今年は、最高の睡眠を確保し、日中のパフォーマンスを最大化してみませんか?
スタンフォード大学で30年近く睡眠を研究して得た見地を軸に、「あなたの睡眠を、あなた史上最高にする」方法!
たとえば「睡眠時間」。
よく「ノンレム睡眠とレム睡眠の周期の90分の倍数でねむればいい」と言われたりしていますが、そうとは限りません。
究極のスタンフォード・メソッド
「世界一の睡眠研究所」と称されるスタンフォード大学睡眠研究所と睡眠生体リズム研究所。
そこで蓄積されたエビデンスをもとに、「スタンフォード式 最高の睡眠」が本著述べられています。
「たくさん寝る」はベストな眠りか?
食事でも、モノでも、仕事でも、「量より質」という認識はもはやグローバルスタンダード。
大盛や食べ放題よりも、味が良く、体にいいものを、少なめに食べたい。
たくさんのモノを持つより、質のいいものを厳選してシンプルに暮らしたい。
果てしなく残業し、休日返上で働くよりも、短時間、集中して効率よく働きたい。
わたしたちにとってはどれも当たり前のことですが、なぜか睡眠についてはまだ「当たり前」ではないのです。
でも実際、忙しい日常を送る現代人にとって、「今以上」の量の確保は現実的とは言えないですよね。
さらに、睡眠時間が長すぎるとかえって体に悪い、というエビデンスも出てきています。
「最強の覚醒」をつくる睡眠、「最高の睡眠」をつくる覚醒
最高の睡眠の答えは、「脳、体、精神」を最高のコンディションに整える、「究極的に質が高まった睡眠」。
睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットになっています。
スタンフォードで見つけた「睡眠の法則」
そのカギは、本著で言う「90分の黄金法則」。
レム・ノンレムの周期にかかわらず、睡眠の質は、眠り始めの90分で決まります。
最初の90分さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になることが分かっています。
逆に最初の睡眠でつまずいてしまうと、どれだけ長く寝ても自律神経は乱れ、日中の活動を支えるホルモンの分泌にも狂いが生じます。
どんなに忙しくて時間がなくても、「最初の90分」をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠がとれる、と著者は断言します。
体温は「上げて・下げて・縮める」
睡眠に関する本でよくあるように「深部体温を下げれば眠くなる」だけでは正しい理解とはいえないと著者は言います。
大切なのは皮膚温度と深部体温の差を縮めること。
そのためにはまず、皮膚温度を上げ、熱放散して深部体温を下げる。
体温もメリハリが大切です。
①覚醒時は体温を上げてパフォーマンスを上げる(スイッチオン)。
②皮膚温度を上げ(オン)、熱放散すると、深部体温は下がり(オフ)、入眠する
③黄金の90分はしっかり体温を下げて(オフ)、眠りの質を上げる
④朝が近づくにつれて体温が上昇し(オン)、覚醒していく
このメリハリがあると、最初の90分はぐっと深くなり、すっきり目覚められます。
では、いかに体温をオン・オフするのでしょうか?
睡眠のクオリティを上げる3つの「体温スイッチ」
体温スイッチ① 就寝90分前の入浴
入眠時に意図的に皮膚温度を上げて、深部体温を下げる。
この上げ下げは良質な眠りに欠かせません。
さらに、深部体温のある作用を利用すれば、皮膚温度と深部体温の差をより縮めることができます。
その方法に最もよいのが「入浴」。
軽い運動では交感神経が刺激されてしまうので、入浴が一番。
眠る90分前ににゅよくを澄ませておけば、そのあとさらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できます。
すぐ寝るときは「シャワー」がベスト
入浴後は熱放散のため、夏でも冬でも発汗しています。
ゆえに、忙しくて入眠90分前の入浴が無理な人は、ぬるい入浴かシャワーで済ませるのがベストです。
〇〇風呂ならさらに効果アップ
40度のお風呂に15分入ると深部体温が0、5度上がるというのがわかっています。
スタンフォードと秋田大学の共同研究では、炭酸泉、ナトリウム泉、ふつうのお風呂でそれぞれの体温変化を調べました。
すると、炭酸泉やナトリウム泉といった温泉浴のほうが普通浴よりも深部体温が大きく上がりました。
さらには、睡眠第1周期のノンレム睡眠からも、睡眠スイッチとしては温泉のほうが効果が高いことが分かりました。
体温スイッチ② 足湯に秘められた教委の「熱放散力」
シャワーよりも効果的な速攻スイッチは、「足湯」。
足湯は足の血行を良くして熱放散を促し、入浴と同等の効果があります。
しかも、寝る直前でおオーケーです。
足湯の目的は「足の血行を良くして熱放散を活発にすること」なので、マッサージでも同等の効果は期待できます。
ただし、自分でやると体に力が入ってリラックスできなかったり、やりかたを工夫して頭を使うと脳がつかれて、睡眠には向きません。
靴下を履くと眠気が逃げる?
足が冷たくて眠れない、という人は多くいます。
特に女性。
眠るときも靴下を履く、という話はよく聞きます。
でも、靴下を履いたまま寝てしまうと、足からの熱放散が妨げられます。
脱がない靴下は、眠りの助けにはならないのです。
運動やマッサージなど
日ごろから手足の血流をよくすることが必要です。
電気毛布や湯たんぽもありますが、ずっと温めていたら今度は熱が溜まる「うつ熱」現象が発生し、熱放散が起きなくなります。
もし使うのなら、寝る前だけにするとよいのです。
結局のところ、冷え性の人に1番良いのは、抜本的な体質改善。
運動不足を解消して血流量を増やす。
タバコを吸っているならやめるなど。
体温スイッチ③ 体温効果を上げる「室温コンディショニング」
眠りというと寝具の相談になりやすいと著者は言います。
掛け布団より敷布団の材質のほうがその効果の違いは大きいそうです。
また、どんなにいい寝具でも、室温を整えておかないとメリットを引き出せません。
日本は局所だけ温める文化なので、真冬でも「寒い部屋にこたつだけ」「分厚い布団にエアコンなし」というのも珍しくありません。
入眠後は自然と体温が下がります。
そのうえ、発汗による過剰な熱放散があると、体温が下がりすぎて風邪をひいてしまいます。
これが、夏風邪の原因のひとつ。
室温が低すぎると血行が悪くなります。
それにより熱放散も怒らず眠れなくなったり。
睡眠に悩んでいるなら、エアコンを切り替えてみましょう。
「お休みモード」といったタイマー設定もあります。
体温は外気温にすぐには反応しないので、睡眠ステージごとに室温を細かく調整する必要はありません。
しかし、ある程度快適な室温をコントロールすることで、快眠を促す可能性が高いのです。
寒くても、つい「布団に入ればいっしょ!」と思ってみても、なかなか眠れなかったりしました・・・。
エアコンって大事。
明日は、「脳スイッチ」について。
「正しいヒツジの数え方」など。まじです。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで、素敵な夢を。
では、また。