猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』ミニマリスト 佐々木 典士

モノが少ない、幸せがある。

だから、ぼくたちに、もうモノは必要ない。

 

この本で著者が伝えたいことをミニマル(最小限)にまとめるとこうなります。

著者はモノが少ないことのすばらしさを、この本で伝えようとしています。

 

モノが足りなかった日本社会で培われた価値観により、

「お金があれば何でも買える。モノがあれば幸せになれる」

そうした思いが私たちに刷り込まれています。

しかし、旅行したときや引っ越しをしてすっきりした部屋を見た時、あなたも感じたことがある解放感。

あれを毎日、自分の部屋で感じられたら、どんなに部屋に帰ってくることが楽しいでしょう。

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著者はモノをたくさん捨てました。

そして今、毎日幸せを嚙みしめながら、生きられるようになりました。

著者はモノを捨てることからスタートして、なぜか前より幸せを感じています。

 

著者もご多分に漏れず、モノを溜め東風、それが自分の価値、ひいては自分の幸せにつながると考えていました。

本著の冒頭に汚部屋の写真があるのですが、著者はモノが大好きで、何も捨てられないタイプでした。

ひたすらモノを増やしたいタイプでした。

 

しかしモノを持っていた著者は、人と比べてばかりいて、みじめでした。

自分がすべきことがわからず混乱ばかり。

名にも深く考えられず、時間をムダにしていました。

どうしても、と自分で選んだはずの職業を後悔し始めていました。

お酒に逃げ、女性に迷惑ばかりかけていました。

自分はこの程度の人間だと、ただすべてに慣れていくしかできませんでした。

 

以前の著者の様子はこんな感じ。

汚部屋はなんとか脱出できました。

週末に彼女が来ることになったら、片づけをし、見える部分だけの掃除をすれば、それなりに見栄えのする部屋になる。

センスがいいお気に入りの小物もバランスよく配置し、間接照明も効果的なつもり。

しかし普段は、収まりきらず本棚からあふれた本が、部屋のそこかしこに積まれています。ほとんどがいつか読もうと思ったまま、ぺらぺらめくってみただけの本。

借りたママ気が乗らず長く返していない本たち・・・。

押し入れにはかつてのお気に入りの服がぐちゃぐちゃに詰め込まれ、たまに引っ張りでしてもそれを着て外に出かける勇気は出てこない。

途中で投げ出した趣味の品々も部屋に転がっています。

ほこりをかぶった入門用のギターとアンプ。

落ちついたら手を付けようと思っている英語の教材。

すばらしいアンティークのカメラにはフィルムを通したこともない。

 

ひとつの趣味が続かないせいか家出することが無い。

録画した『アメトーーク』を見終わったら、スマホでパズルゲームでもやろうか、いい加減やめたいけれどコンビニに行って、またお酒をあおろうか。

 

人と比べてばかりいました。

大学時代の友人の住んでいる東京の埋め立て地にある高級マンション。

絵にかいたようなすばらしい家族。

そんな状態から一発逆転の淡い期待を抱き、toto BIGを買う。

 

かつての自分をクズだったと言う著者。

違う人間になり始めているそうです。

おおげさに聞こえるかもしれませんが、「モノを捨てただけ」です。

 

ミニマリスト以前の著者

モノをため込んでいたころの著者の1日は、こんな感じ。

仕事から帰ってくると、まず適当に服を脱ぎ散らかす。

洗面ボールが割れたまま修理していない浴室で、シャワーを浴びる。

撮りダメたテレビ番組や、たくさん借りてきた映画を見ながら、ビールのロング感を1本空ける。

次はワイン。ワインを1本飲み切っても足りず、酩酊しながらコンビニに駆け込むこともたびたび。

お酒は幸福ではなく、不幸の一時停止。みじめな自分を一瞬でも忘れたかったから。

 

翌朝、布団の中で、さんざんぐずりながら起きる。

10分ごとにかけた目覚ましをスルーし続けながら、太陽が高くなってからようやく起きる。昨日のお酒のせいで頭は重く、身体はだるい。

深夜に乾燥機で回しただけの、ヨレヨレのユニクロを洗濯機から取り出して着る。

昨日の夕飯のまま放置された洗い物。それを横目で見ながら、玄関を後にする。

いつも同じ通勤路に飽き飽きしながら出社し、すぐエンジンがかからないから、ネットで2ちゃんねるまとめサイトを見て暇つぶし。

雑務の同時並行に明け暮れているから、本当に重要な仕事は手つかずのまま。

その日の仕事を終わらせたのではなく、ある程度の時間になった、という理由で帰宅する。

 

