チェックペンでの勉強だけは、どうにも頭に残りにくいですね。
先日漢検や英検を受けましたが、う~ん、いまいち!
勉強時間の割には頭に入りにくかったような?
年齢だから仕方ないのかな?と思っていましたが、「覚えるには書くことが基本」と本著にありました。
先に読むべきでした・・・。えーん。
今回のキーワードは、「いかに書くか」です。
こんばんは、ラブです。
書きまくり記憶術
電車の中で復習する、というような場面なら「チェックシート」方式くらいしかできないのですが、机がある場所で記憶していくのならば、必ず書きながら出ないとその学習効果が弱まってしまうそうです。
「書く」ということは、運動神経を使って、手と指の筋肉を動かすということ。
単なる脳内に存在していたデータが、「行動」に影響を及ぼしたことになります。
脳は「行動に影響を及ぼさないデータ」と「行動に影響を及ぼすデータ」とを区別します。
当然「行動に影響を及ぼすデータ」を重要度が高いと判断するのです。
何かを覚えたい時は、書いて書いて書きまくる。
「書く」ことが、「記憶する」ことそのものと思ってもいいくらいだと著者は言います。
忘れる前にメモをしまくる記憶術
精神科医である著者には、
「最近物忘れが増えてきたので、認知症ではないでしょうか?」
という相談がよくあります。
認知症の検査は、ひと通り行っても、軽度の認知症の場合は認知症の判断に迷う場合があるそうです。
そんな場合には、
「忘れないように、何でもメモするようにしてください」
と指示を出すそうです。
1か月後に様子を聞いたときに
「メモのおかげで、もの忘れが減りました」
という患者さんは、認知症ではない可能性が高いそうです。
メモをすると物忘れが減る。
記憶力が衰えている高齢者でも「忘れる」のを阻止することができるのです。
ですから、そでない人がメモの効果を上手に活用すれば、さらに大きな効果が得られます。
メモをすると忘れにくくなるのは、以下の3つの理由が考えられます。
(1)メモは、復習1回分に相当する。
(2)メモは、アウトプットになる。運動刺激を刺激して記憶を強化する。
(3)メモは「記憶の牽引」を作る。
メモすること自体がアウトプットになり、復習1回分になります。
手帳やスケジュール帳にメモすると、後から見直し、それらを開くたびに過去の書き込みもついでに見直せば、これも復習1回分です。
メモすることで、忘れてしまうかもしれない情報に、何度もアクセスすることができるようになるのです。
「1週間に3回復習すれば忘れなくなる」という記憶の法則がありますが、メモするだけで、その1回分に相当するのです。
メモするだけで、記憶に残ります。
だから、忘れたら困ることは何でもメモしまくる。
そんな習慣をつけることで記憶力を上げることができるのです。
紙とデジタルでは
記憶術の本などでは、メモをするのはどこが効果的か、という議論がよくあります。
著者の考えとしては、「いつも持ち歩いているモノに今すぐ書き込める」のであれば、紙でもデジタルでもよい、というものです。
著者は基本的に常にノートパソコンの前に居るので、ノートパソコンの「付箋」アプリを使っています。
これでデスクトップ上に「付箋紙」のようなメモスペースが常にある状態になり、書いたり、消したり、はがしたりが自由にできるそうです。
何枚もデスクトップに貼ってしまうと、それによって注意が分散するので、すべてのメモを1枚に書いていくそうです。
デスクトップを開くたびに「付箋」に書いたメモが自然に目に入るので、「復習」効果が得られて、自然と記憶に刻まれます。
時間があるときに「付箋」を整理して、終了した案件を消去。
長期保存したいアイディアは内容を分類しつつ、他のファイルにコピペか、ノートに書き写します
この「見直し」と「整理」が大事です。
時間を置いたことで、「一瞬のたわいもないひらめき」が「熟成されたかけがえのないアイディア」に変化している場合もあるのです。
紙の付箋紙を使う場合は、「今日中に処理すべき案件」のみ。
溜まってしまうと、注意力が散漫になるからです。
記憶の本体を引っ張り出す 牽引記憶術
