人生はラクじゃありません。
そんな日ごろの思いを上手に乗り越えていける方法です。
実は、すべての悩みは”たったひとつのこと”から始まっているのです。
今回のキーワードは「理解すること」。
こんばんは、ラブです。
悩みを解決するシンプルな考え方
私たちが日ごろ抱える”悩み”はさまざまです。
・いつも生活に追われて心に余裕がない
・今の仕事に満足していない。先を考えると不安
・嫌なこと、不運、失敗が重なり、落ち込んでいる
・性格が合わない相手がいる。人間関係でストレスを抱えている
一見どれも一人では解決できない、時間のかかる問題のように見えますが、そうでもないのです。
というのは、これらの悩みは”心の反応”から始まっているのです。
例えば、朝の通勤ラッシュで「今日も込んでいるな」とゲンナリする。
これは、心を憂鬱にさせる反応です。
心無い相手の言葉にイラッとする。
これは、怒りを生む反応です。
大事な場面で「失敗するかもしれない」と、マイナスの想像をしてしまう。
これは、不安や緊張を生み出す反応です。
人と会うときも、仕事をしているときも、心はいつも「反応」しています。
その結果として、日ごろのイライラや落ち込みや、先行きへの不安やプレッシャー、苦い後悔などの”悩み”が生まれてきます。
つまり、悩みの始まりには決まって、”心の反応”があるのです。
心がつい動いてしまうことーそれが悩みを作り出している”たった1つのこと”です。
それならば、”反応しない”ことができれば、すべての悩みを根本的に解決できるのではないでしょうか。
ブッダの教えは、「ムダな反応を止めて、すべての悩み苦しみを抜ける方法」
「反応しない練習」を教えてくれるのは、ブッダです。
もともとブッダの教えとは、「心のムダな反応を止めることで、一切の悩み・苦しみを抜ける方法」のことです。
その内容は大きく2つー①心の反応を見ること、それと②合理的に考えること。
「心の反応を見る」は、「座禅」が有名です。
最近では「マインドフルネス」、「ウ”ィパサーナ瞑想」なども。
心の動きをよく見ると、ざわついた心が静かになります。
今回は、この「心の反応の見る方法」を勉強します。
これは、ストレス解消、気分転換にもってこいです。
「合理的に考える」とは、目的が叶うよう、すじを通して考えることです。
本著での目的は、「ムダに反応しない」「悩みを増やさない」こと。
そのために本著では、
・余計なことを判断しない。どんな時も、自分を否定しない
・不満やストレスと言った「マイナスの感情で苦しまない」
・他人の視線を気にせずに、自分らしく生きる
・勝ち負けや優劣にこだわってしまう性格を、もうやめる
・心から納得のいく人生を、ここから目指す
ということを考えていきます。
原始仏教には、このような宗教的な内容とは全く異なる実用的で合理的な、現代にも使える「考え方」があふれてるといいます。
悩みをなくそうとしない
理解する人生には悩みはつきもの、とよく言います。
しかし、その正体がはっきりしていないことが意外と多いものです。
漠然とした満たされなさ、「このままでいいんだろうか」という想いはあっても、「悩みの正体」がわからないから、なかなか解決できません。
仕事でも家庭でも、悔しさや怒りや失望、落ち込み、不安などを抱えていても、解決できる「考え方」を知らないから、いつまでも満たされなさが続いてしまうのです。
ブッダの考え方は、私たちが日ごろ抱えている「悩み」を「理解する」ことから始まります。
①悩みがある⇒②悩みには理由がある⇒③悩みには解決策がある
と、順を追って理解していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。
「悩みがある」
私たちは日ごろ、たくさんの悩みを持ちやすいものです。
仕事や家庭が思い通りにいかなかったり、やりがいが無かったり。
人との付き合い方に苦労したり。
いつまでも吹っ切れない重い過去があったり。
人生の先行きに漠然と不安があったり。
ブッダは私たち人間が障害で体験するこうした悩みを「8つの苦しみ」として表現しました。
生きること、老いること、死、厭わしいものとの出会い、愛する人との別れ、
求めるものを得られないこと、ままならない人間の心。
ブッダの考え方の特色は「人生に悩み・問題はつきものなのだ」という現実を最初に受け入れることです。
人生の生きづらさ、憂鬱を「ある」と認めること。
この潔さ、合理性が仏教の特色です。
「現実を受けいれることは、つらい」と思うかもしれません。
しかし、「満たされなさがある」「悩みがある」と理解してしまえば、「では、どうすれば解決できるか」ともう1歩前に進めることができるのです。
仕事や人間関係の悩みの解消方法
仏教では、「苦しみの原因は執着である」とよく言います。
執着を実際に手放す修行方法には、座禅などを行ったりしますが、それを振り返ると
もう少し深い原因が見えてきます。
悩ましい現実を作り出しているのは、”心の反応”であることがはっきりしてくるのです。
嫌なことがあって、つい腹を立てる。
思い通りにならない現実に、焦ってしまう。
他人の目を感じて、不安になってしまう。
これはすべて心の反応です。
それらの反応は、何をもたらすでしょうか?