著者はこのすべてに言い訳をしていました。

 

ミニマリストの著者の1日

モノを最小限に減らして、著者の生活はがらりと変わりました。

仕事から帰ってきてお風呂に入る。

湯船はいつもピカピカ。お風呂から出ると、お気に入りの部屋着に着替える。

テレビは手放したから、本を読んだり、書き物をする。

お酒はもう1人で飲まない。

モノを捨てて空いたスペースで、ゆっくりストレッチしてから寝る。

 

朝は太陽の光で起きる。目覚ましは基本的にかけない。

朝の光が、モノのない白い壁紙に反射して、へやはとても明るい。

億劫でしかなかった朝起きることすら楽しみになる。

ゆっくりと朝食をとり、マキネッタでこぽこぽと淹れたコーヒーを味わる。

朝食で使った食器はすぐ洗う。

座禅を組み瞑想し、心がひとつに留まる。

掃除機を毎日かける。天気が良ければ洗濯をする。布団を整える。

きちんとたたまれた服に着替えて、出かける。

四季の変化を感じ取りながら、毎日同じ通勤の道を楽しむ。

 

・・・自分でも、同じ人間の1日とは思えないと著者は言います。

 

著者が捨てたモノ

・本棚ごと、本をまるごと

・コンポとCD全部(あまり興味のない音楽にも造詣が深いフリをしていた)

・1人暮らしなのになぜかギュウギュウに詰め込まれていた大きな食器棚

・お気に入りのアンティーク雑貨(オークションで手当たり次第に買った)
・高かっただけのぶかぶかの服、いつか痩せたら、もう一度着ようと思っていた服

・趣味のカメラ用品一式(なぜか暗室もあった。本当にどうかしていた)

・自転車を整備する様々な工具

・ホコリだらけのエレキギターとアンプ(挫折を認めたくなくてしばらく置いてあった)

・ひとり身には広すぎる机とテーブル(誰も呼ばない部屋なのに、誰かと鍋がしたかった)

セミダブルのテンピュールマットレス(寝心地は最高だが、とにかく重かった)

・6畳の部屋にはふさわしくない42型のテレビ(映画好きを自任していた)

・趣味の映画を楽しむためのホームシアターPS3(家電が大好きだった)

・ハードディスクにため込んでいたあだりてぃーな動画すべて(一番勇気が必要だった?)

・フィルム時代の写真はすべてスキャンして処分した(整理できず写真が貼りついていた)

・思い出の手紙もすべてスキャンして、手放した(幼稚園のころから捨てていなかった)

 

ただ捨てることができないから、捨てるモノは写真に撮ったそうです。

本を売るときは、表紙も1冊ずつ撮影。

そしてハードディスクに溜まった写真は3000枚は下らないとか。

 

そんなにたくさん持っていても、足りないモノばかりに目が行っていたそうです。

ミニマリストになった理由

ミニマリストになる敬意というのは人によって違うものだそうです。

モノのせいで人生が狂っていく様子を身近に見た人、

いくらモノを集めてもちっとも幸せでなかった大金持ちの人、

引っ越しが多くて徐々に荷物を減らした人、

うつ病からの脱却を図った人、

もともとモノに執着がない人、

震災を経て、考え方が変わった人。

 

著者は典型的な「汚部屋」出身だといいます。

汚部屋からの反動ミニマリスト

 

モノが捨てられず、モノが大好きなこだわりの人。

そして自分がかかわった、どんなモノにも思い入れを感じて捨てられなくなってしまう。

 

もともと日本人はミニマリスト

生まれた時は誰しも何も持っていないように、日本人はかつてみんなミニマリストでした。

産業が発達する以前、外国人は日本人に驚きました。

持っている着物は2,3着とわずかでも、こざっぱりしている日本人。

身軽で、健脚でどこまでも歩いていく。

家は簡素で永住するモノではなく、すぐ建て替えがききました。

 

ミニマリストの定義とは?

