世の中には、どうしても同じ過ちを繰り返してしまう人がいます。
これはどういうことかというと、場合によっては「失敗している自分を愛している」ということです。
つまり、「負け癖」がついてしまっているから。
こうした人が持っている思考、それこそが失敗脳です。
負け癖がつくというのは、負けている自分の存在に安住して、それを肯定すらしているということです。
そうなってしまうときの典型的な特徴のひとつに、クリティック(批判的な目)で自分のことを冷静に見ることができず、どうしてもひいき目になってしまうということがあります。
つまり、「能力が低い人ほど、自分の能力を高めに見積もるという性質を持っている」ということです。
たとえば、英語力のある人ほど、自分の英語に足りないところがあることに気づいていたりします。
ところが、英語力が低い人ほど、「自分hあ英語が喋れる」と思ってしまっています。
勉強やビジネスに限らず、人生をうまく生きている人ほど、実は成功の基準が厳しく、「自分はまだまだだ」と思っているのです。
ですが、同じ失敗を繰り返す人ほど「俺って案外いけてるじゃん」といった勘違いをしていることが多いようです。
負け癖を認める 慣性の法則
1度負け癖がついてしまうと、なかなか抜け出せなくなってしまいう人は、自分自身の認識をつかさどる脳の回路において、「どんな自分でも自分らしい」と勘違いしてしまっています。
つまり、太っている人は「太っている自分が自分らしい」と勘違いしてしまう。
同じように、「負けている自分が自分らしい」と勘違いしているのです。
その要因は脳の「慣性の法則」があります。
これは、「昨日と同じ今日の自分だと安心する」といったもので、逆を言えば、昨日の自分と今日の自分い違いがあることで不安になるといった性質を、脳が持っているということです。
そこで大事なのは、慣性の法則があることを理解したうえで、あなた自身の変化を恐れない勇気を持つことです。
負け癖の習慣がつき始めているかも?と気づいたら、脳の慣性の法則を利用して、勝ち癖習慣に変えればよいのです。
「意識高い系」は失敗脳の典型例?
「意識高い系」はネットのスラングとして生まれ、自分の経歴や人脈を過剰に演出すし、一見すごい人のように思えるけれど、実際の経歴や活動はたいしたことがない人々のことを指しています。
たとえば、「やたらと学生団体を立ち上げようとする」「やたらとプロフィールを盛る」「ソーシャルメディアで意識の高い発言を連発する」「人脈をやたらと自慢する」などなど・・・。
そんな意識高い系の人は、勝つか負けるかと言う五分五分の勝負をしていないのかもしれません。
意識が高いのは、本来素晴らしいのですが、努力の方向が間違っていたり、地に足がついていないということは、すなわち「負け癖」がついている、失敗脳の典型例です。
本当に意識が高く、常に真剣勝負をしている人と言うのは、目の前の課題に集中して取り組んでいるので、あまりそういった浮ついたことはいわなくなるものです。
常に真剣に勝つか負けるかの勝負をしている人が、最後に成功脳を手に入れます。
良質なトライアンドエラーを積み重ねること
まずは、謙虚な姿勢で「本当の意味で自分にダメ出し」をしてみること。
失敗というのは誰でもするものです。
イチロー選手でも三振することがあるのと同じです。
失敗の内容を自分自身でしっかり把握することが極めて重要です。
そして、同じパターンで失敗していても意味がありません。
違うパターンで良質なトライアンドエラーを繰り返すならば、それはあなたの最高の経験になります。
メタ認知
例えば、あなたの仕事のやり方にしても、勉強の仕方にしても、「自分はこういうやり方でやってきた」というのは、それはそれで1つの財産になります。
しかし、それが見方を変えると不良財産になったり、そのやり方自体があなたの限界を決めていたりする場合もあります。
それを正確に把握するには、自分を外側から客観的にみる視点が必要になってきます。
それを脳の世界では「メタ認知」と呼んでいます。
「メタ認知」の作り方
メタ認知を使って自分を客観的にみるというのは、人間が進化の過程で最後に手に入れた最も高度な働きです。
メタ認知をわかりやすく説明するならば、あなたが勉強や仕事をしているときに、部屋にとりつけられたカメラがあなた自身を映しているような感覚で、あなた自身を観察している、というようなものになります。
私たちは毎日鏡を見ています。
女性なら、メイクなどの関係で長く見ることがあると思います。
このような「見た目」の客観視は比較的簡単なのですが、自分の考え方や行動癖を客観視するのは意外と難しいものです。
このようなメタ認知をうまく利用しているのが、役者さんです。
役者さんの話を聞くと、演技に集中しているときと言うのは、このメタ認知をほぼ例外なく発揮しているといいます。
それは、どんな役を演じるにも、どんなシーンにしても、自分を客観的にみることができている自分がいなければ、優れた演技ができていないという理由からです。
また、画家などの芸術家も、自分の作品のクオリティを知るためには、メタ認知が必要不可欠な能力であるとされており、少なくとも「こんな作品ではだめだ」と客観的にわかることが、芸術家として成功するための秘訣だといわれています。
メタ認知を育てていくには、他人から見た自分をイメージする、という方法があります。
一流のモデルさんたちは、相手から見える自分を細かい角度までよく理解しています。
メタ認知は、自分自身をシュミレーションしていくということでもあります。
そこでは、他人を鏡にして自分を磨く、という方法があります。
落語家さんたちも一流の人たちは、お客さんの反応をリアルタイムで見ていて、ときには話の調整をしているそうです。
そこでは他人からのシグナルを見落とさないということに尽きるのです。
コミュニケーションにおける失敗は、誰にでもあることです。
実は、著者自身もコミュニケーションの失敗を経験してきました。
言いすぎてしまうこと、その場にそぐわない発言をしてしまうこと・・・。
しかし、そのようなときには必ず周りの人がなにかしらのシグナルを出しています。
失敗そのものを悔やんでも何にもなりませんが、そこから学ぶ謙虚さを持つことで、他人という鏡を使ったフィードバックを上手に学ぶことができます。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。