ついカッとなった怒りをぶつけて、人間関係を壊してしまう。
大事な場面で緊張して、能力を出せず失敗してしまう。
忌まわしい過去にをつい思い出して、苦い後悔に沈んでしまう。
つい考えすぎて、自分はダメだと落ち込んでしまう。
これも、すべて反応です。
執着以前に悩みを作り出しているのが心の反応なのです。
つまり、日々心がけていくことは「ムダな反応をしない」ということなのです。
人の悩みは、闘って勝つとか負けるとかの相手ではない
人は悩みに直面すると、つい反応して「闘おう」としてしまいます。
真っ向から向き合って、なんとか変えていこうともがき、あがきます。
しかし、人生において「闘って勝てる」ことは、ほとんどありません。
どんな地位や権力や財産をもってしても、「ままならない現実」はあるのです。
「人生には苦しみが伴う」という現実は、永久の真理です。
この現実は「闘う」という思想だけでは、乗り越えることはできません。
新しい生き方、合理的な考え方が必要なのです。
その方法の一つが「ムダに反応しない」です。
心の状態をきちんと見る
反応せずに、理解することが悩みを解決する秘訣です。
特に「心の状態を観る」ことで、日ごろのストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることができます。
では、「心の状態を見る」にはどうするのか。
本著では、
①言葉で確認する
②感覚を意識する
③分類する
という方法を紹介しています。
①心の状態を言葉で確認する
たとえば苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と確認します。
長時間テレビやインターネットで遊んでしまったときは、「頭が混乱して落ち着かない」「心がざわついている」と客観的に確認します。
特に目をつぶって確認してみると、心が落ち着きます。
仕事中でも家でも、「自分の心は、今どんな状態だろう」と意識してみます。
「疲れを感じているな」「気力が落ちているな」「イライラしているな」「考えがまとまらないな」というように客観的に確認。
これを日常の動作でも行うことで効果が上がります。
掃除をしているときには、「私は今、掃除をしている」。
歩いているときには、「今、歩いている」。
パソコンで作業しているときは、「作業している」。
ありのままに言葉で確認します。
そうして心の状態や体の動作を客観的に言葉で確かめる習慣を身につけるのです。
言葉で確認すると「反応から抜け出せる」のです。
反応から抜けると、心は落ち着きを取り戻します。
②身体の感覚を意識する
もう一つは、「感覚を意識する」という方法です。
ストレスや疲れがたまったときに、心をリフレッシュできる抜群の効果があります。
まず、目を閉じて、自分の手を見つめます。
手を見つめながら上に上げます。
「動く感覚」があります。
このときに、「手の感覚がある」「手の感覚が動いている」と意識します。
肩の高さまで挙げて、元の場所におろします。
その間、目をつぶったまま、手の感覚を見つめます。
さらに、手のひらを上に向けた状態で脚の上に置きます。
手を握ったり開いたりして、感覚を確認します。
椅子から立ち上がったり座ったりする動作を見つめたり、呼吸しながらお腹のふくらみ・縮みを感じ取ったりできます。
こうした日ごろの体の感覚を意識する方法です
③頭の中を分類する
心の中の状態をいくつかの種類に分けて分類します。
「言葉で確認する」と似ていますが、もう少しおおざっぱに観念的に理解するところに特徴があります。
基本は(1)貪欲(2)怒り(3)妄想に分けます。
(1)貪欲
過剰な欲求に駆り立てられた状態。求めすぎ、期待しすぎ。
人間関係の不満は、たいていこの「求めすぎる心」から来ています。
(2)怒り
不平不満を感じている状態。イライラ、機嫌が悪い、ストレスを感じる。
もともと”求める心”に始まる人間の人生には、「怒り」が潜在的に付きまといます。
もし見つけたら、
「わたしは怒りを感じている。それは、”求める心”が作り出す、根拠のないものだ」
と正しく理解して、心を鎮めるように心がけることが大事です。
(3)妄想
これは、想像したり、考えたり、思い出したりと、頭の中でぼんやりと何かを考えている状態です。
「あれこれと、つい余計なことを考えてしまう」
「落ち着いて物事に取り組めない」
という悩みの理由は「妄想」にあります。
妄想をうまくリセットする
「妄想」こそ人間が最も得意で大好きで、ほぼ一日中絶え間なく繰り広げられるナンバーワンの煩悩です。
楽しい妄想だけなら良いですが、仕事や家で「追われている(あれもこれもやらなきゃ)」と感じたり、「この先どうなるのだろう」と不意に不安に駆られたり、悲しい過去を振り返って落ち込んでしまったりという心境もまた「妄想」から来ています。
ムダな妄想はリセットすることが1番です。
リセットの基本は「今、妄想している」と客観的に言葉で確認すること。
ただ、これが結構難しい。
妄想は無意識のうちにはまっているものだからです。
妄想していたことは、たいてい後で気づくのです。
それには「妄想している状態」と「妄想以外の状態」を区別するのが秘訣です。
たとえば、目を閉じて目の前に見える暗がりに、何かを思い浮かべます。
さっきの食事や、テレビで見たものなど、何でもかまいません。
次に、目をぱっちりと開いて、前を見ます。
部屋の中や外の景色を良く見つめます。
「ああ、これが見えているという状態なのだ」
と意識します。
このとき、さっきまで脳裏に浮かんでいた映像は存在しません。
「さっき見ていたのは、妄想である」
「今見えているのは視覚である」
とはっきり意識してください。
これで、妄想と、それ以外の状態を見分けられることが大事です。
「妄想」vs「視覚」、「妄想」vs「身体の感覚」です。
そして、妄想ではなく身体の感覚に意識を向けます。
呼吸をしているときのお腹がふくらんだり、縮んだりする感覚などを意識。
こうして妄想と感覚の違いを意識しながら、感覚の方に意識を集中させる練習を積んでいくことで、妄想から抜けることが上手になっていきます。
気づかないうちに、焦ったり、過去を思い出して苦しくなったりすることがあります。
そんな習慣に気づいて、少しトレーニングすることで、自分で作り出す苦しみから逃れることができるのかもしれません。
今週もおつかれさまでした。
この週末は、もっと素敵なことがたくさんあなたに起きますように!
のんびり休んで、楽しい夢を。
では、また。