「普通になりたい」。
これは発達障害を持つ人、もしくはその傾向を持つ人たちの切なる願い。
著者もそう思ってずっと生きてきました。
周囲の普通の人に「やるという強い意志を持て」「毎日の積み重ね」「気持ちの持ちよう」とアドバイスされたことがありますか?
ワタシは小さいころから父に嫌というほど言われて育ちました。
でも、「そのアドバイスが役に立たないから発達障害なんだ」というのが、著者の結論です。
これは、診断された人に限らず、「普通」のやり方というのが誰がやってもうまくいくものではないからです。
結論から言うなら、「普通」になるためには「普通ではないこと」をやらなければならない。
「普通」に捕獲されてはいけない
確かに規則正しい生活を目指すべきですが、それは今すぐではありません。
過集中が起きているなら、それに身を任せることも必要。
動けないならばそれをある程度肯定してもいいのです。
ここで自分を責めても、あまりいいことではありません。
ここで世の中に合わせようとすると、わずかな良い部分さえ潰れます。
たとえば著者は夜眠れるかどうかは、そのときの脳の状態にかかっています。
過集中状態であれば、睡眠薬で叩き落す以外の方法で眠るのは不可能です。
何かに集中している状態から眠ることを目指して睡眠薬を飲み、布団に入ることができるようになったことは、20代半ばを過ぎてから。
著者の場合は、必ずしも睡眠がたくさんとれていれば高いパフォーマンスを発揮できたかというと、そうでもありませんでした。
ただ、3日眠らなければパフォーマンスはゼロに近づきました。
つまり、限界さえ超えず、かつ社会生活に折り合えることが大事です。
10時に寝て6時に起きるというような規則正しいリズムに合わないなら、それでもいいのです。
大事なのは、あなた自身を知ることで、あなたが最も生産性を出せる生活リズムを作ることです。
「眠れない」あなたがやるべきたった1つのこと
眠るのは、人生で1番むずかしいことだと著者は感じています。
20代で金融業に勤めていたころ、朝の目覚めが気持ちよくてやる気一杯に職場に向かったことは一度もありませんでした。
発達障害がある人は「体内時計がめちゃくちゃになりがち」という傾向があります。
「眠る」というのは、スキルなのです。
朝に強くなるための方法は、たくさん出回っています。
夜遅くに食べない。
深酒しない。
半身浴。
運動・・・・。
これらは効果がそれなりにあります。
そして、一番効果が高いのが「規則正しい生活を送る」こと。
それはもうわかりきっている、という前提で本著は書かれています。
結論。早く薬をもらってください
結論はシンプル。
余計なことは一切なし。
最寄りの心療内科に出向いて、眠るためのお薬をもらってきてください。
著者はありとあらゆる睡眠ハックを試みてきましたが、薬に勝る効果はひとつたりとも存在しませんでした。
もちろん、薬に頼らない生活習慣を確立できれば、それに勝るものはありません。
しかし、あなたが睡眠に問題を抱えているなら、まずはともあれ薬を試してみてください。
とりあえず眠ることができるようになってから、他のさまざまなハックを試せばいいのです。
もう、本当に時間が惜しいのです。
まずは薬をもらうことをお勧めします。
これは、著者の経験に照らして圧倒的に事実です。
なぜなら、不眠は本当に危険な状態だからです。
不眠は長く続く程、加速度的にすべてが悪くなります。
仕事のミスも増えるでしょう。
増えた悩み事は、さらに不眠を加速させます。
一度歯車が狂い始めると、どこまでも問題が拡大していくのが不眠の恐ろしさです。
うつの書記発症も大体は不眠です。
絶対にナメてはいけません。
不眠は死に至る病であり、ありとあらゆる精神疾患につながる道だということは、強く認識してください。
さっさと服用しましょう。
心理内科は怖くありません。
さっさと予約しましょう。
「眠れない」程度の症状なら、名医を探すより、即対応することの方が重要な場合が多いです。
逆に言えば、適切な睡眠薬の処方さえ受けられれば治癒する可能性が高い初期が治療の大チャンスです。
ひとつだけ大事なのは、アルコールとの飲み合わせだけは絶対にしないことです。
ワタシは調子を崩して仕事をしばらく休んでしまったことがあります。
その直前で、「もっとこうしていれば・・・」と反省することがあります。
それが、睡眠薬の服用です。
心療内科にかかるということに、ハードルを感じてしまったことです。
明け方4時に、仕事を思い出してガバッと起きだして、朝食を作る前に仕事をしていました。
自分では「朝時間を上手に使えている!」と思っていましたが、実はよく考えると、そこから出勤までの時間に身体の著しいだるさを感じていました。
日中も何だかとてもミスが増え、非常に大きなミスをおかしました。
それが、睡眠薬を服用してから一変。
あらゆるものにたいして、穏やかなポジティブ思考で考えられるようになりました。
手当たり次第に仕事をしていたのが、俯瞰して優先順位をつけられるようになりました。
これらのすべての源は睡眠でした。
睡眠薬、と聞くと怖くはなります。
心療内科、受けるのに勇気がいります。
でも、心療内科にいる人たちは大方おだやかで、人よりもちょっと几帳面かな?やさしいかも?という感触をワタシ自身は感じています。
その道のプロに話をたくさん聞いてもらい、ぐるぐるしていた心配もぐっと減ります。
市販薬もありますが、心療内科の薬は「眠りに叩き落して」くれるし、朝の爽快感が別人のように違います。
とてもお勧めです。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。