気軽に楽しめるようになったサウナですが、あなたはサウナ、好きですか?
ワタシは先日やっと「ととのい」が分かってきた”気がする”・・・の領域までやってきました。
それまでは、「あれは苦行の一部」「精神を鍛錬するためにみんな入っている」「サウナをやると、翌週が疲れでかえって体調を崩す」というのが、ワタシの持論でした。
しかし、それもそのはず。
ワタシは無知だったのです。
それまでのやり方は、
「サウナで砂時計をにらみながら10分耐える
→大嫌いな水風呂にいやいや入ってがまん
→サウナに10分耐える
→水風呂にちょこっと入ってうんざりして、出る」
ということをしていたから。
YouTubeで知ったのですが、休憩をはさみながらのんびり入る、が正しいのだとか。
そこで、「休憩タイム」を挟んでみました。
たしかに、流れる汗が気持ちいい!
しかし、ちょっと入りすぎて帰りがしんどくなりました・・・。
そこで、本当に正しい入り方を勉強です。
もう、正しいサウナの入り方をご存じな方はとばしてくださいね。
サウナに入ると、なぜ自律神経がととのうのか?
まずは、サウナの効能から・・・。
サウナに入ることによって、自律神経がととのう、とよく聞きます。
自律神経には、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」の2つがあります。
交感神経はアクセルのようなもので、副交感神経はブレーキのようなもの。
この自律神経は、日々のストレスや夜でも明るい暮らしの中で、とにかく乱れがちです。
これが、サウナに入ることでどうなるでしょう?
まず、高温のサウナに入ると、じわじわと全身が温まることで、副交感神経の働きが優位になって欠陥が拡張され、血液は体の中心部から皮膚に近い血管に多く集まります。
血液の流れは体温調節の役割も果たしているため、皮膚に近い血管に血液を集めることや発汗によって上昇する体温を外に放出して、冷まそうとするのです。
しかし、やがてサウナの熱さによって、逆に交感神経が優位になります。
この状態でサウナを出て、すぐに冷たい水風呂に入ったり、水シャワーを浴びると、さらに交感神経が強く働いて、血管を収縮させます。
血液は逆に体の中心へ移動。
体温が低下しすぎないよう、保温しようとするわけです。
そのあと、外気浴や室温で休むと、体は徐々に通常モードへ戻ります。
サウナの高温環境から、急に水風呂や水シャワーの低温環境に体をさらすことで、自律神経は振れ幅が大きく働いて刺激を受けます。
このとき、体が暖められて拡張した血管は一気に収縮しますが、外気浴や室温での球形で再び緩やかに拡張するので、血液がさーっとスムーズに流れだします。
人間は血管が拡張して血流が促進されるときに「気持ちいい」という感覚を覚えるのです。
サウナによって、半ば強制的に自律神経の振れ幅を大きく働かせ、そのあとに休ませることで血液の流れはよくなり、自律神経のバランスが整いやすくなります。
これで私たちは、「ととのったー!」と感じるわけです。
「自律神経のバランスの崩れ」が招く健康リスク
何かとストレスを受ける現代社会では、自律神経のバランスを保つことは至難の業です。
さらに夜更かしによる睡眠不足、ブルーライトを放射するスマートフォンの依存など、自律神経のバランスを崩す原因は枚挙にいとまがないのです。
だから現代社会では、自律神経は崩れるものだと自覚して、そのたびにきちんと正常に戻す努力をすることが大切です。
体のどこにも特段の病変はないのに、疲労感が消えない、頭が重い、イライラ感がある、食欲がない、頭痛、筋肉痛、背中やおなかが痛い・・・・などなど、何となく調子が悪い時、病院で「不定愁訴」という診断を受けることがあります。
この不定愁訴の患者の多くは、自律神経のバランスが崩れていると考えていると著者は言います。
自律神経の崩れは、自律神経失調症の原因になります。
自律神経失調症の主な自覚症状は、不安感、疲労感、不眠症、食欲の減退、発熱、異常な発汗、息切れ、過呼吸、めまい、便秘や下痢、嘔吐感・・・・など多岐にわたりますが、不定愁訴同様、医療機関での検査で原因となる病変が認められないケースがほとんど。
自律神経失調症の診断を受けると、抗不安薬やホルモン剤などの薬が処方されますが、あくまで症状を緩和させるだけで、根本的な治療にはならないそうです。
不定愁訴や自律神経失調症を根本的に治すためには、自律神経のバランスを整えることが重要なのです。
著者は自律神経の専門医ですが、がん、脳卒中や心筋梗塞や感染症など、ほとんどすべての病気に対して、自律神経の崩れが何らかの影響を与えている、といいます。