著者は患者さんの名前を良く忘れますが、カルテを開かなくても、患者さんの病名・最近の病状・投薬とグラム数まで思い出せます。
あなたにもそういうことは、ないでしょうか。
これこそが「記憶の法則」です。
記憶には「記憶の牽引」と「記憶の本体」があります。
患者さんの例でいうなら、「患者さんの名前」が「記憶の牽引」で、「患者さんの病歴や処方歴」が「記憶の本体」です。
「記憶の本体」は、そう簡単にうしなわれるものではありませんが、「記憶の牽引」は歳をとるとともに、簡単に失われやすくなります。
例えば、先週会った人の名前が思い出せない。
顔も、職業も、どんな話をしたかも覚えているのに・・・。
記憶の分類はいくつかありますが、「意味記憶」と「エピソード記憶」という分類があります。
「意味記憶」は、情報、知識に関する記憶。
「エピソード記憶」とは、出来事、経験、体験、思い出に関する記憶。
「意味記憶」覚えづらく忘れやすいのですが、「エピソード記憶」は覚えやすく忘れづらいという特徴があります。
患者さんの名前は、忘れやすい「意味記憶」。
患者さんとどんなことを話したかは、「エピソード記憶」なのです。
もの忘れしないようにするためには、「記憶の牽引」である「意味記憶」を強化する必要があります。
すぐに思い出せるように「記憶の牽引」作りをしておけば、「記憶の牽引」に紐づけられた「記憶の本体」を簡単に思い出すことができるからです。
そこで使えるのが「書く」ことであり、アウトプットすることです。
たとえば「〇月〇日、Aさんと食事」と1行メモをしておくことで、名前は強く記憶に残ります。
あるいは、Aさんと会ったときの2ショットをFacebookに投稿しておく。
そうすると、Aさんの顔と名前が強烈に記憶されます。
「メモする」ことは、実は「記憶の牽引」の印象を強めたり、「記憶の牽引」を記憶するという意味があるのです。
感動も忘れない 殴り書き記憶術
著者は、何年も前に観た映画の内容をかなり詳しく記憶しています。
それは、映画を観たら、感想や映画批評を書いて、Facebookやメルマガに投稿しているからだそうです。
しかし、実はその前にもっと重要なアウトプットをしています。
ノートへの殴り書きです。
映画を観終わった直後に、映画から得られたインプレッション、気づき、感動、心に留まったセリフ、共感したテーマなど、頭に浮かぶほとんどすべてをノートに書くそうです。
ここで重要なのは、忘れないうちに思いつくことの全てを文字として書き出すこと。
字のキレイさよりも、スピードが優先です。
全ての映画では書かないそうですが、感動した場合は、すかさず殴り書き。
映画館から出てすぐのロビーの椅子で書き始めることも。
アウトプットは直後がいい 体験丸ごと記憶術
ドイツの心理学者エビングハウスが行った記憶実験によると、記憶した20分後には42%を忘れ、1時間後には56%を忘れ、1日後には74%を忘れることが明らかにされました。
記憶というのは、時間とともに猛烈なスピードで忘却していくものなのです。
これを防ぐ方法が「復習」です。
ですから、映画を観た直後が最も情報量が多いことになります。
ですから、見終わってから速やかにメモやノートをとる(復習する)ことが必要です。
殴り書きで、その時の心にしかない、生々しい感動を文字に書き換える。
その作業をきちんと行っていれば、半年たっても、1年たっても、その殴り書きを見返すだけで30秒もあればその映画の感動と共に、ストーリーのデティールまで想起することができます。
しかし書き留めない限りは、大部分を忘れてしまいます。
つまり、「殴り書き」というアウトプットは、そのまま自身の知的「財産」となるのです。
「殴り書き」は自分の記憶の一部であり、かけがえのない知的財産の蓄積なのです。
どこにどう書いていくか、自分でいろいろやりやすい方法を見つけて習慣化していくことで、忘れることを減らしていけそうです。
「忘れやすい」ということに恐怖感さえ持っていましたが、ちょっと安心できました。
今日も一日、お疲れさまでした。
すてきな夢がみられますように・・・。
では、また。