いこと」です。
ワーキングメモリにキャパが小さめの人間なので、キラキラした言葉にメモリをとられないようにしたいものです。
今日は少しは休めましたか?
明日は日曜日。ゆっくり素敵な1日を。
では、また。