スティーブ・ジョブズは禅を学んだ人として有名ですが、彼が創り出したアップル製品やiPhoneは、一貫してミニマルにそぎ落とした製品。

ジョブズは自分が気に入らないものには、言葉を荒げ、決して妥協しなかったことで知られていますが、特に気に入らなかったものは、ミニマルでないということでした。

 

そうしたミニマルの発想は逆輸入されて今日本にありますが、ミニマルの定義とは何でしょう?

著者が思うミニマリスト

「本当に自分に必要なモノがわかっている人」

「大事なもののために減らす人」です。

 

ミニマリズムは「目的」ではない

モノを少なくすることは「目的」ではありません。

ミニマリズムはそれぞれ違う大事なものをみつけるための「手段」です。

肝心な物語を紡ぐための「序章」がミニマリズムです。

モノを減らすことで著者はたくさんのことが見えてきました。

 

ぼくは、ぐるぐるしている重いパソコン

ミニマリストになる前の著者は、自分自身を「処理中」のアイコンがぐるぐるしている、あの重いパソコンだったと言います。

新しいことをしたくても、データは満載、同時並行にやることも多すぎてフリーズ寸前だから軽い作業しかできない。

毎日毎日、将来の不安におびえ、自分の職業について悩み、人からどう思われているかばかり気にしていたそうです。

 

重くなったパソコンをキビキビ動かしていくにはどうしたらよいでしょう。

人間というハードウェアは実は5万年前から変わらない脳の作りをしています。

今の私たちの身の回りの情報は私たちには多すぎるのです。

それならば、いらないモノを「減らし」て、身軽にしていくしかありません。

ハードディスクのいらないデータを「減らす」。起動しているアプリを「減らす」。

わたしたちは身軽になって、新しい答えを出すべきときに来ていると著者は言います。

 

あまりに多すぎる自殺者

日本のうつ病患者は100万人ともいわれ、毎年自殺をしてしまう人は25000人を超えています。

東日本大震災の犠牲者が20000人。

1000年に1度とも言われる大きな災害の犠牲者以上の人が自ら命を絶っています。

 

人は「自分に価値がある」と思わずに生きてはいけません。

それは誰かに認められたいもの。

SNSの「いいね!」やLINEの返事。

いつも誰かの批判に明け暮れる日々は誰かの価値を下げることで、自分の価値を上げようというのが本質です。

 

そうした中で、ひとはモノを所有することで、モノを増やすことで、「自分の価値」を伝えようとしてしまいます。

しかし、道具でなく、手段でもないモノは徐々に人に牙をむき始めます。

増えすぎたモノを維持・管理するために膨大なエネルギーと時間を費やすことになるからです。

 

捨てる方法最終リスト

ここでは、著者が捨てる方法を細かく解説しています。

55個ありましたが、少し減らしてピックアップしました。

・まず「捨てられない」という思い込みを「捨てる」

・捨てることは「技術」である

・捨てることは「失う」ことでなく「得る」ことである

・捨てられない理由を明確に感じる

 罪悪感なのか、恥ずかしさなのか

・「捨てられない」のでなく、「面倒」なだけ

・脳のメモリもエネルギーも時間も、有限である

・「今」捨てよう。捨てることがすべての始まり

・「捨てて」後悔するモノはひとつもない

・まずは明らかな「ゴミ」から捨てる

・複数あるモノは捨てる

・1年使わなかったモノは捨てる

・人の目線のためにあるモノは捨てる

・思い出はデジタルの方が見返せる

・同居人「モノさん」の家賃まで負担しない

・「収納」「片づけ」という発想を捨てる

・まず「収納の巣」を捨てる

・デッドスペースはデッドスペースのままにする(何も置いてない場所はそのまま)

・永遠に来ない「いつか」を捨てる

・「かつて」という執着を捨てる

・「忘れていた」モノは捨てる

・捨てるときに「クリエイティブ」にならない(空き缶の再利用など)

・「元を取る」という発想を捨てる

・「ストック」という仕組みを捨てる

・「心のときめき」を感じる

・もう一度買いたいと思えないモノは捨てる

・失敗はすぐに認め、勉強代と考える

・本当に必要なモノは必ず帰ってくる

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少しずつ今モノをワタシも減らしています。

ちょっと減らすだけでも、かなりすっきりしました。

もし、面白いと思ってくださったら、ぜひ試してみてください。

 

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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