あなたは、「自分らしく生きたい」「もっと自分の良さを活かしたい」と思ったことはありませんか?
人生を豊かに生きるためには、「自分を知ること」がカギになります。
でも、自分のことを知ることは、実はとても難しい。
なぜなら、自分の内面は目で見ることができないからです。

そもそも、人は自分の外見すら、鏡を使わないとみることができませんよね。
ビデオ会議で、自分がどんな表情で話をしているのか、見て驚いたことがあるのではないでしょうか?
人の話を聞きながら、眉間にシワを寄せていたり、思いのほか怖い顔をしていたことが、ワタシはあります。
外見だって道具がないと見えないのだから、内面を知るにも道具が必要です。
実は、その道具がノートなのです。
ノートは内面を映す鏡になります。
心に秘めた思い、どう生きたいと思っているのか、自分の関心事、思考パターンや行動のクセ、自分の根っこにあった信念。
今、どんな縁がきているのか、自分にどんな良さがあるのか、自分が落ち込みやすいパターンは何か、腹の底から望んでいることは何か・・・・。
書くこと、そして「振り返る」ことで、著者自身も自分という人間がわかるようになり、自分に「あるもの」を活かせるようになり、人生を好転させていきました。
著者は、一部上場企業の部長職や外資系スタートアップの役員を経て、2019年に『ミーニングノート 1日3つ、チャンスを書くと進む道が見えてくる』という本を執筆しました。
そして、この本をきっかけに、ジャーナリング(記録)とリフレクション(振り返り)により人生を切り開くサポートを仕事にしています。
そうした仕事をしていてはじめてわかったことがありました。
多くの人は「書く」ことはできるのに、「振り返り」は苦手意識が強くなかなか習慣化できない、ということです。
そこで著者は毎週のように「振り返り会」を開催し、5000人以上の人に指導してきました。
著者自身いろいろ試してきた中で、人生を変える気づきを短時間で得られる具体的な方法がわかったので、本書で伝えています。
ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスは、自分のために日記を書いていました。
その日記を編集したものは『自省録』という本で出版されています。
この日記は、自分自身に対して、言い聞かせている言葉が並んでいます。
・未来を思い煩うな。必要あらば、現在役立ちうる知性の剣にて十分に未来に立ち向かわん。
・いい人間のあり方を論じるのはもう終わりにして、そろそろいい人間になったらどうだ。
・人の一生は短い。君の人生はもうほとんど終わりに近づいているのに、君は自分に敬意をはらわず、君の幸福を他人の魂の中に置くことにしているのだ。
マルクス・アウレリウスが生きていたころは、戦争が多かったり、疫病が広がったりと、困難なことが多い時代。
この難しい状況の中で、皇帝と言う立場上、本音で相談できる人も少なかったのでしょう。
皇帝は自分のために言葉を綴り、何度も読み返し、自分を癒し、励まし、鼓舞していたのだと思います。
皇帝のような特殊な立場でなくとも、誰でも最後は自分自身で人生を決めなくてはなりません。
そのときに、自分で心のケアや思考の整理ができて、人生の行動指針が見えてくる振り返りスキルは、必ず役に立ちます。
今の時代は、ネットやSNSにあふれる膨大な情報の処理と、他者とのコミュニケーションをとることに偏っていますね。
自分を内省する時間は意識してとらないとほぼゼロになります。
だからこそ、たった数分でいいので、振り返る時間をもつことを習慣化してみてください。
振り返りとは、自分を知るだけでなく、自分といい関係を築き、自分を大切にし、人生を豊かにするスキルでもあるのです。
「振り返り」は「=反省」ではない
「準備が足りませんでした。改善します」
「相手への配慮の気持ちがかけていました。普段から意識しようと思います」
「振り返り」と聞くと、「何がダメだったのか」と反省するイメージがありませんか?
謙虚ですが、多くの人にとって自信を失う時間になってしまします。
本書の振り返りは、自分に「あるもの」を探し出し、自分と言う素材を最大限生かしていくという考え方に立っています。
あなたがノートに書き出す言葉は、「あなたがどう生きたいのか」「何を悩んでいるのか」「あなたにどんな才能があるのか」「あなたにどんな縁があるのか」など、人生を生きるための大切なヒントがたくさん潜んでいます。
著者自身も、この振り返りで自分を取り戻しました。
著者の父親の会社は、民事再生になりました。
そのときにお金も社会的信頼も、人間関係も、一瞬で無くなるものだとわかりました。
すべてがなくなってしまったと思った著者でしたが、実はそうではありませんでした。
そうした経験や知恵、思いといった、自分の中にあるものは失うことはありませんでした。
それらは誰にも奪われない、そして、何度でも人生を切り開ける強固な財産なのです。
今では民事再生の経験を人に話すと、「勇気をもらいました!」と喜んでもらえる話のネタになっているそうです。
振り返りフォーマットを書いてみよう
その1 ワンデー振り返り
では、さっそく振り返りの仕方です。
ワンデー振り返りは、心に残ったひとつの出来事を深く振り返ります。
1日で完結できます。
毎日記録をとる必要がないので、気軽に振り返りができます。
ワンデー振り返りは、大きく左右に分かれるSTEP1とSTEP2の2段階に分けて行います。

