以前紹介した『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』。
読み込んでいて面白かったので、さらにそれぞれの内容について深掘りしながらワタシの「いいなぁ」と思った内容について、おさらいさせてもらいます。
最近、この本を読んで、実践していることがあります。
アイスなどの糖分をひかえ、ファスティングとまではいかなくても、お腹が鳴ってからちょっと待って、そこから食事を摂るようにしてみたところ(休みの日限定のやりかたですが)、実に調子がよくなりました。
口内炎の治りが早く、頭痛が消え、頭が冴えています。
現実的でしかも結果が出る内容の本だと思いました。
人間ドックも近いので、本格的に調子を上げておきたいので、備忘録も含めておさらいです。
著者であるトロントの医師ジェイソン・ファンは、腎臓病、しかも透析治療の末期腎不全患者の専門医です。
つまりは糖尿病の専門家。
彼が行っている集中的な食事療法プログラムに参加した患者の半数が、数か月後には糖尿病治療に欠かせないとされる「インスリン」の投与をしなくて済むようになったという実績を持っています。
彼がクリニックで行っているプログラムは、「炭水化物の摂取制限」と「食事回数の制限」を組み合わせたものだといいます。
肥満の対処法や予防法は、インスリン抵抗性やインスリンの過剰分泌。
これら症状への対処方法として最も効果が期待できるのは、「低炭水化物・高脂質の食事」だと著者は断言してます。
そして、食事と食事の間をしっかりあけることです。
肥満の真実
人類は「やせない知識」で減量に挑んでいる
著者たち医師の中で常に悩まされている疑問があります。
「なぜ太った医者がいるのか?」
医者は肥満の原因を知っているはずで、その対処にもたけているはず。
でも、私もあなたも見たことがある、「太った医者」。
つまりこれは、医者が行う一般的なアドバイスが間違っていた、ということです。
「摂取カロリーを減らす」。
これが現在社会で言われるダイエットの根幹をなす考え方です。
たしかにカロリーの摂りすぎは体重増加の”近因”にはなるかもしれません。
しかし、著者が言うには、”根本原因”ではないそうです。
アルバート・J・スタンカード博士は、肥満に遺伝が関係するかを、「養子を迎え入れた家族」で比較し調査しました。
デンマークで養子になった540人の成人をサンプルとして取り上げ、それぞれ”生みの親”と”育ての親”のどちらが養子の成人した姿に影響したかを比較をしたのです。
もし、肥満にもっとも影響を与えるのがよく言われる後天的な食生活など、つまりは環境的要因だとすれば、養子は高確率で養父母に似るはずです。
太る原因の「7割」は血統にある?
その結果、養父母と養子の体重に、相関関係はまったく見られませんでした。
そして、養子を生みの親と比べた時、育ての親とはまったく異なる結果が出ました。
こちらは、双方の体重にはっきりと一貫した相関関係が見られたのです。
この結果は、カロリー計算に主眼を置いたそれまでの一般的理論であった中で、かなり衝撃的でした。
私たちは、どんなに努力しても太る遺伝子を持っていたら、糖尿病まっしぐらになってしまうのでしょうか?
それは違いました。
さまざまな調査の結果、遺伝的要因は太る要因の70%と判明。
つまりは、私たちは努力により残りの30%に入ることができます。
倹約遺伝子が太る要因?
では、1970年代に広まった「倹約遺伝子」という仮説が合っているのでしょうか?これは、「生き延びるために体重を増やすというメカニズムが、進化の過程で人間に備わった」とする仮説です。
しかし、一見正しく理屈が通って見えるこの仮説。
でも、実は問題点も多いとわかってきました。
最も明らかな問題点は、「野生の世界で生き残れるかどうかは、体重の問題ではない」ということ。
捕食動物は、太っていて動きが鈍い獲物の方を好んで狙いますよね。
つまり人間は、やせて動きがいい方が生存確率が上がるようにプログラムされている生き物である、ということなのです。
「食欲を止めるホルモン」に働いてもらう
つまり、「人間は遺伝的に過食しやすいようにできている」という仮説は間違っていることが分かります。
ええ、つまりワタシがよくやる過食したとき口にする、「人類は、食料があるうちにため込むようにできている」という言い訳が通用しなくなったわけです・・・。
実は空腹のサインを出すホルモンがあるように、満腹で食欲にストップをかけるホルモンもあるのです。
ビュッフェ形式のレストランのことを思い出すとわかりやすいでしょう。
”満腹”になったら食べ続けることはできません。
そのまま食べ続ければ、気分が悪くなって嘔吐してしまうのがオチ。
つまり、過食させる遺伝子などないのです。
肥満の根本原因は、主に血中の「インスリン」。
このホルモンの濃度が高くなることによって、ホルモンの複雑なバランスが崩れて起こるのです。
医師が教える 太らないカラダの作り方
現時点で免疫学上「最も信頼できる」5ステップ~完璧な減量
では、体重を増やす主な原因である「インスリン値を下げる」方法について。
方法はいくつもありますが、それぞれの利点を活用すると、次の手順になります。
ステップ1 「添加糖の摂取」を減らす
ステップ2 「精製された穀物の摂取」を減らす
ステップ3 「たんぱく質の摂取」を減らす
ステップ4 「いい脂肪」をもっと食べる
ステップ5 「食物繊維」をもっと食べる
コレです。
ワタシは、コレを始めたら(ステップ1だけなんですけど)、調子がよくなりました!
