全体の流れをいち早く捉えるポイントにより、コストパフォーマンスのよい動きにつなげること。
「芯に当たっている作業」を意識していくことで、徒労感をなくし、「やり甲斐」が疲れを消していきます。
さらに「自分のやる気スイッチ」の場所を探し、「ゾーン」に持っていく時間配分を持つこと。
今回のポイントは、「結果」。
こんばんは、ラブです。
大学教授と多数の著書、TV出演をこなしながら、「疲れない身体」を維持できるようになった著者は、「意味のないムダをなくす」ということを大事にしています。
全体の流れをつかむ
どんなことをしても、新しいことや慣れないことをすると疲れます。
一方、ルーティンなこと、一度やって流れがわかっていることは、ほとんど疲れません。
TVの仕事も、最初は緊張した著者。
しかし、1日目が終わった時点で、「よし、もう慣れた!」と自分に言い聞かせました。
著者は、こうしたとき思うだけではなく、口に出して言うクセがあるそうです。
本音では、慣れたかどうかわからなかったけれど、「もう完全に流れはわかったから大丈夫。明日からはオートマティックにいける」と自分に言い聞かせると、安心して必ずラクなる。
つまり、疲れずに仕事をするために、まずはできるだけパターンを変えずに同じことを続けていくこと。
また、変化が避けられないのであれば、できるだけ早く流れをつかむこと重要なのです。
そのコツは、「全体の流れをつかむ」こと。
ストレスを貯めやすい人は、仕事の全体像を見ないで、自分の仕事しか見ていないのです。
そのため、いつも自分のところにばかり問題が押し寄せてくるような気持ちになってしまうのです。
これでは、いつまでも慣れないし、疲れて当たり前。
慣れるために大切なのは、全体の流れをつかんで、自分は全体のどの部分を担っているのかということを把握することです。
これができると、「ここは抜いても大丈夫。ここはちゃんと気を引き締めて力を入れなきゃいけない」と言うことが分かるので、疲労が最小限で済みます。
最終形を知っていること。全体の流れを知っていること。
そして、そこから逆算して、「だから今はこの作業が必要なんだ」ということがわかっていること。
そうした全体像が見えていることによって、疲れずに仕事を上達させていくことができるのです。
芯に当たると疲れない
どんな仕事も、自分だけの仕事だけではありません。
同じ部署の周りの人がどう動いているのか。
さらに視野を広げて、他部署の人の人はその仕事にどう関わっているのか。
そして、最終的には会社全体の業務の中における自分の仕事の位置が把握できるようになることが必要です。
これがわかると、
「今の自分が何のために何をやっているのか」
「ここで問題が生じたら、他の部署にどんな影響が及ぶのか」
がわかるので、要らないものが判断でき、効率がとてもよくなるのです。
著者もどこまで要らないものを省けるか、省エネできるか、追求しました。
無駄を省くコツは、コストパフォーマンスに直結するものだけを対象に、結果から逆算して何を省くかを決めるということです。
先に「目標」を決めるというのはよく効きますが、目標ではなく「結果」を決めてしまうという視点だ大事です。
例えば、シンクロナイズドスイミングのコーチ井村雅代さんは「オリンピックでメダルを獲る」という結果を決めました。
すると、次の
オリンピックまで600日しかない、と数字がクリアになります。
すると、ものすごく焦るらしいのです。
だからこそ、そこから逆算思考で「今何をすべきか」ということが見えてくる。
漠然と2年後と思うのと、「 あと600日」というのとでは、意識が違います。
逆算思考には、さらに短いスパンの結果、たとえば「1週間後にはこうなっている」「1か月後にはこれができるようになっている」というものも組み合わせていきます。
これを井村さんは「結果を決めて、1ミリの努力を積み重ねる」と言っています。
ほんの1ミリ、紙を1枚載せるくらいの努力ならできます。
あとは、それを積み重ねて力を伸ばしていく。
そうした日々の小さな努力と、600日という長い時間を逆算したタイムスケジュールが、一つのものとして機能するのです。
結果を出している人は、遠い先も、今何をしなければならないかも、両方が見えています。