まず、ノートにざっくりこのページのようなフォーマットを書きます。
位置が重要なので、場所はこの通りで行います
ワンデー振り返りSTEP1
①心がうごいた出来事をひとつ選んで書き出す
主観や評価はいれず、実際に起きた事実だけを書きます。
例えば、「部のメンバーがミスをして、部会で全メンバーに報告することになった」など。
②「瞬間的思考・感情」を書き出す
その出来事について、とっさに考えたことや感じたことを、STEP1の「意味づけ」に書きます。
ひどい言葉であっても、社会的自分はいったんおいておいて、頭と心に浮かんだかことをそのまま書きます。
たとえば、「メンバーがミスをして・・・」→
「自分がリーダーとしてどう振る舞えばいいか迷ったが、厳しい態度で接することに決めた」
ここで本音を書くことで、本えの裏側にある自分の望みや固定観念が見えてきます。
③「どんな行動をとったのか」書き出す
もし、その場で行動をとった場合は、どんな行動をとったのか「行動」の箱に書きます。
たとえば「自分がリーダーとしてどう振る舞えば・・・」→
「厳しい表情をしながらメンバーの報告を聞いた」
④どんな結果になったかを書き出す
その行動の結果がでたら、その下の「結果」の箱に入れます。
たとえば「厳しい表情をしながら報告を聞いた」→
「ミスしたメンバーはかなり落ち込み、自分もリーダーのふるまいとして、それでよかったのか何度も考えてしまった」
ワンデー振り返りSTEP2
では、右側の列のSTEP2をの列を使って、STEP1を振り返ります。
①意味づけ思考を書き出す
STEP1の「出来事」の箱に書いたことをおう一度見つめ直し、違うとらえ方や新しい気づきはないか、考える。
相手の視点や第三者の視点からも広く見てみる。
たとえば、
「出来事を見返してみると、人的ミスは誰にでも起きうるものだった。
しかも今回ミスしたメンバーはいつも頑張っていて、珍しいミスだった」
同じ箱の中に、自分について、改めて気づいたことがあれば書いておく。
たとえば、
「厳しい態度をとるのがリーダーとして正解かと思ったが、今後を期待している気持ちを伝えればよかった」
ここで、いい子ちゃんになって書かず、自分の納得感を大切に。
②「今から」「自分で」「行動」できることを書き出す。
過去のことなので、今からできる表現で書いていきます。
たとえば、
「今度からは、事実を受け止めつつも、自分がどういう気持ちかをセットで伝える」
③行動の結果を書き出す
行動した場合、STEP2の一番下に書き出します。
望んでいない結果が出ることもあれば、「何も起きない」のも結果のひとつです。
たとえば、
「メンバーのトラブルやミスに対して、リーダーとしての自分のふるまいを迷わなくなった」
その2 ウイークリー振り返り
ウイークリー振り返りは、毎日の記録をしていきます。
毎日、「心に残った出来事」を3つ選びます。
そして、それぞれの出来事に対して、「出来事+意味づけ」という形で書いていきます。
たとえば、
「部下のAさんが新人に教えているのを見て、学ぶことが多いと思った。部下とか関係なく、誰からも学べることがたくさんあると改めて思った」
など。
意味づけをつかって、その出来事から得た「気づき」「学び」「決意」「良かったこと」「予感」のいずれかを書きます。
無理なポジティブシンキングは要りません。
とにかく素直に書くことが大切です。
ウイークリー振り返りの書き方
1週間分の記録ができたら、4ステップでウイークリーを振り返ります。
①大切な記述を3つに絞る
1週間の記述の中で大切なもの3つに絞り、しるしをつけます。
②つながりを探して矢印を引く
日々の記録を見ると、出来事が次の出来事へと、もしくは内面の思いが何らかの出来事へと、つながっていくときがあります。
記録を振り返り、なんらかのつながりが生まれていないか探しましょう。
見つけたら、それを矢印手つなげます。
そこには、自分だけの成功法則が見つかります。
たとえば、自分のどの行動がよかったのか、どんなマインドがよかったのか、誰かキーパーソンがいたのか、いい環境がそろっていたのか、など。
つながりの中で出来事をとらえ直すと、チャンスの目利き力が高まります。
「抽象化」して、自分がどんな人間なのか言語化する
ここから左のページに入ります。
③抽象化する
まずは抽象化します。
ばらばらの情報から、着目すべきものを取り出してまとめます。
まずは、全体を把握するうえでの枝葉の部分に着目。
たとえば、自分の状態、気になっていること、大切な人などを見つけてみましょう。
それが見つかるようになってきたら、自分の関心、強み、思考、行動パターンが見つけられるようになります。
やがては、根っこである固定観念や信条、望みが見つかってくるでしょう。
たとえば、
「コツコツと続ける力:印の2つの項目は、コツコツ進めることができている!自信がつくのがうれしい。今年は続けてみよう」
「ワークショップは私のライフワーク:先週開催したワークショップが好評だった!高村さん、平岡さんがよかったとクチコミしてくれた。ワークショップは、私の強みかも?」
など。
④具体化する
ウイークリー最後のステップです。
具体化とは、行動に落とし込むこと。
大切なポイントは、「今すぐ動けるまで落とし込む」こと。
行動が早い人は、この具体化が得意です。
「4W1H+予算」で具体化しましょう。
①いつ②どこで③誰と④何を⑤どうやって⑥いくらかかる
はっきりとイメージできるまで落とし込みます。
具体化がわからない部分は即検索しましょう。
ここで大切なのは、純度100%のやりたいことを探すこと。
義務でやらないといけないTO DOリストは、スケジュール帳に書いて、このノートには書かないでください。

このほかにも、マンスリーの振り返りもあります。
本書はひとつひとつ大事に解説されていますので、気になったらぜひご覧になってください。
これで、かなり重たい悩みがすっきりしました!!
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。