ステップ1 「添加糖の摂取」を減らす
砂糖にはインスリン値をすぐに、しかも長時間にわたって上昇させる働きがあります。
ショ糖と果糖ブドウ糖液糖は、ほかの食品よりもはるかに太りやすくなります。
砂糖や人工甘味料は、ほかのものより太りやすいのです。
カロリーが低いからとか、カロリーゼロと謳われているものであっても、これらがはいったものは、ダイエットにおいても真っ先に制限されるべきもののひとつです。
加工食品に加えられている砂糖は、天然の食品に入っているものよりも濃度が高くなります。
さらに、糖分だけでできた食品には”満腹感”をもたらすものが含まれないので、つい食べ過ぎてしまうことも問題です。
(すごくわかります。3時のおやつは、ストレスのある日なんか底知らずです)
精製された食品の中には、こっそりと砂糖が使われているものも多くあります。
それは、食品の成分表示にたとえば、
スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース(麦芽糖)、デキストロース(ブドウ糖)、糖蜜、加水でんぷん、はちみつ、添加糖、甘藷糖、異性化糖、果糖ブドウ糖液糖、粗糖、米、コーン、サトウキビ、メープル、麦芽、ゴールド、アガペシロップ
などと書かれています。
こうして書くことで、たくさんの”砂糖”が入っていることを書かないで済むからです。
では、どれくらいなら摂ってもいいのでしょう?
この質問に対して著者は、それは「タバコをどれくらい吸っていもいいか」という質問と同じだと言います。
しかし、まったくなしでは無理なので、合理的提案があります。
添加糖回避術 ①デザートを変える
ほとんどのデザートは風味をつけられています。
ここでは、伝統的な社会を見本にするとうまくいきます。
「新鮮な季節の果物」。地元で収穫されたものなら、なおよいです。
「ナッツ類」「チーズ」を少し食べるのも、満腹感を獲得でき、心配がありません。
カカオが70%以上含まれている「ダークチョコレート」を適度に食べるのも、健康的なデザートになります。
砂糖の入ったデザートは、特別な時に食べるものであり、毎日食べるべきものではない、と決めましょう。
あなたの目的が体重を減らすことならば、糖分を厳しく制限することが、最初に取るべき重要なステップ。
そして、くれぐれも人工甘味料に置き換えてはならないのです。
人工甘味料は、砂糖と同じくらいインスリン値を上げ、肥満を招きます。
添加糖回避術②「間食」をやめる
”常に食べる”ことをやめることの効能は、さまざまな本でも言われていることですね。
間食は、どんな食の伝統にも実質的に反するもの。
間食として食べるのは、ほとんどのものが、生成された小麦粉と砂糖がたっぷりと入っています。
自分によく問い直してみると、「本当にお腹が空いている」わけではなく、「ひと休みしたい」「気分転換」が目的だったり。
それなら、健康のために「午後にお茶を1杯飲む」のを新しい習慣にするのも良いかもしれません。
添加糖回避術③「朝食」は食べても食べなくてもいい
1日の中で「朝食」は最も議論が分かれるもの。
本書では、”1日の中で最も大切な食事”ではなく、「単なる食事」と考えています。
特に朝食で問題なのは、朝食で食べる物は、デザートと同じように高度に加工された炭水化物と砂糖をふんだんに使っていること。
特に子供向け朝食用シリアルは、最も いけないもののひとつです。
平均すると、大人向けのシリアルに比べて「40%」も砂糖が多く使われています。
では、「いい朝食」とは、何でしょう。
昔ながらの「ヨーグルト」や「ギリシャヨーグルト」は、栄養に優れています。
「オートミール」も伝統的でヘルシー。食物繊維を置く含まれています
「卵」は抗酸化物質を摂るのにとても優秀。
さらに言うなら、「お腹が空いていないなら、朝食を食べなくていい」と著者は言います。
わたしたちは、朝の忙しい時間に、パッケージされていて便利な、高度に加工され砂糖がふんだんに使われた食べ物を食べがち。
食べる時間がないなら、食べなければいいと著者は言います。
添加糖回避術④炭酸水を飲む
私たちは、「加糖された飲み物」から糖分をとることが圧倒的。
アイスコーヒーやエナジードリンク、スムージー、清涼飲料水、スポーツドリンクなど。
わたしはよく口にしてしまいます。
これを加糖されていない炭酸水、コーヒー、緑茶に変えてみる。
特に緑茶のカテキンは血糖値を低下させ、インスリン分泌機能を持つ「すい臓β細胞」を守ると考えられています。
紅茶にしても緑茶と同じくらいの抗酸化物質があります。
緑茶のポリフェノールは、脂肪燃焼を促すと言われ、運動をしているときの脂肪燃焼量を増価させたり、安静時エネルギー消費量を増やしたり、あらゆる種類のがんのリスクを低下させることがわかっています。
ステップ2 「精製された穀物の摂取」を減らす
炭水化物は、天然のものを、丸ごと、加工されていない状態で摂ることが勧められています。
全粒粉や全粒穀物にはビタミンや食物繊維が含まれています。