だからムダが少ないのです。
無駄が少ないということは、やること全てに芯が当たっているということです。
芯に当てるには、どこが芯なのか、つまり「結果」と「今すべきこと」を明確にする必要があるのです。
徒労感は疲労感
意味のない仕事、ムダなことは、人を一番疲れさせますよね。
一方で、「この作業は、このためにある」と思える仕事は、たとえ辛くてもやり抜くことができます。
さらにそれが結果に結びつくと、幸福感すら感じることができます。
会社の仕事も、自分の仕事が売り上げアップにつながったり、昇給につながると疲れは吹き飛びます。しかし、自分の目の前の仕事しか見ていないと、果たして自分のしていることが結果に結びついているのか、いないのか、わかりません。
だから、疲れるのです。
仕事の全体像を把握することは、仕事の結果が分かるようになるので、「やり甲斐
」が持てるようになるメリットがあるのです。
やる気スイッチの場所探し
著者も子供の頃は、ため込んだ夏休みの宿題を8月31日にやるのが恒例のタイプ。
社会人になっても論文は、かなり追いつめられた状況になってから、集中力でガーッと一気に書き上げていました。
ところが、年齢を重ねるに従い、こうした仕事スタイルがだんだん辛くなってきてしまうもの。
一気にやると、からだが疲れてへろへろになり、後までダメージが残ってしまうようになったのです。
これでは仕事が続けられないし、モチベーションの維持も難しい。
そこで一流の作家さんたちのスタイルをリサーチしました。
創造性を求められる作家業は、はげしく脳をたくさん使い、集中を必要とする仕事だからです。
色々な作家さんの仕事術の本やインタビューの記事を読むと、多くの作家さんは時間を区切って仕事をしていることが分かりました。
時間を決めて、その時間になったら書き始め、時間が来たらピタッとやめる、というスタイルです。
スティーブン・キングは、午前中は仕事部屋にこもり、一切人に対応せず集中。
その代わり時間が来たら、ピタッとやめるそうです。
角田光代さんは、時間だけでなく場所も区切ります。
家から15分歩いた場所に仕事場を設けて、9時から17時ぴったりまで集中します。
確かに環境が同じだと、どうしてもずるずると仕事を引きずりやすくなるので、場所を切り離すというのはいい方法です。
図書館とか、電車の中とか、休憩室とか。
トイレの個室もちょっとした環境ですよね。
慣性の法則
作家の宇野千代さんは、作家が仕事をするのに大事なのは「座る習慣」だと言っています。
書けても書けなくても、とにかく机の前に座る、まずはそこから、ということです。
仕事というのは、たとえやる気がゼロでも、とにかくパソコンの前に座ってキーボードをいじっていれば、だんだんとリズムがつかめて仕事に入れる。
形から、というのは邪道のようでいて、案外誰かが見ていると頑張れるけれど、誰も見ていないとやる気が出ないものです。
慣れたこと、すでに動き出していることを続けるのは、さして大変なことではありません。
昨年末「はやぶさ2」が宇宙に飛び立ちましたが、「はやぶさ2」自体は1円玉を動かすくらいのエネルギーしか出せないそうです。
それでも用が足りるのは、宇宙に出た時はすでに飛んでいるから。
宇宙空間はほとんど抵抗が無いので、ほとんど加速する力がなくても、あとは充分飛び続けることができるのです。
仕事は一度始めてしまえば、あまり力を入れなくても続けることができます。
しかもそれが、同じことを繰り返す1つのリズムになっている場合は、続けるエネルギーがほとんど必要ないので、疲れることなく続けられます。
こうした「疲れないゾーン」にいち早く入ることこそ、仕事で生産性を上げつつ疲れない極意です。
スティーブン・キングや角田光代さんは、一定時間で切り上げるスタイルをとっていますが、人によってはせっかくいい感じでゾーンに入っているなら、その則を少しでも長く続け、一気にやり切ってしまうというのも、疲れない1つの方法だと著者は述べています。
「夜目・遠目・傘の下」は、リアルよりもちょっぴり素敵に見えてしまうことも。
雨の日のそんな魔法もロマンチックかもしれません。
ゆっくり休んで、よい夢を。
では、また。