さらに血管の話をするなら、大きな血管である動脈と静脈、小さな血管である毛細血管のコンディションは、ともに自律神経の働きによって大きく左右されます。
その理由は、血管のコンディションをよい状態に保つには、血液の流れがスムーズであることが必要不可欠な条件であり、その血流をコントロールしているのが、自律神経だからです。
まとめると、サウナによる最大の効果は、自律神経のバランスを整えることで血行を促進させて、血管を「筋トレ」するように強く、しなやかに鍛えることにあると言えるのです。
サウナで大きな血管を鍛える
よく言われる「動脈硬化」は、加齢や排気ガス、暴飲暴食な、喫煙どの悪習慣により、血管が硬くなって起きます。
動脈硬化は、硬くなった血管が、切れたり裂けたりする場合と、内側に悪玉コレステロールにより血管の内側にコブができ、道を狭くする場合とがあります。
こうした血管の老化は、自覚症状なく進行します。
そのため、こうした動脈硬化によって起きる、脳卒中や心筋梗塞が突然に発症するのです。
ちなみに心筋梗塞や脳卒中の死亡者数は、55歳ごろから急増します。
ですから、若くて健康なうちにサウナを習慣化して、動脈硬化を予防することが大切なのです。
美肌、育毛のアンチエイジング効果も
サウナでは、小さな血管である毛細血管も活性化されます。
免疫細胞やホルモンを運ぶ役割を担う毛細血管。
毛細血管は衰えて使われなくなると、その既存の血管から新しい血管ができて、生まれ変わることができます。
それらは「血管新生」と呼ばれています。
毛細血管のコンディションを保つには、この血管新生が活発に行われることが必要不可欠です。
そのためには同じ答えですが、「血流をよくする」必要があるのです。
つまり、サウナ習慣は、この小さな血管の新陳代謝を高める最適の習慣。
血行を促進して、全身の抹消に広がる毛細血管に新鮮な血液をどんどん流し込むことで、血管新生は活発に行われるのです
毛細血管は、髪の毛の育毛にも深く関与しています。
つまりサウナは、アンチエイジングにも役立つのです。
「サウナ→水風呂→外気浴」のセットはマストではない
ではやっと、ここでサウナの入り方について。
よくサウナ本で書かれている「サウナ→水風呂→外気浴」を数セット行う、というやりかた。
これは万人に向くとは限らないそうです。
人間の体は個人差があります。
ほかの人が勧める「サウナの流儀」は盲目的に信じなくてよいそうです。
健康的にサウナを楽しむためには、自分が「気持ちいい」と思う感覚に素直に従うことがとても重要だそうです。
ちなみに著者の場合、
1回7分のサウナ→水シャワー→休憩
これを(できれば朝に)2~3回繰り返す、だそうです。
その合間に水分補給も大事です。
同じサウナに入る大学教授の知人は1回5分のサウナ→水風呂をくりかえしてから、休憩がルーティンなのだとか。
10分以上入る人も、多くいます。
つまり、時間や回数はあくまで目安でしかありません。
その日の体調によっても、サウナに入る時間は異なります。
くれぐれも無理をすることなく、自分が「きもちいい」と感じる範囲で、サウナに入る時間を決めてください。
サウナのあとに外気浴を行うことは、必ずしも必要ではありませんが、サウナを出てから徐々に体を平常時に戻すことは重要です。
例えば、サウナや水風呂を出てすぐに帰る、あるいはすぐに運動や食事をするのは、健康的なサウナの入り方としてはNGです。
サウナに「がまん」は必要ない
気を付けるのは、「がまん」することで、「自己満足」に陥ってしまうことです。
著者は断言していますが、健康によいがまんなんて、絶対にないそうです。
体にとってがまんとは、心身を苦しめるストレスにすぎません。
具体的には、
水風呂のためにサウナの上段で熱いのをがまんする、
「ととのい」のために冷たすぎると感じる水風呂にがまんして入る、
サウナ後のビールのために水分補給せずのどの渇きをがまんする・・・・
などはすべてNGです。
サウナに限らず、ウォーキングもダイエットもしかり。
日常生活の中で行う習慣に、苦しみや忍耐がともなってはいけないのです。
著者自身も、サウナの習慣を始めたころは、1回につき3分が限界でした。
3分を過ぎると「熱くて気持ちいい」が「熱くて苦しい」という体質でした。
しかし、無理なく続けるうちに、サウナの「気持ちいい」の時間が伸びていって、1回7分になったのです。
あなたにとってのサウナが、がまんすることのない「お手軽修行」のようなものになれば、日に日に体調がよくなっていく実感を得られるはずです。
今週もお疲れさまでした。
たまには、サウナも週末によいかもしれませんね。
でも、まずは疲れをとってゆっくり休んでくださいね。
では、また。