それでも、現代の製粉所で高度に加工されているので、腸に素早く吸収され、インスリンの効果を高める傾向にあります。
ステップ3 「たんぱく質の摂取」を減らす
完全にたんぱく質を抜いてはいけませんが、たんぱく質を総摂取カロリーの20~30%に抑えることはいいことだそうです。
食事代わりに飲むシェイク飲料やバー、プロテインパウダーは、ただ高度に加工された”にせの食べ物”です。
ステップ4 「いい脂肪」をもっと食べる
3つの主要栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質のうち、脂質はインスリンの分泌を促す効果が最も低い。
だから、脂質は本来太るもとではないし、肥満予防効果が期待されるものです。
脂質を摂るときには、「天然の脂質」が多く含まれているものを選びましょう。
天然の加工されていない脂質には、オリーブ油、バター、やし油、牛脂、リーフライド(腹油)などがあります。
高度に加工された植物油、炎症作用の高いオメガ6脂肪酸は健康への悪影響があると考えられています。
”精製された”油は、味の悪さをカバーするために化学物質を使って高温で中質されており、2級品のオリーブを使って作ることもできます。
「ピュアオリーブ油」という表示は、精製された油を指す場合があるので気を付けましょう。
・・・ワタシは、ピュアオリーブオイル、なんて健康に良さそう!って思ってました。
ナッツ、乳製品、アボカドには、いい脂肪が豊富に含まれています。
ステップ5 「食物繊維」をもっと食べる
食物繊維は炭水化物によるインスリン刺激を減少させるため、肥満に対する主要な予防因子です。
北米における平均的な1日あたりの食物繊維の摂取量は、推奨されている量よりもはるかに低くなっています。
多くの研究により、食事から摂る食物繊維には体重を減らす効果があることが確認されています。
ただし、注目したいのは、天然の食品そのものに多くの食物繊維が含まれていても、加工の過程で取り除かれることが多い、という点です。
果物、ベリー類、野菜、全粒穀物、アマ、チアシード、豆類、ポップコーン、ナッツ類、オートミール、パンプキンシードは本来高繊維食です。
グルコマンナンは水溶性および発光性の植物繊維で、アジアではコンニャクと呼ばれているおなじみのもの。
酢も予防因子で、インスリンの過剰分泌を防ぐものです。
小さじ2杯を目安に料理に使うと効果的です。
ファスティングのススメ
食事の「間隔」が長ければ長いほどいい
インスリン値が高くなると、あなたの身体の体重の設定値も高くなります。
この設定値だと、無情にもその努力が無駄になります。
私たちはもっと空腹を感じるようになります。
代謝量は、摂取エネルギーよりも低くなるよう、どんどん下がります。
すると、体重は減らなくなり、ダイエットを続けているにも関わらず、元の設定値まで体重は容赦なく増えてしまいます。
ダイエットを成功させるには、インスリン抵抗性を招く「サイクル」を断ち切る必要があるのです。
それには、インスリン値がとても低くなる時間を繰り返しつくらなければなりません。
「間欠的ファスティング」なら確実にやせられるー医師として断言
古代ギリシャ人は、人間の自然な姿を観察すれば、おのずと治療法が見つかると信じていました。
私たちがインフルエンザに罹患して伏せっていた時のことを思い出せばわかります。
食欲は全くわかなくなりますよね。
ファスティングはある意味、人間の本能です。
ファスティングを行うと、栄養失調を心配する人が多いのですが、たいていの人の場合、体が蓄えている脂肪は、体が必要とする量を賄うには十分。
最長で300日以上のファスティングも記録されているそうです。
その間水分は十分に摂るそうです。
また、「マルチビタミン」のサプリを摂取することで、微量栄養素を補うことができます。
間欠的ファスティングとは、1日をふつうに食べる日、もう1日の朝食と昼食を水やコーヒー、野菜のだし汁などですごし、夕食を食べる。
それを繰り返すことです。
間食は一切せず、ファスティングの日にはデザートとして、ダークチョコや季節の果物、ミックスベリーなどを食べます。
そこまでしないにしても、しっかり食事の間隔をあけることでも、できるのではないかとワタシは思いました。
いつでもどこでも食べ過ぎてしまうワタシ。
この本を読んで「食事間隔をあける」ことにしたのです。
それだけでもとても効果がありました。
小腹が減ったら、水を飲んで鳴るのをやめさせ、次の食事まで待ってみる、といったくらいのことしかしていません。
あとは、糖分を減らしました。
それだけでも、肌のニキビがなくなり、口内炎が治り、頭痛が消えました。
実は体重も1週間で1キロ近く減りました。
運動はほとんどしていないです。かえって少なかったと思います。
ご飯はしっかりばっちり食べてますよ。
本来生き物がもっているシステムを使うことで、自分のカラダは変わっていくことが実感できました。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。